リコー、今期税引き前を一転赤字に下方修正

c.（以下、RUS）は、2008年に買収したIKON Office Solutions,Inc.（現RUS 以下、IKON）に係るのれん等の固定資産の減損損失として約1,400億円を2018年3月期第4 四半期に計上する見込みであります。また、その他、2014年に買収した米国のITサービス会社mindSHIFT Technologies, Inc.（以下、mindSHIFT）ほかでも減損損失として合計約400億円を2018年3月期第4 四半期に計上する見込みであります。　また、上記関係会社における減損損失計上に伴い、当社は2018年3月期個別決算においてRUSの親会社であるRicoh Americas Holdings, Inc.株式にかかる関係会社株式評価損を特別損失に計上する見込みです。金額については評価額が確定次第、開示いたしますが、個別決算における関係会社株式評価損は、連結決算上消去される為、連結業績に与える影響はありません。（2）背景　当社は、国際会計基準(IFRS)に基づく減損テストを実施し、現在の事業環境を踏まえて将来の回収可能性を検討した結果、買収時に発生したのれん等の減損損失を計上する見込みであります。　具体的には、当社グループは、IKONほかの米国における販売代理店を、主として（1）米国市場でのビジネス拡大による優位性の確保、（2）直売MIF（市場稼動機）獲得による収益基盤の安定化とソリューションニーズの把握、（3）マネージドサービスを中心としたサービス事業及びプロダクション・プリンティング事業等の新たな成長領域への販売インフラ・顧客基盤の確保を目的として買収し、順次、当社の米国販売会社と経営統合し、米国での販売基盤の強化及び事業の拡大を実現いたしました。他方、近年、デジタル化の進展、クラウド/モバイル環境の進展にともなうペーパレス化が想定以上に進み、北米市場ではオフィスプリンティング事業の競争の激化による単価下落が先行しており、事業環境の厳しさが一段と増しております。　こうした中、2017年度から2019年度の第19次中期経営計画「RICOH 再起動」において、事業の選別の徹底を含む「構造改革」、「成長事業の重点化」、「経営システムの強化」を基本プランとするとともに、事業領域を顧客セグメントとの関係で再定義し、2017年度より事業セグメントを変更いたしました。また、これら事業領域のフレームワークに基づき、実際のマネジメントレベルでの意思決定や事業管理ではさらに細かい単位でモニタリングできるようにしたことから、固定資産の減損判定の単位である資金生成単位を見直しました。　RUSのオフィスプリンティング事業については、「RICOH 再起動」による徹底した利益重視の戦略転換を図り、それによりこれまでの規模の拡大を前提としていた将来キャッシュフローを見直した結果、IKONほかの買収に伴うのれん、無形資産及び有形固定資産を対象に減損損失約1,400億円を計上する見込みとなりました。　その他の減損については、クラウドサービスの急速な普及等の市場環境の変化に伴いmindSHIFTほかの将来キャッシュフローを見直した結果、保有する資産の簿価を全額回収する事は困難と判断し、過去に買収した労働集約型のワンストップサービスを展開するITサービス事業で発生したのれんを中心に減損損失約400億円を計上する見込みとなりました。（3）今後の施策　当社は、引き続きRUSをリコーグループの代表的な販売会社、かつ重要な子会社であると位置づけ、短期だけではなく中期的にグループの企業価値向上に資するように構造改革を進めてまいります。　mindSHIFTを含むOS事業については、規模拡大を狙った全方位的なサービス事業の展開からより利益貢献が期待できる分野への集中的に投資をする戦略へと転換を行ってまいります。（注）上記の予想につきましては、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。