貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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9983 ファーストリテイリング

東証P
41,390円
前日比
-150
-0.36%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
39.7 6.32 0.85 0.73
時価総額 131,712億円
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明日の株式相場に向けて=「コロナ後の混沌」が生む危機

 きょう(17日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比381円高の3万2040円と反発。前日の欧米株高を受け目先リスクオンの地合いとなった。ただ上値も重い。全体相場は先物に振り回される展開で、今日は前日に見られた先物主導の急落の巻き戻しが朝方の日経平均600円高の動きに反映された。前日は一時750円あまりの下落をみせ、大引けは下げ渋ったものの656円安と波乱モード全開の地合いだったが、きょうは朝方からアンワインド局面でそれを帳消しにするかの勢いをみせた。しかし、買い戻し一巡後は上げ幅を縮小した。日経平均は3万2000円台を巡る攻防だが、指数寄与度の大きい半導体関連の一角に押し目買いの動きが活発化している割には力弱い印象を受ける。

 中東でのイスラム組織ハマスとイスラエルの武力衝突は、背景にさまざまな思惑が絡み一筋縄ではいかない雲行きだ。市場関係者は「米国や欧州はハマス非難の立場でイスラエル支持を明確にしているが、一方でアラブ諸国はイスラエルを擁護する道理はなく、現地メディアの報道をみても温度差が大きい。また、中国もイスラエルを支持する姿勢を示していない。ここでも米国との確執が顕在化している」(ネット証券アナリスト)とする。

 では、反米で中国と同じベクトルを持つロシアはどうかというと、これがまた複雑で、プーチン大統領はネタニヤフ首相にパレスチナ自治区ガザへの地上侵攻に電話で自制を促しているが、本心では、ウクライナ問題である程度の理解を示し友好関係にあるネタニヤフ首相の肩を持ちたい気持ちもあるはず。しかし、米国に歩調を合わせたくないのと、ウクライナで手一杯な時にイランの軍事介入を誘発するのは避けたいというのが本音でもあろう。

 そうしたなか、バイデン米大統領が18日にイスラエル訪問を表明した。「(これを受けて)とりあえず、イスラエルのネタニヤフ首相がバイデン大統領との会談を前に地上侵攻を行うことは考えにくくなった。したがって、目先的に武力衝突の激化は避けられそうで、株式市場で売り方に回っている向きもいったん手を緩めるところ」(中堅証券アナリスト)という。だが、実需でここから上値を買い進む動きもまた期待しづらい。イランやサウジが加われば戦線拡大に伴い原油価格への影響は避けられずインフレ圧力が高まる。また、米国が有事対応で財政拡大に動けば国債増発に伴う債券安、つまり米長期金利上昇という今の株式市場が最も神経を尖らせているネガティブ材料が動き出す。脱コロナの世界で経済正常化の流れは、必ずしもポジティブな潮流を生んでいない。時間とともに少しずつ歯車にずれが生じ、これまでは聞こえていなかった軋(きし)みが徐々に大きくなってきた感がある。

 ところで、日経平均は半導体関連株の影響が大きいと前述した。日経平均の構成比率で最大はファーストリテイリング <9983> [東証P]で11%を占めているが、2位が東京エレクトロン <8035> [東証P]で6.4%、3位がソフトバンクグループ <9984> [東証P]で4.0%、4位がアドバンテスト <6857> [東証P]で3.7%という順である。ソフトバンクGは傘下に英アームを擁し、AI用半導体の関連主力銘柄と考えれば2~4位は半導体関連で占められていることになる。ここで、注目したいのが日々プライム市場で記録的商いをこなすレーザーテック <6920> [東証P]の存在だ。今日は連日で売買代金4000億円を超えた。しかし、225新規採用されたばかりの同社株の指数構成比率はわずか1.1%に過ぎない。上位15傑にも入っていない。

 際立った流動性にもかかわらず日経平均との連動性が希薄である。この条件を利用してサヤ取りを狙い「レーザーテクをかつての日経レバに代替する銘柄としてAIアルゴリズムが資金を振り向けている」(前出のネット証券アナリスト)という指摘がある。10月2日の日経平均算出分から反映されているが、9月末以降、同社株の商い増勢が際立つのは、アルゴ参戦が本格化していることを示唆している。日経平均とレーザーテクの株価が徐々に接近していることも何やら暗示的ではある。レーザーテクが首尾よく3万円台を突破していく展開となれば大団円だが、今の流れは別のシナリオに向かう可能性もある。

 あすのスケジュールでは、9月の首都圏マンション販売、9月の訪日外国人客数など。海外では7~9月期中国GDP、9月の中国小売売上高、9月の中国工業生産高、9月の中国不動産開発投資、9月の中国固定資産投資が注目され、欧州では9月の英消費者物価指数(CPI)、9月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値、米国では9月の住宅着工件数が発表されるほか、地区連銀経済報告(ベージュブック)などが予定される。(銀)

出所:MINKABU PRESS

最終更新日:2023年10月17日 17時17分

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