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【通貨】為替週間見通し:ドルは弱含みか、中国市場の混乱で市場心理は弱気に傾く


■ドル下落、人民元相場の先安観でリスク回避の円買い広がる

先々週・先週(2015年12月28日-2016年1月8日)のドル・円は下落。昨年12月最終週は120円50銭前後でもみあいが続いていたが、人民元相場の先安観が台頭し、中国株が不安定な動きを続けたことや日米の株安を嫌気して、リスク回避的な円買いが広がった。

日経平均株価が1月4日の大発会から5日連続で下落したことや、原油先物が一段安となったこともリスク回避的な円買いを促す一因となった。8日発表の12月米雇用統計は予想以上に強い内容だったが、ドル買い・円売りの動きは拡大せず、ドルは一時117円22銭まで下落し、117円台前半で取引を終えた。先々週・先週の取引レンジ:117円22銭-120円66銭

■ドルは弱含みか、中国市場の混乱で市場心理は弱気に傾く

今週のドル・円は弱含みか。中国市場の混乱を受け、下値支持線として機能していた118円を明確に割り込んでいることから、市場参加者のセンチメントは弱気に傾いているようだ。12月の米雇用統計は予想以上に強い内容だったにもかかわらず、米国株は続落しており、投資家のドル買い興味は低下している。
今週発表される米国の主要経済指標が市場予想を下回った場合、リスク選好的なドル買いは一段と縮小する展開となりそうだ。15日に発表される12月の米鉱工業生産は前月との比較で改善が見込まれており、予想通りであればドル買い材料となる可能性はあるが、ドル・円相場を大きく押し上げるまでの影響力はないとみられる。

・予想レンジ:115円00銭-119円00銭

【米12月小売売上高】(15日発表予定)
12月小売売上高(前月比)は、クリスマス商戦の実績として注目される。前回+0.2%だったのに対し、市場は前月比+0.1%で伸び率はやや鈍化する見通し。ドルが弱含んでいるため、市場予想を下回った場合はリスク回避的なドル売り・円買いが優勢となる可能性がある。

【米12月鉱工業生産】(15日発表予定)
12月鉱工業生産(前月比)は、前月の-0.6%から-0.2%に改善が見込まれている。引き続きマイナスとなる見込みだが、前月比プラスとなった場合は株高の要因となり、ドルを買い戻す動きがみられる可能性がある。

《FA》

 提供:フィスコ

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