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8133 伊藤忠エネクス

東証P
1,577円
前日比
+63
+4.16%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
13.2 1.10 3.55 16.38
時価総額 1,843億円
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エネクス Research Memo(10):増収増益期待の一方で不透明要素も存在


■今後の見通し

2. 2019年3月期の考え方
2019年3月期の業績については、ここ数年の伊藤忠エネクス<8133>の増益トレンドからすると、中期経営計画『Moving 2018』で掲げられた業績計画は慎重に過ぎるようにも見える。しかしながら、現時点でこの予想をそのように断じるのは時期尚早かもしれないと弊社では考えている。

ここ数年の同社の業績の伸長では、生活エネルギー・流通部門(旧カーライフ部門)における不採算CSの閉鎖に象徴される事業構造改革と、電力・ユーティリティ部門における電力販売量の急拡大が、大きく貢献してきた。このうち電力事業に関しては、2018年4月以降は大きな転機を迎える可能性がある。それは大手電力会社の巻き返しだ。多くの場合、同社のような新電力(PPS)企業との契約は1年契約だ。2016年4月の電力小売全面自由化から2年が経とうとしているが、大手電力会社もこの2年間で体制を立て直しつつある。特に大口需要家ほど巻き返しの対象となりやすく、そうなった場合の業績影響も大きくなると予想される。

もう1つは石油業界の元売り再編の効果の持続性だ。2017年4月にJXTGホールディングスが誕生したことで、今期は過度な価格競争や需給ギャップは収まった状況にある。この状態がいつまで続くかは同社のみならず業界全体にとっても需要なテーマだ。足元は落ち着いた状況が続いているが、今後どういう展開になるかはまったく不透明な状況だ。結果的に杞憂に終わる可能性もあるが、警戒を怠るべきではないだろう。

結論として、現時点では、同社が『Moving 2018』で掲げる2019年3月期の業績計画は、1つの基準としては妥当な水準ではないかというのが弊社の考えだ。過度な業績上振れ期待は、現時点では慎むべきと考える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《MH》

 提供:フィスコ

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