市場ニュース

戻る
 

【経済】「米国9年半ぶり利上げ」(1) 吉野晶雄氏に聞きました! <直撃Q&A>

吉野晶雄氏(アムンディ・ジャパン チーフエコノミスト)

 米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、9年半ぶりとなる利上げを決定した。この発表を受け、17日の東京市場では日経平均株価が400円を超す大幅高となっているほか、為替相場ではドル高・円安が進行している。この米国の利上げを市場関係者はどう評価しているのか。アムンディ・ジャパンのチーフエコノミスト、吉野晶雄氏に聞いた。

●吉野晶雄氏(アムンディ・ジャパン チーフエコノミスト)

Q1 今回の米連邦公開市場委員会(FOMC)の印象は?

 FOMCの決定は全員一致だったほか、当面緩やかな引き上げにとどめることなどにも触れてある。きわめて市場に配慮した内容であり、ポジティブに評価できる。ただ、イエレン議長の記者会見はハト派的だが、米連邦準備理事会(FRB)メンバー全体では16年は年4回の利上げを想定しており、さほどハト派とは言えない。

Q2 16年の利上げ回数や利上げ時期は?

 来年の利上げはせいぜい2回だろう。2%の物価上昇目標に向けた経済情勢などを考慮すれば年4回の利上げは難しい。最初は6月、2回目は大統領選挙が終わった後の12月ではないか。

Q3 FOMC後の株式市場や為替への影響をどう判断しますか?

 株式市場は、FOMCの不透明感が払拭されたことも好感しており、12月と来年1月にかけては堅調な値動きが見込める。日経平均の2万円は期待できるだろう。ただ、2月以降は原油安の影響などもあり、株価は下落する可能性がある。今後3ヵ月程度の為替の想定レンジは1ドル=120~124円前後。米長期金利の上昇が限定的ななかでは、ドル高の余地はあまり大きくないと思う。

(聞き手 岡里英幸)

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均