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7917 藤森工業

東証P
4,195円
前日比
+90
+2.19%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
19.5 0.91 2.00 0.99
時価総額 808億円
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決算発表予定日

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先端技術による食の革命、「フードテック」関連株が表舞台に躍り出る <株探トップ特集>


―世界的な人口増加で食料需要が増大、政府は新産業の創出に向け注力姿勢―

 最新のテクノロジーを駆使することで、まったく新しいかたちの食品や調理法などを開発する「フードテック」が改めて注目されている。背景には世界的な人口増加による食料需要の増大、SDGs(国連の持続可能な開発目標)への関心の高まりに加え、健康志向やアレルギー対策など、食に求めるニーズが多様化していることが挙げられる。12月6~8日に東京ビッグサイトで「フードテックWeek東京」が開催されるタイミングでもあり、関連銘柄に目を配っておきたい。

●日本発のフードテックビジネス育成へ

 国連の推計によると世界の人口は2030年までに85億人に達し、50年には97億人に増加する見通し。人口の増加と新興国の経済発展に伴って、農林水産省では世界の食料需要量は50年に約58億トン(10年に比べ1.7倍)になると予想している。日本の食料自給率は22年度で38%(カロリーベース)と低いうえ、最近では地政学リスクや為替の影響で調達価格が上昇しており、日本にとっても世界の食料問題は無視できない。

 こうしたなか、政府は日本発のフードテックビジネスを育成することで、日本と世界の食料・環境問題の解決につなげるとともに、国内を活性化する新しい産業を創出したい考え。産学官連携による「フードテック官民協議会」(事務局:農水省)は2月に、「世界の食料需要の増大に対応した持続可能な食料供給を実現する」「食品産業の生産性の向上を実現する」「個人の多様なニーズを満たす豊かで健康な食生活を実現する」ことを掲げたフードテック推進ビジョンを策定し、具体的な取り組みとして「プレーヤーの育成」「マーケットの創出」を挙げている。

 関連銘柄としては、フードテックなどを活用した技術の事業化における実証支援や、実証した成果の横展開を行う「フードテックビジネス実証支援事業」を農水省から受託しているパソナグループ <2168> [東証P]がある。

 また、フードテック官民協議会のメンバーに名を連ねるキッコーマン <2801> [東証P]、キユーピー <2809> [東証P]、ユーグレナ <2931> [東証P]、ウイングアーク1st <4432> [東証P]、シグマクシス・ホールディングス <6088> [東証P]傘下のシグマクシス、クボタ <6326> [東証P]などの動向も注目される。

●「フードテックWeek」出展企業に注目

 フードテックによって解決が期待される課題には、食料問題のほかにも食に関する人手不足の解消があり、12月上旬に開催される「フードテックWeek」ではロボットIoT人工知能(AI)デジタルトランスフォーメーション(DX)といった先端テクノロジーが紹介される予定だ。

 主な企業では、マクニカホールディングス <3132> [東証P]傘下のマクニカが食品残渣などの廃棄物を減量・再資源化するソリューションなどを展示するほか、フクシマガリレイ <6420> [東証P]は自社の冷却技術を活用した各種製品を出展する見込み。DTS <9682> [東証P]は業務分析支援や基幹業務などのソリューションを紹介するとしている。

 このほか、ブレインパッド <3655> [東証P]、ノリタケカンパニーリミテド <5331> [東証P]、中西製作所 <5941> [東証S]、レオン自動機 <6272> [東証P]、電気興業 <6706> [東証P]、横河電機 <6841> [東証P]、チノー <6850> [東証P]、第一実業 <8059> [東証P]、日本電計 <9908> [東証S]なども出展するという。

●代替肉である培養肉関連株も要マーク

 地球温暖化の原因となる温室効果ガス(GHG)の一つであるメタンは牛のげっぷにも含まれており、人口増に伴う食肉供給量の増加は家畜動物の飼育数増加につながり、GHG発生量の更なる拡大が懸念される。そこで代替肉として関心が寄せられているのが、動物から抽出した細胞を培養してつくる「培養肉」だ。

 10月には島津製作所 <7701> [東証P]、TOPPANホールディングス <7911> [東証P]、藤森工業 <7917> [東証P]の3社が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「バイオものづくり革命推進事業」に「細胞性和牛肉(いわゆる培養肉)の社会実装に係る研究開発」を共同提案し、実施予定先として採択されたことを明らかにした。25年を目標に培養肉を提供するための技術開発に取り組み、27年度末に大量培養技術を確立し、喫食可能な細胞培養用培地の大幅なコストダウンを実現する計画。更に社会実装に向けて、29年には培養肉製造の事業化、31年には事業収益化を目指すとしている。

 また、同月には日立造船 <7004> [東証P]がバイオ系スタートアップのNUProtein(徳島市)と共同で、遺伝子組み換えを伴わない培養肉をつくり出す「細胞増殖因子」の原料「コムギ胚芽抽出液」の製造工程を自動化する装置を世界で初めて開発したと発表。この装置ではコムギ胚芽から培養液2000リットルに加える細胞増殖因子を1日で製造することが可能だという。

 これ以外では、培養肉をつくるために必要な培養液の主成分である動物血清を食品で代替することに成功している日本ハム <2282> [東証P]、島津やTOPPANなどと「培養肉未来創造コンソーシアム」を設立している伊藤ハム米久ホールディングス <2296> [東証P]、培養ステーキ肉の研究を進めている日清食品ホールディングス <2897> [東証P]、日本大学と培養肉製造を目的とした研究を行っている荏原 <6361> [東証P]などをマークしておきたい。

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