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9824 泉州電業

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泉州電業 Research Memo(6):中期経営計画の目標は前倒し達成はほぼ確実で、新中計を策定中


■中長期の成長戦略

1. 中期経営計画:数値目標と重要施策
泉州電業<9824>は当初、2024年10月期を最終年度とする「SS2024」と名付けた中期経営計画を発表していたが、定量的目標を2年前倒しで達成したため、新たに2025年10月期を最終年度とする中期経営計画(3ヶ年)を発表していた。

(1) 定量的目標と新中期経営計画
定量的目標としては、2025年10月期に売上高1,250億円、経常利益85億円、ROE10.0%以上を掲げていたが、上記のように、既に進行中の2023年10月期の予想経常利益が85億円となっており、この中計目標が前倒しで達成されるのはほぼ確実と言える。そのため会社では、「現在、新たな中期経営計画を策定中である」と述べている。

(2) 重要施策
基本的には前回の計画と同じであり、主に以下の重要施策を継続して実行していく方針だ。

a) 売上高1,250億円、経常利益85億円、ROE10%以上の達成。
b) オリジナル商品開発及び加工部門強化により直需部門の売上アップ。
c) ジャスト・イン・タイム体制の充実。
d) 関東地区での営業強化。また、その他地区においてもシェア拡大を図る。
e) 自社ブランドを含む非電線商品の開発及び拡販、新分野の開拓を進める。
f) グローバル展開の強化を図り、グループ収益力の向上を目指す。
g) サステナビリティ経営の推進。
h) 泉州変革プロジェクト(仕入、物流、人事、新商品、コスト削減)の推進。

(3) 設備投資と減価償却
今後3年間で約50億円の設備投資を計画している。現在計画している主な投資内容は、北陸支店(金沢、2023年5月開業)の土地・建物、名古屋FAセンター(新築、2024年以降予定)の土地・建物などである。

2. 中期経営計画:新分野の開拓/アビルヒーター
自社開発品である「アビルヒーター」の拡販をさらに進める。「アビルヒーター」は農業用地中加温ビニール線で、ビニールハウス等の土壌を直接温めることでCO2排出量の削減に寄与し、生育スピードを早めることで収穫回転率を上げることができる。同社では、「アビルヒーター」を含むアグリ事業で2027年までに年間売上高10億円を目標に掲げており、今後の進展が注目される。

3. サステナビリティ経営
同社では、経営理念として「新しい価値を創造して能力を発揮し社業の発展に努め社会に貢献するとともに株主に報い社員の福利厚生を図る」を掲げている。これに基づき、「企業価値向上」のために「ESG経営」と「サステナビリティ経営」を推進していく方針だ。

E:環境保全
マテリアリティ(重要課題)として、「CO2排出量削減」「気候変動への対応」「環境法規制の遵守」を挙げている。具体的な取り組みとして、2021年12月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言へ賛同し、TCFDに基づく「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4分野での情報開示を行っている。また、中期目標として「CO2の排出量を2030年に2013年度比50%削減」、長期目標として「2050年カーボンニュートラル」を掲げている。このほか、2023年4月には「2022環境報告書」を発刊した。

S:人権の尊重と配慮/働きがいのある職場環境の整備/安定的な商品供給とサービスの供給
マテリアリティとして、「情報セキュリティ強化」「品質管理体制の強化」「取引先・従業員とのエンゲージメント向上」「健康経営の推進」「安全衛生の充実」「ダイバーシティの推進」「福利厚生の充実」を挙げている。成果として「健康経営優良法人2023」に認定されている。このほか、GLTD(団体長期障害所得補償保険)へ加入している。

G:ガバナンス体制の構築
マテリアリティとして、「法令遵守」「コンプライアンスの徹底」「BCP体制の維持」を挙げている。具体的な取り組みとして、2023年1月27日に「コーポレートガバナンス報告書」を開示している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《SI》

 提供:フィスコ

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