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8914 エリアリンク

東証S
3,010円
前日比
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PTS
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単位
100株
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12.4 1.53 2.56 11.08
時価総額 390億円
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アパマンHD Research Memo(7):民泊、ストレージ、コワーキング事業を積極展開していく方針


■今後の見通し

2. 関連事業の取組み状況について
2017年9月期期は収益基盤の拡充により成長を図るため、賃貸関連事業への取組みも強化している。具体的には、民泊事業、ストレージ事業、コワーキング事業などがある。今期業績に与える影響は軽微なものの、いずれも稼働率が一定水準以上であれば、既存事業よりも高い収益性が見込める事業となるだけに今後の動向が注目される。

(1)民泊事業
訪日外国人客の増加に伴って、民泊サービスの市場がここ1~2年で拡大しており、アパマンショップホールディングス<8889>も同事業への参入に向けて準備を進めてきた。関連法令などが整備された段階でサービスを展開していく予定となっている。

(2) ストレージ事業
ストレージサービスとはトランクルーム(荷物の保管庫)を賃貸するサービスを指す。1970年以降、米国で普及してきたサービスで、日本でも2000年代に入って不動産の有効活用の視点から普及が本格化し、ここ数年は年率10%以上のペースで成長している市場となっている。

形態としては、オフィスビルやマンションなどの空室部分をトランクルームに改修したもの、あるいはビル1棟をトランクルーム用途としたもの、屋外のコンテナボックスをトランクルームとしたものなどがある。このうち、屋内型トランクルームの用途は主に 3つに分けられる。1つ目は、引越しや海外赴任などに伴う一時的な利用で、平均利用期間は1~2ヶ月程度となる。2つ目は「家の外にあるクローゼット」としての使い方で、季節衣料やスポーツ用品等を保管する。平均利用期間は 2年程度となる。3つ目は法人利用で、企業が商品在庫や書類等の保管目的に使用しており、利用期間は3~4年と比較的長期間となっている。

(株)キュラーズの調べによると、屋内型トランクルームの市場規模は約243億円となっており、10年後には市場規模が500億円と倍増する可能性があると見ている。ストレージ先進国である米国では世帯当たりトランクルームの普及率が10%、市場規模で約230億米ドルに達しているのに対して、日本では世帯普及率で0.3%と圧倒的に低いためだ。参入事業者としては、キュラーズ、エリアリンク<8914>、(株)ライゼなどが大手としてあり、3社合計で市場シェアの50%程度を占めている。

同社は2016年12月からストレージサービスを開始している。現在は自社物件を中心に6ヶ所でサービスを提供している。坪当たり賃料は場所にもよるが、一般の事務所家賃よりも2~3倍は高く、一定以上の稼働率で運営できれば収益性向上に寄与することになる。同社は後発組となるものの、全国に幅広く持つ営業ネットワークと豊富な受託管理物件などを強みに積極展開し、将来的に同市場でトップシェアを目指していく考えだ。

(3) コワーキング事業
SOHO事業(レンタルオフィスサービス)として10年ほど前からサービス提供してきたが、ここにきてコワーキングスペースの需要が拡大してきたことから、事業拡大に向け積極展開していくことになった。2017年4月に子会社、fabbit alphaを設立しており、ブランド名も「fabbit」に統一してサービス展開していく。既に、対象施設数は10ヶ所程度あるが、2017年9月期中に国内で新たに10ヶ所の施設を開設するほか、海外(米国、タイ等)でも提携先企業と合わせて20ヶ所(うち、直営1?2ヶ所)を開設する計画となっている。

収益モデルとしては、サブリースと同じで不動産オーナーから施設を借り、それを顧客であるスタートアップ企業等に貸し出す格好となる。また、部屋の貸出しだけでなく、事務機器や情報通信機器等のレンタルも行っていく。賃料としては通常家賃の2倍程度の価格で提供しているため、一定の稼働率を維持できれば高い収益性を期待できることになり、今後の展開が注目される。

なお、地方自治体でも遊休施設の有効活用先として、コワーキング用途への転用を考えているところが多くあり、同社はこうした自治体とも連携して事業を進めていく計画となっている。既に、福岡市、福岡地所(株)、さくらインターネット<3778>と共同で、福岡市が保有する小学校跡地をリノベーションし、官民共働型スタートアップ支援施設「FUKUOKA growth next」(延べ床面積で約1,100坪と国内最大規模)として、2017年4月にオープンするなど実績も出始めている。同社ではコワーキング事業は地方の活性化にも貢献する事業として考えており、国内では大都市部だけでなく、地方も含めて将来的に100ヶ所程度の施設を開設していくことを目標としている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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