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9324 安田倉庫

東証P
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前日比
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単位
100株
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時価総額 420億円
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安田倉庫 Research Memo(6):変わらず、変える。YASDA Next Challenge 2024(1)


■新中期経営計画

1. 「長期ビジョン2030」
安田倉庫<9324>を取り巻く事業環境は、国内では労働力不足などを背景に多様な働き方の推進やAI・ロボティクスといった新技術の活用が進み、海外ではアジアを中心に経済発展などにより貿易量や消費市場の急速な拡大が見込まれている。このような外部環境変化に対し、同社は、更なる成長に向けた事業体制の構築を目指すべく、2030年のあるべき姿を描いた「長期ビジョン2030」を策定した。併せて、企業理念である「信頼・創造・挑戦」を基本に、コーポレートスローガン「Logistics, Progress, Borderless.」を制定した。新たな技術や事業領域に果敢に挑戦し、付加価値を創造することで、顧客から信頼される企業グループへと進化することを目標とし、“世界に誇れる「YASDAブランド」と革新的テクノロジーの融合で、全てのステークホルダーの期待を超える企業グループ”へと成長していくことを目指している。

2. 前中期経営計画「YASDA Next 100」の振り返り
同社は、長期ビジョンを実現するための中間目標として、2020年3月期~2022年3月期の3年間を対象に中期経営計画「YASDA Next 100」を策定した。物流事業では、付加価値の高いロジスティクス・サービスの提供による取引拡大や物流施設の増強など事業基盤の強化を図った。不動産事業では、既存施設の適切なメンテナンスと機能向上の推進による稼働率の維持・向上を進めた。このほか、経営インフラの強化として、本社移転による効率性と利便性の向上や、国内初のソーシャル・ハイブリッドローンによる投資資金確保と財務健全性の両立などを図った。業績目標に対しては未達となったが、コロナ禍による影響と成長投資を早めたことが要因であり、「長期ビジョン2030」に向けた足取りは順調だったと弊社では評価している。

3. 新中期経営計画「変わらず、変える。YASDA Next Challenge 2024」
国内においては労働力不足などを背景にAIやロボティクスといった新技術の活用が、国内外においてはコロナ禍を契機としたワークスタイル・ライフスタイルの多様化が進んでおり、顧客ニーズに柔軟に対応できる付加価値の高いサービスを持続的に提供していくことが同社に期待されている。このため同社は、前中期経営計画「YASDA Next 100」を引き継ぐ新中期経営計画「変わらず、変える。YASDA Next Challenge 2024」を策定した。中期経営計画の期間は2023年3月期~2025年3月期の3年間で、業績目標として2025年3月期に営業収益650億円、営業利益40億円、経常利益48億円、営業利益率6%を目指す。投資は規律ある財務運営により、3年間で360億円(物流事業280億円、不動産事業40億円、DX及びシステム40億円)を予定している。

新中期経営計画の基本方針は、「最先端テクノロジーと人間力を融合した、『YASDA Value』で多様化する社会とお客様ニーズに応える」ことである。物流事業の基本目標は、顧客のビジネス環境に合わせた最適なサービス提供と、既存の物流の領域に囚われない新サービスの創造である。顧客とのコミュニケーションや変化する事業環境への理解を深めることで潜在的なニーズを捉え、豊富なサービスメニューに裏付けられた総合力と柔軟で高品質な現場力により、国内外で最適なサービスを持続的に提供する。また、AIやロボティクスなどの先進技術の活用により、従来の物流の枠を越えた付加価値の高い新サービスを開発し、顧客の抱える課題を解決するとともに、同社の更なる収益力向上を目指す。

不動産事業の基本目標は、保有不動産の再開発による収益基盤の更なる強化である。首都圏に保有する付加価値の高い不動産再開発を通じて、変化する顧客ニーズに応じた新たな価値を生み出し、収益基盤として強化・拡大を図る。また、経営インフラの基本目標は、社会環境の変化に柔軟に対応できるサステナビリティ経営の基盤と、確固たる現場力・人間力の確立である。サステナビリティ経営は、社会環境の変化や災害、感染症流行といったリスクに対し柔軟に対応することで、同社の継続的な進化と持続可能な地球環境・社会を両立させた基盤を構築する。また、同社を支える現場力・人間力は、多様な人材活用・育成、ITシステムの高度化、グループ連携強化などを通じて更なる強化を図る。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《YM》

 提供:フィスコ

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