貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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8275 フォーバル

東証S
1,326円
前日比
+7
+0.53%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.3 2.30 2.11 0.96
時価総額 368億円
比較される銘柄
エフティ, 
アルファG, 
兼松
決算発表予定日

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フォーバル Research Memo(3):フォーバルビジネスグループとフォーバルテレコムビジネスグループ(1)


■フォーバル<8275>の事業概要

1. フォーバルビジネスグループ
フォーバルビジネスグループでは、中小企業向けに、IP統合システム、情報セキュリティ、Web構築などの情報通信コンサルティングのほか、総合コンサルティング、海外進出支援、人材・教育、環境、事業承継などの経営コンサルティングサービス、OA・ネットワーク機器の販売、サービスの取次ぎなどを手掛ける。主力事業は、コンサルティングサービスであるアイコンサービスのほか、創業以来手掛けているビジネスフォンの販売をはじめとする情報通信機器やOA機器の販売だ。情報機器や通信サービスでの接点からアイコンサービス・よろず経営相談へ導き、さらに次世代経営コンサルティングでより深い解決策を提案するという一連の流れで、中小企業の多様なニーズに対応する体制が整備されている。同社のコンサルティングの特色は5分野(情報通信、海外、環境、人材・教育、起業・事業承継)と3手法(売上拡大、業務効率改善、リスク回避)に整理される。2023年3月期は、新しい成長戦略として「中小・小規模企業のGDX化の伴走型アドバイザーとして確固たる地位の確立」を掲げ、人材投資を先行させている。

2. アイコンサービス:中小企業支援サブスクリプション型コンサルティングサービス
同社の最も注目すべき事業は、2008年に導入されたアイコンサービスだろう。アイコンのアイは、information(情報)、imagination(想像力)、idea(アイデア)、identity(独自性)、intelligence(知力)、innovation(革新)などを示し、これらを起源とするコンサルティングサービスである。定期訪問と遠隔サポート・状態監視を組み合わせた効率的な支援が特徴である。

アイコンサービスの基本構成は、経営のよろず相談サービス、定期訪問や通信技術を使った遠隔サポート、パソコン・ネットワーク状態監視サービス、各種アプリケーションの問い合わせサービス、顧客専用サイトとなっている。メニューとして、経営コンサルティング系、個人情報管理系、パソコン・ネットワーク系、スマートフォン・パッド系、ホームページ系、電話系、コピー系の幅広いサービスを提供する。現在のアイコンサービスの平均客単価は月額18,000円程度であり、ほかのサービスへの入り口と位置付けているため、設定金額は低めである。同サービスは、従来は自社の“企業ドクター”が行うのが基本であったが、OEM展開(パートナーの販売会社によるサービス)が大きく伸びている。アイコンサービスの全顧客数43,954件(2022年9月末時点)のうちOEM経由(子会社経由を含む)の顧客が28,063件(同)であり、自社販売15,891件を超える。なお、自社によるアイコンサービスの数を抑制しているのは、コンサルティングの質を追求するため対象を絞っているという背景がある。コロナ禍において中小企業の働き方改革が待ったなしとなるなか、同社の一連のソリューション(コンサル、システム、空間づくりなど)が中小・小規模企業の生産性向上に寄与している。アイコンサービスはそれ自体が粗利率の高いサービスであるが、端末(パソコン、タブレット、携帯電話、プリンター、コピー機など)やネットワークの状態監視から得られたビッグデータから様々な改善提案を行うことにより関連商材が拡販できるという副次的効果が大きい。

直近でアイコンサービスの一環としてリリースされたサービスには、スマートフォンから簡便かつ安価に勤怠管理を行えるクラウド型勤怠管理システム「HRMOS勤怠」や業務フローの見直し・マニュアル化を行い、ペーパーレス化・標準化で業務の効率性を高めるコンサルティングサービス「PPLS(ププルス)」などがある。これらのシステムは、働き方改革を行う大前提となる勤務実態を見える化するとともに、生産性のより高い働き方への変革を支援する。追加メニューの増加は顧客単価の向上にもつながる。実際に1顧客当たり売上高(ARPU)は前々期及び前期と比較して上昇している。顧客件数と顧客単価の両方の伸びが重なり、アイコンサービスの上期売上高は2,978百万円(前年同期比10.2%増)と順調に成長している。

3. “中小企業DXアドバイザー”としての第三者認定の取得
同社はこれまで、中小企業の経営及び情報化の支援を積み重ねてきており、顧客企業の満足度の高さからその支援の質には定評があった。2021年に入り、複数の第三者認証を取得し、名実ともに“中小企業向けのDXアドバイザーの第一人者”となっている。2021年3月に、経済産業省による「DX認定制度 認定事業者」に認定された。DX認定制度とは、ビジョンの策定や戦略・体制の整備などを既に行い、DX推進の準備が整っている(DX-Ready)事業者を経済産業省が認定するものであり、国が策定した指針(情報処理システムの運用及び管理に関する指針。2020年5月告示)を踏まえ、優良な取り組みを行う事業者を、申請に基づいて認定する。

また、同社は「DXマーク認証制度」における認証支援事業者として活動を開始している。「DXマーク認証制度」は、DXを積極的に推進する企業を(一社)中小企業個人情報セキュリティー推進協会が認証するもの。同社は「DXマーク」を取得したい中小企業に対して、自社のDXアドバイザーを介して支援を行う。本格的に受付を開始してから間もないが500社以上の中小・小規模企業から認証取得のアドバイスを依頼されており(既に100社以上が認定取得)、“中小企業DXアドバイザー”としての活躍のフィールドは益々拡大している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《SI》

 提供:フィスコ

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