貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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9553 マイクロアド

東証G
449円
前日比
+10
+2.28%
PTS
449.6円
10:02 05/08
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
21.8 3.89 5.94
時価総額 124億円
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決算発表予定日

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マイクロアド Research Memo(4):顧客企業のデジタルマーケティングの課題を解決(3)


■マイクロアド<9553>の会社概要

・データ連携による既存プロダクトの性能強化
また、新規プロダクトの開発に加えて、データ連携による既存プロダクトの性能強化を適宜実施している。2023年1月には国内大手テレビメーカーが利用者から同意を得た上で取得するコネクテッドテレビの視聴データと連携したターゲティング広告配信サービス「UNIVERSE TV-Audience Targeting」の提供を開始したほか、3月にはエンタメ向けプロダクトである「Circus」の機能強化、4月には(一財)日本気象協会及び(株)ALiNKインターネットが運営する天気予報専門メディア「tenki.jp」との提携により天気や気温、汗のかきやすさや紫外線量などの指数によって変化するユーザーの需要を捉えたターゲティング広告配信を可能にし、医療・製薬業界向けプロダクトの「IASO」の機能強化を行っている。さらに直近では、8月に「Ponta」の保有データと連携し、「UNIVERSE TV-Audience Targeting」における広告配信の効果計測として実店舗における購買分析を開始したほか、10月には連携する位置情報データ量の総数を2倍に拡充することにより「まちあげ」の機能を強化している。

こうしたなか、業界特化型のプロダクトを提供している「UNIVERSE」の稼働アカウント数は好調に推移している。2023年9月期第4四半期の累積稼働アカウント数は前年同期比16.1%増の1,586件と拡大した。新プロダクトのタイムリーな市場投入とデータ連携による既存プロダクトの性能強化に加えて、2022年9月期に実施した顧客属性に特化した営業組織への変革が寄与した格好だ。また、同一顧客内で他ブランドへの横展開を促進しアカウント数を拡大させるという営業戦略も寄与したようだ。同社は主要KPIとして稼働アカウント数を設定している。各業界に特化することよって、より的確なデータ分析を可能にしている同社プロダクトに対する顧客ニーズは今後も高まることが予想され、稼働アカウント数は順調に推移すると弊社は推察する。また、業界に特化するということは業界特徴に合わせたデータを効率的に分析できるだけでなく、顧客企業のKPIを深く理解することにもつながる。KPIを理解することで、データから抽出したインサイトを適切にKPIと関連付けながら顧客に提案できるという点も魅力だと弊社は考える。実際、2023年9月期第4四半期においても稼働アカウントに占めるリピートアカウントの割合は高水準を維持しており、同社の高い提案能力が顧客の継続利用につながっているようだ(2023年9月期第4四半期におけるリピートアカウントの割合は公表されていないものの、2023年9月期第2四半期の稼働アカウントに占めるリピートアカウントの割合は約8割と高かった)。顧客企業のKPIに対する深い理解とそれに基づく提案は、同社の長い事業活動の歴史に裏打ちされたものである。この意味で模倣困難性が高く、同社の競争優位になっていると言えるだろう。

さらに、累計リピート月数が長くなるに連れて、顧客当たりの月額単価が拡大する傾向にあるという。同社のサービスを利用し、効果を実感するなかで、広告活動に投じる予算を顧客が段階的に増やしていることが要因だ。今後も新規アカウントの拡大と並行して、リピートアカウントが積み上がっていくことにより、同社の業績も順調に拡大していくと想定される。

「UNIVERSE」の収益モデルは従量課金型であり、顧客がマーケティング活動を行う度に同社に支払われる広告費とデータ費が売上として計上される仕組みになっている。

b) デジタルサイネージサービス
連結子会社であるMADSが、広告主・ロケーションオーナーの双方をターゲットに「MONOLITHS」の提供を行っている。ロケーションオーナーは自社が保有するデジタルサイネージを一括で管理できるCMSとして「MONOLITHS」を活用し、デジタルサイネージに掲出するコンテンツをリアルタイムでWebブラウザを通じて管理できる。また、管理画面より広告枠を設定し、その広告枠をアドネットワークの広告在庫として提供できる。一方、広告主は「MONOLITHS」を使用することによって「渋谷エリア×土日×夕方」のような細かいセグメント分けで広告枠を買い付けることに加え、天気やSNSなどの外部データを配信に反映させることも可能だ。同社のデジタルサイネージは、2023年9月時点で屋外大型ビジョン、ドラッグストア、スーパーマーケット、美容サロン、タクシーなどの多様なロケーションに13万面超が設置されている。同社は広告主及び広告代理店がロケーションオーナーに支払う広告費の一部をプラットフォーム利用料として徴収している。また、ロケーションオーナーからのCMS利用料も収益となる仕組みだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

《SO》

 提供:フィスコ

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