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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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6963 ローム

東証P
2,263.0円
前日比
+26.0
+1.16%
PTS
2,263円
22:24 04/26
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.2 0.93 2.21 53.35
時価総額 9,324億円
比較される銘柄
村田製, 
パナHD, 
京セラ
決算発表予定日

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UTグループ Research Memo(1):雇用サービス業界において日本を代表するリーダー企業へ成長することを目指す


■要約

1. 事業領域
UTグループ<2146>は、主力の製造請負・派遣事業のほか、設計開発技術者、建築エンジニア派遣、ソフトウェア開発受託を行うエンジニア派遣事業を展開する。製造派遣の主要顧客業種は、半導体・電子部品、環境・エネルギー、自動車関連分野の3業種でその中でも、売上の半分を占める、パナソニック<6752>、 ソニー<6758>、ローム<6963>グループなどを主要顧客とする半導体関連産業への製造請負・派遣社員数は業界トップを誇る。派遣社員の無期雇用や職能給制度などを業界でいち早く導入し業界No.1の定着率を実現、「工程一括請負」という独自のビジネスモデルで他社と差別化を図り、事業を拡大してきた。

2. 業績動向
2017年3月期業績は、売上高が57,588百万円(前期比30.7%増)、営業利益が3,413百万円(同38.7%増)、経常利益が3,341百万円(同38.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が2,033百万円(同35.8%増)であった。2ケタ増収・増益となり、7期連続して増収・増益を確保、売上高は2008年3月期の過去最高値を更新した。同社では、期初において熊本地震の影響を織り込んだ保守的計画を設定したが、地震による事業上の影響は一時的なものであった。計画値を上振れして好業績を収めた要因は、1)2015年9月に施行された改正労働者派遣法が同社にとってプラス要因として働いている、2)新型車、次世代スマートフォンなどの同社の主力顧客業種における需要が旺盛である、3)高単価、高採算案件を選別受注している、ことなどである。期末の取引工場数は472工場(前期末比16工場増加)、技術職社員数は過去最高の15,488人(内訳は製造派遣14,123人、エンジニア派遣1,365人)。全国的に月間750人採用基盤の確立、選別受注などにより好調に推移したことに加えて、エンジニア派遣事業も既存子会社の成長により順調に拡大した。

2018年3月期は、売上高が前期比21.6%増の70,000百万円、営業利益は同23.0%増の4,200百万円、経常利益は同22.7%増の4,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同37.7%増の2,800百万円と、2ケタの増収・増益を見込む会社計画である。同社では、継続的な人手不足から多くの分野で人材需要が大きいことや、法改正等の影響が、同社にとって有利に働く状況が継続する要因であろう。売上高及び営業利益については前期比20%超の伸長率であるが、弊社では、会社計画は比較的固い数値目標であり、2017年3月期と同様にさらに上振れ達成する可能性があるものと見ている。その理由は、1)2015年9月に施行された改正労働者派遣法が同社にとって想定以上にプラス要因として働いている、2)期初時点における技術者数が前期比約4,500名増で、全員稼働すればおおむね予算値レベルの売上高達成が推測できる、3)新型車、次世代スマートフォンなどの同社の主力顧客業種における需要が旺盛である、などによる。また、2018年3月期からは、製造派遣事業における構造改革支援のソリューションを1つの事業として区分し、新たに3事業区分によるセグメントにて情報開示することを発表した。

3. 中期経営計画
2015年7月に発表された新しい中期経営計画(2017年3月期?2021年3月期)の概要は、「はたらく力で、 イキイキをつくる」 というグループミッションのもと、第2の創業期として「日本全土に仕事をつくる」を新しいビジョンに掲げ、2021年3月期に在籍技術職社員数29,000人、売上高1,450億円、EBITDA100億円、営業利益82億円を目標に、雇用サービス業界において日本を代表するリーダー企業へ成長することを目指すというものだ。目標とする経営指標については、積極的なM&Aを行うことを前提に2017年3月期に一部が修正され、「EBITDA成長率30%以上(5ヶ年計画の平均成長率)」、「総還元性向30%以上」、「グロスDEレシオ※1.0以下(2021年3月期に実現)」、をコミットメントとすることに変更された。

※企業の資金源泉のうち、有利子負債が株主資本の何倍に当たるかを示す指標で、一般にこの数値が1以下だと財務内容が健全とされる。


4. 株主還元
株主還元については、総還元性向30%以上をコミットメントとし、PEGレシオ(予想PER÷年間EPS成長率)の値により決定することを基本方針としている。2018年3月期は、500千株を上限とする総額610百万円の自社株買いの実施(取得期間2017年5月12日?2017年8月11日)を決定、取得株式については全株消却を予定している。新中期経営計画におけるコミットメント変更により、業績及び株式市場の動向を考慮した上で、配当及び自己株式の取得の組み合わせにより、総還元性向30%以上となる利益配分を予定している。

■Key Points
・2017年3月期は7期連続の増収増益、売上高は過去最高値を更新
・企業(モノづくり関連の顧客大企業)と個人(求職者・従業員)のツインカスタマー戦略
・ 改正労働者派遣法などが追い風で、2018年3月期も好業績期待

(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田 秀樹)

《HN》

 提供:フィスコ

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