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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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9414 日本BS放送

東証S
905円
前日比
-1
-0.11%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.2 0.71 3.31 410
時価総額 161億円
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BS11 Research Memo(6):オリジナルドラマ「恋は50を過ぎてから」が日本民間放送連盟賞など受賞(2)


■業績の動向

(4) 非放送分野の取り組み
日本BS放送<9414>では、重点施策である「『非放送分野』の拡大」を目的として、2022年8月期より自社制作コンテンツの強化、良質なコンテンツへの出資、配信ビジネス等の新規事業開発に取り組んでいる。2022年7月に、従来は見逃し配信をメインで行ってきた「BS11オンデマンド」を「BS11+」へリニューアルした。これにより人気番組のアーカイブをはじめ、オリジナルコンテンツやライブ配信等のほか、一部の有料配信コンテンツも視聴できるようになった。2023年3月には、「BS11+」の「すべて月額見放題プラン」(税込880円)と「ジャンルごと見放題プラン」(税込550円)の2つの課金プランを、わかり易く「全番組見放題プラン」に統一し、価格も税込880円から税込550円に引き下げた。これにより、会員は限られていたジャンル以外にも多数のコンテンツを見ることができるようになったため、無料トライアル期間からスムーズに会員に移行するケースが増えてきている。また、FODやU-NEXT等の外部プラットフォームでの課金配信においては、2023年5月より新たにTVerでの見逃し配信をスタートさせ、「BS11」公式YouTubeチャンネルでの広告付き見逃し配信と合わせて、配信プラットフォームの拡充に取り組んでおり、こうした取り組みがBS11の知名度を上げ、ファンの拡大につながると弊社では見ている。

「BS11+」では、「報道ライブ インサイドOUT」の見逃し配信を2023年1月より、また(株)毎日映画社との協業による昭和の貴重な映像を届けるコンテンツ「昭和あの日のニュース」の配信を5月より開始。このほか、即興テイストのクッキングドラマ「ボクの即興ごはん~竹財輝之助のひとりキッチン~」等、様々なジャンルのオリジナルコンテンツを配信した。また、「BS11」公式YouTubeでは、放送では紹介できなかったエピソードやアフタートーク満載の番組派生コンテンツ「偉人・敗北からの教訓・こぼれ噺」をはじめ、社内企画募集で選出されたコンテンツ「アドベンチャーワールドのパンダたち」、YouTubeで話題のピアニスト「みやけん」とコラボレーションした「リコリス・リコイル×黒板アート×ピアノ」、「ようこそ!中国ドラマの“沼”~鶴唳華亭から知る魅力~」を制作、配信した。さらに、グループ会社である(株)国土社の児童書を映像化した「歌で聴く絵本「ようかいむら」シリーズ」や、(株)文化放送のインターネットラジオ「超!A&G+」とのコラボレーション企画「ワールドダイスターRADIO☆わらじ」等、配信におけるコラボレーション施策も積極的に実施した。

そのほか、「コンテンツの有効活用による価値最大化」「非放送分野の拡大」という重点施策の下、番組関連グッズのネット販売、イベントと番組・配信とのマルチ展開等の様々な施策にも積極的に取り組んだ。「BS11」公式通販サイト「BS11SHOP」では「大人のバイク時間 MOTORISE」のオリジナルグッズや、「太田和彦のふらり旅 新・居酒屋百選」に出演中の太田和彦監修「奈良・吉野杉 間伐材コースター ねんりん」等の販売を開始した。「貴公子たちの音楽会」は、リアルイベントに加え、生配信・アーカイブ配信・特番放送とマルチに展開させた。また、新たな試みとして、「BS11+」で配信されているコンテンツの魅力を特集記事で伝えるサイト「BS11+トピックス」を2023年7月に開始したほか、「ボクの即興ごはん~竹財輝之助のひとりキッチン~」シーズン2では、タイアップ企業の商品を使ったオリジナルレシピを開発し、YouTubeでのインフォマーシャルを通して商品購入ページへ誘導する取り組みや、「令和五年 夏巡業 大相撲 恵庭場所」への協賛等、非放送分野での様々な事業展開を積極的に推進した。

重点施策である「セールスメニューの開発強化」としては、こうした番組コンテンツ・配信コンテンツの充実をはじめ、兄弟会社である(株)ソフマップが運営するアニメコラボレーションカフェ「STELLAMAP Cafe」及びメタバース空間「バーチャル秋葉原」への集客を目的としたCMを制作する等、クライアントニーズを捉えた的確な企画立案も実施した。

5. 費用の状況
番組関連費用については、国内外のバラエティ豊かなドラマコンテンツの拡充によって、番組購入費は前期比4.4%増の432百万円となった。番組制作費については、開局15周年特別番組や配信オリジナルコンテンツ等の制作のほか、スポーツコンテンツの強化により、同6.7%増の3,507百万円となっている。

広告関連費用に関して、広告宣伝費は前期比9.9%増の971百万円、販売促進費は同3.3%増の43百万円となった。広告宣伝費は、同社の15周年施策を含めた新聞やWeb、交通広告等による広告宣伝のほか、イベント協賛等によるものである。しかし現在、新聞広告、Web広告、電子番組表(EPG)広告といった従来広告のほか、番組専用SNSで積極的な発信を行う等広報活動の幅を広げており、費用対効果の観点からもかなり効率的な宣伝活動となっているようだ。宣伝チャンネルが多様化するなか、新たに効率的な広告宣伝のノウハウを積み上げていると言えよう。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

《SI》

 提供:フィスコ

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