貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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6981 村田製作所

東証P
2,867.0円
前日比
+45.0
+1.59%
PTS
2,850円
23:58 04/26
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
23.0 2.12 1.88 8.46
時価総額 58,127億円
比較される銘柄
TDK, 
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新NISAが開く大相場の扉、バリュー系グロース「半導体商社」6選 <株探トップ特集>


―最強の成長セクターと低PBR・高配当のハイブリッドで出世株輩出へ―

 2024年は株式市場にとって十二支のなかで最も上昇パフォーマンスが高いと言われる辰年であり投資家に高揚感をもたらしているが、はからずも出足から望外の展開となった。日経平均株価は1月第2週に入って、まさに昇り竜を想起させるような強烈な上昇トレンドを形成している。

●半導体セクターの復権が大相場の原動力

 大発会こそ日経平均は下値を探る動きをみせたが、その後は5連騰で日々の上げ幅の大きさも際立った。因縁場となっていた昨年7月のバブル崩壊後高値3万3753円を抜き去るや、3万4000円台を一気に駆け抜け3万5000円台へと突入。更に週末12日は一時800円近い上昇で3万5800円台まで水準を切り上げ、3万6000円台をも視界にとらえる“規格外”の上げ足をみせている。さすがに過熱感が意識されその後は伸び悩んだが、問答無用の上値追いにマーケット関係者からも驚きの声が上がっていた。この日は値下がり銘柄数が値上がり数の2倍近くに達し、全体指数とのギャップが生じたが、これはむしろガス抜きという面では好ましい現象で、今後想定される全体指数の調整局面で個別株が底堅さを発揮しやすくなる。

 昨年来の強調相場は半導体セクターの復権による部分が大きい。12月中旬以降、半導体関連株に投資資金の本格攻勢が続いており、売買代金で常に群を抜くレーザーテック <6920> [東証P]や国内トップの 製造装置メーカーである東京エレクトロン <8035> [東証P]をはじめ、半導体セクター見直しの動きが全体相場を押し上げる原動力となっている。生成AI市場の急成長を背景にデータセンター向け半導体需要が沸騰状態となり、これまで価格が下落続きだった半導体メモリー市況の回復を後押しし、昨年11月には代表的なメモリー価格が約2年半ぶりに上昇に転じた。半導体需要は今年4~6月期に本格回復を予想する見方が支配的となっている。これが関連銘柄の総蜂起につながった。

●注目度高まる「半導体商社」というカテゴリー

 株式市場に目を向けると、足もとでこれまでリード役を担っていた主力銘柄群にはやや買い疲れ感もみられるが、半導体関連に位置付けられる企業の裾野は広い。循環物色の形で、半導体に関わる銘柄が波状的に買われる相場はこれからも続きそうだ。そして、ここで注目しておきたいのが「半導体商社株」ということになる。

 世界的に第4次AIブームが加速するなか、これをインフラ面から支えるのが半導体であり、構造的な需要の高まりが必然的に関連企業の商機を高めていく。製造装置メーカーや素材メーカー、あるいは生産設備に必要な部品メーカーだけではなく、それらの輸出入貿易や販売などを専門に行う企業、いわゆる専門商社にとっても業績を飛躍させる好機となる。

 半導体商社が狙い目となる理由は、半導体関連の循環物色の対象としての位置付けにとどまらない。半導体周辺に特化した成長セクターにありながら、PERやPBRが割安で配当利回りが高いというバリュー株の側面を持つ。メーカー機能を持つ商社も少なくなく、その場合は業績成長への伸びしろは一段と大きい。バリューとグロース両面の性質を備えた銘柄の宝庫といってもよい。そして、この特性が威力を発揮するタイミングにある。

●新NISAの投資資金ニーズにも適合

 今年1月から導入された新NISAの動向が注目されている。「つみたて投資枠」では全世界株式や米国株式など海外のインデックスファンドに人気が集まっているが、個別株への投資ができる「成長投資枠」では国内の高配当利回り銘柄が人気上位を占めている。個人投資家のニューマネーは東京市場のバリュー株を選好していることが明らかとなった。年明け以降の怒涛の上昇相場について市場筋からは「新NISAバブル」という声さえ聞かれるが、これは個人投資家が買い主体の中軸を担っているというよりは、新NISAの買い需要を見込んだ外国人買いが本流となっている構図だ。

 加えて週明け15日からは、かねてから低PBR改善に向けた経営努力を企業に求めている東証が、要請に基づいて取り組みを開示している企業の一覧表を公表することが決まっており、PBR1倍割れ企業に対するマーケットの視線が再び熱を帯びる可能性が高まっている。海外投資家の低PBR株物色は、“バフェット効果”で株価を変貌させた三菱商事 <8058> [東証P]などの 総合商社を筆頭に大きな潮流を形成した経緯がある。

 そして「半導体関連」というグロース株におけるブライトスポットと、低PBR・高配当に象徴されるバリュー株のハイブリッドで浮上してくるのが半導体商社株ということになる。既に株価を先駆させている銘柄としては東エレクの持ち分法適用会社である東京エレクトロン デバイス <2760> [東証P]が挙げられる。長期で下値切り上げトレンドを継続中だが、株式3分割後の昨年10月以降は上値追いを加速、株価をほぼ倍化させた。半導体商社というカテゴリーは強力な上昇ダイナミズムを内包していることを同社株が証明している。

 今回のトップ特集では、半導体商社の範疇にある銘柄群から、ここからの株価上昇余地が大きいと思われる6銘柄を厳選エントリーした。

●上値期待が膨らむ半導体商社6銘柄

【レスターHDは業容拡大続き強力な上昇波形成】

 レスターホールディングス <3156> [東証P]は半導体と電子部品を主力とするエレクトロニクス総合商社で、ソニーグループ <6758> [東証P]や村田製作所 <6981> [東証P]、海外ではインテル<INTC>など錚々(そうそう)たる企業の半導体製品を販売。設計・開発支援などソリューションビジネスも手掛ける。光学材料メーカーのデクセリアルズ <4980> [東証P]とは戦略的パートナーシップに向けた協議を行い、業容拡大に野心的に取り組んでいる。24年3月期営業利益は前期比3割減の100億円を見込むが上振れる可能性が濃厚、更に25年3月期は買収子会社の貢献で増益に転じる公算が大きい。株価は昨年後半から13週・26週移動平均線を支持ラインに強力な下値切り上げ波動を形成中で、上場来高値更新を経て3000円台活躍へ。

【立花エレは技術者集団、ルネサス製で需要開拓】

 立花エレテック <8159> [東証P]は三菱系のエレクトロニクス商社で産業用半導体を主力とする。車載用半導体トップでシステムLSIからディスクリートまで扱うルネサスエレクトロニクス <6723> [東証P]の製品取り扱いがメイン。創立100年を超える歴史があるが電子技術商社として200人を超える技術者を抱えている。24年3月期は売上高、営業利益ともに横ばいを見込むが、25年3月期は半導体デバイスや半導体製造装置が牽引して営業利益段階で110億円を上回る2ケタ増益が予想され過去最高更新となりそうだ。PER10倍未満でPBRは0.8倍前後、配当利回りも3.5%前後に達する。株価は3000円台回復から、昨年6月22日につけた上場来高値3200円を目指す展開が予想される。

【丸文は半導体レーザーなどが収益成長期待担う】

 丸文 <7537> [東証P]は半導体デバイスをはじめ電子部品を主力に取り扱うほか、産業用コンピューターなどの組み込みシステムも手掛ける。24年3月期は半導体市況の低迷がいわれるなかも民生機器向け半導体需要が好調で、営業利益は前期比14%増の125億円予想と2ケタ成長を確保し連続ピーク利益更新が見込まれている。システム部門では半導体レーザーの需要拡大が収益に寄与している。25年3月期は半導体市況の本格回復を背景に一段の業績拡大が有力視される。株価は昨年11月にマドを開けて上放れた後、一貫した上昇トレンドを形成中。昨年来高値圏を走るが、上値追いの余力十分で、早晩06年1月につけた上場来高値1949円(修正後株価)を視界に入れる動きが想定される。

【萩原電気HDは自動運転やEVで活躍期へ突入】

 萩原電気ホールディングス <7467> [東証P]は中部を営業地盤とする技術商社で、半導体などの電子部品を取り扱い自動車関連が売り上げの大部分を占める。自動運転技術の進展や電気自動車(EV)の普及を背景に自動車のエレクトロニクス化が一段と加速しており、同社の活躍機会も増勢の一途。また、ファクトリーオートメーション(FA)分野での実績も豊富だ。業績は23年3月期に続いて24年3月期も絶好調で、売上高、利益ともに大幅なピーク更新が見込まれ、営業利益は前期比24%増の83億5000万円を予想している。PERはわずか9倍前後で、株主還元にも前向き。配当利回りも3.9%前後に達する。株価は目先調整一巡から、5000円台を地相場に上場来高値圏を走る強調展開が見込まれる。

【三信電はゲーム分野強みで高配当利回り魅力】

 三信電気 <8150> [東証P]は半導体商社の大手に位置し、ゲーム機関連に強みを持っているのが特徴。半導体需要回復で売上高の9割を占めるデバイス事業は底入れが期待。また、ソリューション事業でも実力を発揮し、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の動きを追い風にITインフラの構築及び保守で需要を開拓している。足もとの業績は苦戦しているものの、株価的には既に来期の回復を織り込む動きをみせている。24年3月期営業利益は前期比36%減の44億円予想だが、25年3月期は2ケタ増益で切り返す公算が大きい。株価はここ値刻みこそ小幅ながらジリジリと水準を切り上げており、昨年4月以来9カ月ぶりの高値水準を回復。依然として配当利回りは4%超と高く、上値余地は十分。

【協栄産はパワー半導体が強みでPBR超割安】

 協栄産業 <6973> [東証S]は三菱系で半導体や電子デバイスのほか、FA・環境システム設備などに傾注している。産業用機器は半導体製造装置向けの受注獲得が進んでいる。世界的なスマートフォンの販売低迷が今期業績に重荷となっているが、三菱電機 <6503> [東証P]が強みとするパワー半導体が収益を牽引している。中期経営計画では33年3月期に売上高1000億円(23年3月期実績605億4500万円)、営業利益30億円(同14億7100万円)を目標に掲げる。24年3月期は営業利益が前期比8%減の13億5000万円と減益予想にあるが、25年3月期はパワー半導体などが牽引し2ケタ増益で切り返す公算大。PBR0.4倍台と割安感が際立っており、75日移動平均線近辺の時価は拾い場に。

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