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2016年02月17日19時00分

【特集】うわさの株チャンネル 【ソフトバンク 人気沸騰の裏側】 <特集>

巨額自社株買いは大復活の礎となるか

「記録的な大商いで思惑錯綜!」

 17日の東京市場は後場波乱安となったが、そのなかで脚光を浴びたのがソフトバンク <9984> だ。前日に同社株は、値幅制限上限の700円高は5100円まで上昇し、大引けに買い物を残す異彩人気をみせていた。きょうもその勢いを引き継ぎ、一時815円高の5915円まで駆け上がり、連続大台替えとなる6000円をも目前にとらえる強さをみせつけた。後場に入り全体相場が先物主導で急落展開となるなか、裁定解消売りの直撃を受けさすがに上げ幅の縮小を余儀なくされたが、それでも6%近い上昇を確保した状態で着地し、存在感を示した。

 経営再建途上にある傘下の米スプリント株の下落などを嫌気材料に年初から大幅な調整を強いられていたが、前日16日を境に形勢は一転して買い方有利に傾いた。15日に発表した最大5000億円規模の巨額自社株買いは、経営陣の株価に対する自信の程を指し示す強力なメッセージとして今なお強烈なインパクトを残している。

●売買代金が記録的に膨張

 株価の上昇パフォーマンスもさることながら、特筆に値するのはその商い水準の記録的な膨張である。売買代金は約4300億円に達し、上場企業では2位のトヨタ <7203> の4.5倍弱、また、これまで上場企業と一線を画しトップ常連だった日経レバ <1570> [東証E]の1.7倍弱という驚異的なレベルに達した。

 これについて市場では「分単位の時系列で見ると、個人の短期売買に交じって不規則に大口の買い注文が入っており、自社株買いが既に始動していることを窺わせる。これに投機筋が相乗りして商い水準が一気に膨らんでいるのではないか」(国内ネット証券マーケットアナリスト)と指摘する声があった。

 一方、国内準大手証券マーケット支援部では「よほど今の株価水準が妥当性を欠いた安値にあるという主張なら話は別だが、(自社株の)取得期間は1年間と長く、発表後早々に高値を敢えて買いにいくような自社株買いはやりにくいのではないか。(目先の大商いは)超高速で自動売買を行うHFTの影響による部分も大きいとみている」との見解も出ていた。いずれにしても、きょうは市場関係者の視線がソフトバンクに釘付けになったということだけは確かなようだ。

●自社株買いサプライズの反動も

 株価は前日に大底圏からマドを開けての急騰で25日移動平均線とのマイナスカイ離を一気に埋め切った。きょうはそれに続く大陽線で一時は今年1月初旬以来の6000円台復帰をにらむ展開だったが、全体地合いの悪化には抗い切れず、後場は息切れ模様となった。結果的に長い上ヒゲをつけた格好となり、あす以降の値動きに強弱感が分かれるところではある。

 今回の自社株買い発表は、同社の株価にとって間違いなくポジティブサプライズだった。「しかし同社の財務基盤は、10兆円を超える有利子負債を考慮すれば決して強固とはいえず、買い切った後の反動もいずれ意識される可能性がある」(国内投資顧問)という懸念も無視はできない。会社側は保有株など投資資産の売却で資金を賄う方針だが、「例えばアリババ株を売却するとして、その動きを示唆すれば(アリババ株の)株価急落を呼ぶ可能性があり含み資産減少というジレンマに陥る。5000億円の調達はそれほど簡単な話ではない」(同)とも指摘されていた。

 中期的にはスプリント事業改善のプロセスが株価浮揚の大きなカギを握ることに変わりはない。全体相場はCTAなどによる先物売りの増幅で依然として不安定感が強く意識される。ソフトバンクは日経平均寄与度の高い銘柄として裁定解消売りの洗礼も受けやすいだけに、当面は荒い値動きに翻弄されそうだ。

(中村潤一)


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