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高橋春樹氏【英EU離脱の衝撃!株価回復の行方は?】(2) <相場観特集>


 ブレグジット(英国のEU離脱)ショックによる前週末24日急落の反動もあり、週明け27日の東京株式市場は大幅反発に転じた。日経平均株価終値は、前週末比357円19銭高の1万5309円21銭となった。政府と日銀が緊急会合を開き、金融市場安定への流動性確保を確認したことで、機動的な政策対応への期待感が買いにつながったという。ひとまず連鎖安に歯止めが掛かったものの、英国のEU離脱のマイナス影響の実体は依然として不透明なままだ。今後の相場見通しについて、第一線の市場関係者に聞いた。

●「今後の米金融政策が日本株の行方を左右」

高橋春樹氏(三木証券 執行役員 商品本部長)

 英国のEU離脱の是非を問う国民投票の結果が、大方の予想に反して“離脱”に決定したことのショックの影響を、世界の主要マーケットのなかで、日本が最初に消化しなければならなかったという巡り合わせが、日経平均株価の1286円(7.92%)安という前週末の極端な下落を発生させた。

 実際に24日のロンドン株式市場のFT100種平均株価は3.15%の下落、米株式市場でもNYダウ平均株価の下落率は3.39%と、いずれも3%台の下落率にとどまった。日本の場合、外国為替市場での急速な円高と株安が負のスパイラルとなり下げ幅を増幅する傾向は否めないが、欧州、米国を経てのスタートなら、ここまで厳しい下落にならなかったのではないか。

 米国経済自体が直接揺らいだリーマン・ショックに比べると、現状ではその深刻さは軽微と推測される。ただ、実際のところ、英国のEU離脱の影響が読めないという不安感が数カ月間続きそうだとの懸念が市場心理を悪化させている。とくに、日本にとっては、輸出関連企業の業績を直接悪化させる円高がどの程度まで進行するのか、不安感が大きい。

 これまで、米国は次回の利上げのタイミングを模索するスタンスにあったが、今回のブレグジットショックにより、年内の利上げ見送りや、逆に緩和の芽も出はじめたとの見方も浮上している。利下げ余地が限られる日本と、余地の大きい米国を比較すると円高・ドル安進行の可能性が高いことは確か。ただ、経常収支など最近のファンダメンタルズを考慮すれば、1ドル=100円を超えて90円台に定着する円高状態は想定し難い。米大統領選の実施される11月までの期間は、世界的に見ても手控えムードが継続することが予想される。したがってその間は買い場となりそうだ。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(たかはし・はるき)
1977年岡山大学法文学部卒業・第一証券入社。1999年第一証券エクイティ部長兼投資運用部長、2005年三菱UFJ証券エクイティ部長、2011年三木証券投資情報部長。

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