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9995 グローセル

東証P
747円
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業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
23.3 0.84
時価総額 221億円
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決算発表予定日

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グローセル Research Memo(1):自社製品の半導体ひずみセンサー「STREAL」に注力


■要約

グローセル<9995>は半導体を中心とした技術系電子部品商社で、旧(株)ルネサスイーストンから2019年7月1日付で商号変更した。ルネサスエレクトロニクス<6723>(以下、ルネサス)の有力特約店という立場にあり、取扱商品はルネサス製半導体が中心となっているが、国内外において新規商材の発掘にも余念がない。注目すべきは、2018年4月から販売開始した半導体ひずみセンサー(製品名「STREAL(ストリアル)」)のビジネス。高性能な製品の自社開発・展開に多くの企業から注目が集まっている。利益率が高いことに加え、工業用途だけでなく社会インフラや文化的な目的(伝統的技能の継承等)にも使える可能性が広がっており、今後の同社の業績を様変わりさせる可能性が高まっている。

1. 2023年3月期連結業績(実績)
2023年3月期の連結業績は、売上高が68,295百万円(前期比1.5%増)、営業利益1,260百万円(同32.2%増)、経常利益が1,080百万円(同10.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が872百万円(前期は362百万円の損失)となった。前期から続いた主要仕入先であるルネサスの商流移管の影響が残ったものの、主力の自動車分野やOA分野が堅調に推移して増収を確保した。売上総利益率はメーカー保守在庫の調整により前期比で低下したが、販管費が減少したことから営業利益は増益となった。営業外費用で為替差損を計上したことから経常利益は減益となったが、前期に特別損失として計上した事業構造改善費用が消失したことから、当期損益は黒字となった。注力商品である「STREAL」は、一部製品の開発遅れから売上高は2,500百万円(同3.8%減)と減収となったが、引き合いは順調に拡大している。そのため、「STREAL」の研究開発を目的として、期中に約1,300百万円の資金調達(公募増資及び自己株式処分)を行った。

2. 2024年3月期の連結業績
2024年3月期については、売上高71,000百万円(前期比4.0%増)、営業利益1,000百万円(同20.6%減)、経常利益950百万円(同12.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益700百万円(同19.7%減)が予想されている。分野別売上高では、自動車分野と民生分野は堅調に推移する見込みだが、その他の分野は減収を予想している。海外拠点売上高はアジアを中心に前期比17.2%増を予想している。損益面では、粗利率は若干改善する見込みだが、販管費が増加することから営業利益は減益が予想されている。注目の「STREAL」は、開発の遅れを取り戻し3,500百万円(前期比40.0%増)を見込んでいる。

3. 中期経営計画を遂行中:2025年3月期に売上高800億円、営業利益19.0億円を目指す
同社は、中期経営計画「プロジェクト“S”」(2023年3月期~2025年3月期)を推進している。数値目標として2025年3月期に売上高800億円、営業利益19.0億円(営業利益率2.4%)、ROE5.6%を目指している。この計画の中間値目標(2024年3月期に営業利益9.4億円、同利益率1.4%、ROE3.3%)は既に前期で達成されたが、今期(2024年3月期)が減益予想であることから、会社は最終年度の目標を変えていない。さらに、その先の長期的な暫定目標として、2027年3月期に売上高1,000億円、営業利益30億円を掲げている。決して容易な目標ではないが、同社がどう変わっていくか注視する必要はありそうだ。

■Key Points
・自動車分野及び産業分野を主力とする半導体・電子部品商社。ADAS関連にも展開
・2023年3月期は32.2%の営業増益だが、2024年3月期は20.6%の減益予想
・中期経営計画の目標値(2025年3月期営業利益19.0億円)は変えず

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《YI》

 提供:フィスコ

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