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桑山 Research Memo(9):外部環境悪化と先行費用で2018年3月期第2四半期の業績は厳しかった


■業績動向と今後の見通し

1. 2018年3月期第2四半期の業績動向
桑山<7889>の2018年3月期第2四半期の業績は、売上高14,738百万円(前年同期比16.6%減)、営業利益261百万円(同71.4%減)、経常利益361百万円(同45.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は172百万円(同59.7%減)となった。

売上高減少の要因は、中国市場での経済減速に影響された同地域でのダイヤモンド素材販売が大幅に減少した事と、国内のジュエリー市場の停滞と販売単価の低下にある。国際的なダイヤモンド市場では研磨済みダイヤ(裸石)の取引が低迷した状態か続いている。これに対して、より川上の原石市場には投機資金が入っているもようで、原石価格が高騰したため積極的な売買をしづらい状況が続いている。このことから、同社が意図的に商売のペースを落としたとも推測できる。一方、中国のジュエリー市場は引き続き高付加価値の製品が人気になっている上、販売エリアを拡大していることもあって、中国での同社の売上高は当第2四半期で16%増と大きく伸びた。国内では、ダイヤモンド素材販売の減少に加え、2016年クリスマス商戦あたりから始まった小売市場の停滞が影を落とした。このため、在庫調整が進展してB to Bのビジネスが縮減しており、同社の受注も10%程度の減少になったと推測される。

営業減益は、上記の要因に加え海外製造拠点での先行費用が要因である。ダイヤモンド素材はコモディティ的な性格が強いため販売不振による売上総利益への影響は限定的であり、むしろミックスが改善して売上総利益率は0.2P改善している。一方、国内ジュエリー市場の停滞と販売単価の下落が売上総利益率の押し下げ要因となったが、海外製造拠点での先行費用の影響が大きかった。タイ工場では日本向けに製造能力を20%増強したが、増強投資は2017年3月期に完了したものの、受注が弱いなか減価償却費の発生や従業員トレーニング費用、ベースアップといった先行費用が発生した。また、2017年3月期に中国で2番目の広州工場がフル稼働を開始したが、旧正月などこれから内地向けに売上げを取りに行くタイミングだったことから、先行的に固定費負担が重くなった。なお、営業外収支は2017年3月期第2四半期に生じた為替差損が2018年3月期第2四半期に為替差益に転じたため352百万円の改善、特別損益は2018年3月期第2四半期に関係会社株式評価損が発生したため56百万円の損失とやや悪化した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《MW》

 提供:フィスコ

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