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2018年01月03日19時30分

【特集】【新年3大テーマ (1) 】 ロボット―AI、IoT連携で新たな成長段階に <株探トップ特集>

川田テク <日足> 「株探」多機能チャートより

―広がる活躍の場、あらゆる場所への普及が意味することは―

 ここ数年、生産台数では中国など新興勢力の猛追を受けているものの、日本はその技術開発力も含めて高機能機種を中心に、世界トップクラスの産業用ロボット大国であることは確かだ。従来は工場の生産ラインをはじめとして、製造業で重要な役割を担っていたが、近年は労働力不足解消に向けての省力化や生産性向上のために、用途が急速な広がりをみせている。製造現場以外でも、物流、建築、介護、農業、コミュニケーション(小売業、サービス業)などの分野で、今後飛躍的な需要拡大をみせそうだ。とくに、2018年は人工知能(AI)搭載やIoT(モノのインターネット)との連携によって、ロボット の普及自体が新たな成長段階に入ることが予想される。

●「生産性革命」実現に向けて政府がロボット積極導入を後押し

 政府は昨年12月に、自動走行車や高性能ロボットなどの頭脳にあたる人工知能(AI)関連予算として、17年度補正予算案と18年度当初予算案の合計で1000億円超を確保することで調整に入った。これには「第4次産業革命」とも呼ばれるAI分野での技術革新を後押しし、経済成長の起爆剤とする狙いがある。

 安倍政権は、主要な経済戦略として「生産性革命」と「人づくり革命」を2本柱に掲げ、「ロボット・IoT・人工知能といった生産性を劇的に押し上げる最先端の技術でイノベーションを起こし、“生産性革命”を実現する」としており、ロボットの積極的な導入などにより次世代技術を生産性革命につなげる方針だ。

●「協働型ロボット」で労働力不足の解消へ

 産業ロボットの需要が拡大するなか、人のそばで作業する「協働型ロボット」に関心が高まっている。協働ロボットは、人と同じ作業スペースに設置することを前提とし、これまでの産業ロボットのように安全確保のために柵で囲う必要がないのが特徴。また、多品種少量生産にも対応可能なことから、生産設備の自由度が増し、今までロボットの導入を見送っていた現場や、ロボットの設置が難しいとされてきた工程でも自動化を実現することができるため、労働力不足の解消に役立つことが期待されている。

●ネットワークで連携し生産現場を一元管理

 産業用ロボット累積販売台数世界トップの安川電機 <6506> では、産業用ロボットMOTOMAN(モートマン)の協働ロボットタイプを投入し、ねじ締め作業や組み立て作業、小物部品の仕分けなどを人に交じって行えるようにしている。不二越 <6474> もコンパクトでありながら広い動作性能を確保した協働ロボットを投入しており、需要の拡大が期待されている。

 ファナック <6954> では、工場用IoTプラットフォーム「FIELD system(フィールドシステム)」の日本国内でのサービス運用を昨年10月2日に開始した。他社の機械・設備とネットワークで連携し、生産現場を一元管理できるオープンなプラットフォームで、クラウド上でデータを処理するのではなく、製造設備や生産ラインなど「エッジ」な領域でリアルタイムにデータを処理し高度に活用する「エッジヘビー」な点などが特徴。

 一方、三菱電機 <6503> も同様にファクトリーオートメーション(FA)と、生産計画などを指示するIT分野をオープンに連携させた「FA-ITオープンプラットフォーム」を開発している。また、独自の人工知能(AI)技術「Maisart(マイサート)」を用い、「AIを活用したロボットの力覚制御の高速化技術」を開発したと発表した。今回開発した技術は、「Maisart」を産業用ロボットのアームを人の腕のように柔らかく動作させる力覚制御に適用し、動作時間の大幅短縮を実現するというものだ。

●AI搭載でロボットの性能向上を加速

 オムロン <6645> では、超高速でセンサーのデータをやりとりできる強みを生かして、生産ラインに取り付けた数多くの高性能センサーからのデータを収集・分析し、熟練工の技も学んだAIが自ら判断を下していくシステムを構築中で、今春にも「i-BELT(アイ・ベルト)」として顧客に提供する予定だ。川田テクノロジーズ <3443> は、子会社が加工機への粗材の搬送などに双腕ロボットを提案。デンソー <6902> とデンソーウェーブ(愛知県阿久比町)は協働ロボット「COBOTTA(コボッタ)」を共同開発し、昨年11月下旬から受注を開始している。

 セイコーエプソン <6724> は昨年11月27日に開いたロボティクスソリューションズ事業戦略説明会で、16年度は169億円だった同事業の売上高を20年度までに約400億円、25年度までに約1000億円に引き上げる方針を示すとともに、18年度から協働ロボット市場に参入することを明らかにした。さらに、こうした協働ロボットが増えることで、精密な動きをコントロールする精密制御減速装置などの部品を手掛けるハーモニック・ドライブ・システムズ <6324> [JQ]や、産業ロボット用精密減速機で世界シェア6割を占めるナブテスコ <6268> へのニーズも大きく高まりそうだ。


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