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8132 シナネンHD

東証P
4,785円
前日比
-80
-1.64%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
1.01 1.57 0.12
時価総額 624億円
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決算発表予定日

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シナネンHD Research Memo(1):創業100周年の2027年度に経常利益100億円を目指す


■要約

1. 環境対応など時代の変化に応える総合エネルギーサービス企業
シナネンホールディングス<8132>は各種燃料や石油製品などを販売する大手の燃料卸売業者で、コア事業のLPガスは国内3位の規模を誇る。事業は3セグメントに区分され、エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)では家庭向け・小売業者向けにLPガスや各種燃料を販売、エネルギーソリューション事業(BtoB事業)では大口需要家向けに石油製品や各種燃料を供給するほか、ガソリンスタンドの運営や再生可能エネルギー事業なども行っている。非エネルギー事業ではシェアサイクル事業や建物維持管理事業など多彩な事業を展開している。エネルギー流通の業界は生活に必要不可欠だが、環境対応などの面から新たな時代へのアプローチが求められている。同社は、そうした時代の変化に応える総合エネルギーサービス企業として進化を続けている。

2. 強みを活かすことで収益改善と中長期的な成長を同時に推進
同社の強みは、エネルギー専門商社としての事業推進力、堅実な経営基盤、高い参入障壁の3つである。なかでもエネルギー専門商社としての事業推進力に欠かせないのが、全国26ヶ所のLPガス充填基地や約1,000社にのぼる販売店ネットワーク、80ヶ所ある石油中継基地(オイルスクエア・灯油センター)など効率的な拠点網である(2023年3月末現在)。拠点が多い分、サービスが厚くなって販売店から同社への信頼も増す。一方、消費者との接点も増えるため、消費者に密着した非エネルギー事業を強化することができる。このようにエネルギー事業の強みを活かすことで、短中期的な成長を担うエネルギー事業そのものの収益向上と、中長期的な成長が期待される非エネルギー事業の育成という、2つの異なるベクトルを持つ戦略を同時に推進することができるのである。

3. 第三次中期経営計画をスタート、2028年3月期経常利益100億円を目指す
同社は2024年3月期を初年度とする5ヶ年の第三次中期経営計画をスタートした。経営基盤の強化と成長戦略を推進することで、「脱炭素社会の実現に貢献する総合エネルギー・ライフクリエイト企業グループへの進化」を目指す。事業戦略としては、新規事業で脱炭素社会に寄与する分野に進出し、BtoC事業では顧客数の拡大や高付加価値サービスの拡充による高収益化を図る。また、BtoB事業では石油中心から再生可能エネルギーなどへ事業ポートフォリオの転換を進め、非エネルギー事業で建物維持管理事業とシェアサイクル事業をドライバーに高い成長を目指す。これにより、2027年度の創業100周年に向けてさらなる飛躍・躍進を遂げ、2028年3月期にROE8%以上、経常利益100億円を目指す。

4. 2024年3月期は業績回復、創業100周年のさらなる飛躍と躍進に向けた環境整備に注力
2023年3月期の業績は、売上高342,254百万円(前期比18.3%増)、営業利益895百万円(同63.9%減)となった。資源高騰や円安のなか、主力の石油類やLPガス、戦略分野の非エネルギー事業はおおむね順調に推移したが、電力の調達コスト高に対応した価格転嫁の遅れや、販管費の増加を主因に営業利益が減益・未達となった。なお、韓国の大型陸上風力発電事業に関しては、現地の条例改訂を機に開発が困難になったことから減損処理することとなった。第三次中期経営計画の初年度となる2024年3月期の業績見通しについて同社は、売上高360,000百万円(同5.2%増)、営業利益2,000百万円(同123.2%増)と業績回復を見込んでいる。電力事業の価格転嫁が下期に浸透することが要因で、収益が平常化するプロセスと考えられる。経営基盤の強化を加速させるとともに成長戦略を確実に実行し、創業100周年のさらなる飛躍と躍進に向けた環境整備に注力する。

■Key Points
・「脱炭素社会の実現に貢献する総合エネルギー・ライフクリエイト企業グループへの進化」を目指す
・第三次中期経営計画において2028年3月期にROE8%以上、経常利益100億円を目指す
・2024年3月期は業績回復へ。2027年度の創業100周年におけるさらなる飛躍と躍進に向けた環境整備に注力

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《SI》

 提供:フィスコ

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