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コラム【新潮流2.0】:タイミング(マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆)


◆前回の小欄は「トリセツ」について書いた。書き出しでは同名のヒット曲がある西野カナさんの活動休止のニュースを取り上げた。ところがそのコラムがメールで配信された1月28日月曜日の朝は、前日の夜に発表された嵐の活動休止の話題で持ちきりだった。日本全国、どこでも「嵐、活動休止」一色のなか、西野カナさんの活動休止のネタで始まるコラムは、なんとも間が悪い、すなわち「間抜け」であった。

◆なにごともタイミングが重要であるが、殊に投資などはタイミングがすべてと言ってもいい。しかし、マーケット・タイミングを当てるのは至難の業だ。よって伝統的な資産運用の世界では、マーケット・タイミングはとらずに常にフル・インベストして、銘柄選択や業種配分などでベンチマークを上回ることを目指す戦略が一般的である。

◆しかし、それはベンチマーク運用を仕事としているファンドマネージャーの話。個人投資家にとっては、どこでマーケットにエントリーするかが勝負である。買った後に悪材料が出て相場が下がったら最悪だ。だから、重要なイベントの前には動きづらい。ところが同じ材料でも相場の反応が違うことがある。直近の例では金曜日の日本株と米国株の動きがまさにそれだ。メキシコ国境での壁建設に関してトランプ大統領が非常事態を宣言する方針を固めたというニュースが伝わった。 それを嫌気して日経平均は200円超も下落した。ところがその日の米国株市場は、そんなニュースは歯牙にもかけず、ダウ平均は400ドル超の大幅高、3ヶ月ぶりの高値をつけた。

◆ビートたけしは著書『間抜けの構造』のなかでこう述べている。<”間”というものを大切にするのは日本の長所でもあるけれど、その一方で、短所もそこにある。”間”を大事にするということは、つまり過剰に空気を読む文化でもあるわけで、そうするとゼロから何かを生み出す能力がどうしても弱くなる。 新しいものを作るには、何かを壊さなきゃいけないんだけど、それが苦手。>ニュースそのものより、市場の反応を読むことが投資で成功する鍵だ。「過剰に空気を読む文化」というのは日本株の市場についても言えるのではないか。日米の市場を見ると、その読みの巧拙が如実に表われているように思える。

マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木 隆
(出所:2/18配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より抜粋)

《HH》

 提供:フィスコ

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