貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
株価20分ディレイ → リアルタイムに変更

9872 北恵

東証S
860円
前日比
-4
-0.46%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
10.5 0.60 3.26 34.83
時価総額 86.1億円
比較される銘柄
ジオリーブG, 
OCHIHD, 
山大

銘柄ニュース

戻る
 

北恵 Research Memo(3):住宅市場全般は低迷ながら足元の業績は好調


■業績動向

● 2018年11月期第2四半期の業績概要
(1) 損益状況

北恵<9872>の2018年11月期第2四半期(2017年12月-2018年5月)の連結業績は、売上高が前年同期比3.7%増の28,433百万円、営業利益が同13.9%増の407百万円、経常利益が同13.0%増の459百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同17.2%増の286百万円となった。住宅市場全般が低迷したこともあり、一部商品で減収となったが、以前から注力している施工付販売等が好調に推移したことなどから全体では増収となった。売上総利益率は前年同期並みを維持し、販管費が微増であったことから営業利益は増益となった。前年同期がその前の期に比べて大幅増益であったことを考慮すると、今回の結果も比較的好調な結果であったと言える。

売上総利益率は前年同期と同じ9.5%となった。一部の商品で価格競争が激化していることなどから、仕入コストが上昇したものの付加価値の高い施工付販売の増加などにより、前年同期並みの利益率を維持した。一方、販管費は人件費やその他経費の抑制に努めたこと、変動費(運賃等)が見込みほど増えなかったことなどから金額では40百万円増にとどまり対売上高比率は8.0%(前年同期8.2%)へ低下した。この販管費の増加の内訳は、人件費が33百万円増、変動費(運賃等)15百万円増、設備費2百万円増、その他12百万円減であった。

結果、営業利益率は前年同期比で0.1ポイント改善し1.4%となり、増収による効果もあって営業利益は同13.9%増となった。営業利益が増益となったことから経常利益は同13.0%、親会社株主に帰属する四半期純利益は同17.2%の増益となった。

(2) 商品別状況
商品別売上高では、木質建材が3,357百万円(前年同期比2.5%減)、非木質建材が1,903百万円(同2.6%減)、合板が1,140百万円(同3.3%減)、木材製品が1,164百万円(同3.8%減)と前年同期比でマイナスとなったが、主な向け先である賃貸住宅(アパート等)の着工が伸び悩んだ影響を受けた。

その一方で住宅設備機器は6,815百万円(同1.2%増)と増収となり、さらに注力している施工付販売も11,889百万円(同6.5%増)と好調に推移した。その他商品の売上高は2,163百万円(同25.2%増)と大幅増となったが、特に短期間で軒下工事を行える「シタジレス・ノキハフダーZ」が好調(売上高258百万円、前年同期比66.5%増)であった。同社が独自に企画・開発したオリジナル商品(主に木質、非木質、住宅設備に含まれる)の売上高は977百万円(同12.1%増)となったが、新たに市場投入した新製品が比較的好調であった。

(3) 地域別状況
地域別売上高は、近畿9,336百万円(同0.3%減)、九州・中四国4,610百万円(同15.5%増)、中部2,697百万円(同3.2%増)、東日本11,789百万円(同3.0%増)であった。このうち首都圏の売上高は9,838百万円(同5.4%増)であり、構成比は34.6%となり、前年同期の34.1%から上昇した。

近畿地区の売上高が減少したのは、同地域では比較的賃貸住宅向けの比率が高く、この市場が低迷したことの影響を受けた。一方で九州・中四国が予想以上に好調であったが、これは熊本地震の復興需要が動き出したこと、新たに北九州出張所を開設した効果や東南アジアや中国からのインバウンド効果などによる。


手元資金は80億円と豊富。財務基盤は安定
(4) 財務状況
2018年11月期第2四半期末の資産合計は前期末比417百万円減の24,667百万円となった。流動資産は同647百万円減の20,624百万円となったが、主に現預金が881百万円減少したこと、売掛債権が422百万円増加したことによる。固定資産は同230百万円増の4,043百万円となったが、主に投資その他の資産の増加239百万円による。

負債については、負債合計が前期末比620百万円減13,402百万円となった。流動負債は同680百万円減の11,994百万円となったが、主に買掛金の減少735百万円、電子記録債務の減少29百万円による。固定負債は同60百万円増の1,408百万円となった。純資産合計は、利益剰余金の増加等により同203百万円増の11,265百万円となった。

(5) キャッシュ・フローの状況
2018年11月期第2四半期の営業活動によるキャッシュ・フローは568百万円の支出となったが、主な収入は税金等調整前四半期純利益の計上459百万円などで、主な支出は売上債権の増加386百万円、仕入債務の減少763百万円による。投資活動によるキャッシュ・フローは投資有価証券の取得等により127百万円の支出となった。財務活動によるキャッシュ・フローは主に配当金の支払い等により184百万円の支出となった。この結果、現金及び現金同等物は880百万円の減少となり、期末の同残高は8,025百万円となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《TN》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均