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明日の株式相場に向けて=SQ算出後に様変わりの「三空叩き込み」

 きょう(14日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比357円安の2万6629円と大幅続落。欧米株安が続くなか、引き続きリスク回避の売りが優勢。一時は600円以上の下落で2万6300円台まで水準を切り下げる場面があった。

 6月に入って日本株優位論が大手を振っていたマーケットだったが、前週末寄り付きのメジャーSQ算出を通過した途端、遊園地のアトラクションさながらのフリーフォール状態の下げに見舞われた。今の相場はAIアルゴリズムが動き出すと、速射砲のような売りや買いが問答無用でなだれ込み、相場の方向性を決めてしまうようなフシがある。その時間帯に足を踏み入れてしまったら理屈は通用しない。嵐がおさまるまで上に行くにも下に行くにも突風に身を委ねるよりない。

 3月中旬から下旬にかけて売り方をパニックに陥れた「三空踏み上げ」の急騰相場はまだ記憶に新しい。しかし、今度は強気ムードに浸っていた投資家が色を失う「三空叩き込み」の急落相場に見舞われる格好となった。波乱の震源地はいうまでもなく米国でインフレ懸念が高まったことが背景にある。前週末に発表された5月の米CPIが市場予測の前年同月比8.3%上昇に対して8.6%と上振れ、40年5カ月ぶりの高水準となりこれが嫌気された。「実際FRBが重視するCPIコアは低下傾向にあったのだが、その直前までインフレピークアウト説が幅を利かせていただけにネガティブなインパクトが大きかった」(生保系エコノミスト)という。にわかに今月のFOMC(日本時間16日未明に予定)で0.75%の利上げ実施の可能性について報じられ、これはマーケットにとっては寝耳に水となった。

 ただ市場では、「0.75%利上げ観測の発信源であるウォール・ストリート・ジャーナルはFRBのリーク先として知られ、アドバルーン(観測気球)を上げる際によく使われる傾向がある」(ネット証券マーケットアナリスト)とし、今回もこの超タカ派的な利上げ幅をチラつかせて株式市場の反応をみるという作戦であった可能性を指摘する。そして、こう続けた。「(FRBによる政策金利の引き上げ幅は)常識的には0.5%とみるのが妥当だが、ポイントは日本時間今晩の米国株市場の動向であり、仮にNYダウナスダック総合株価指数が急反発に転じるようであれば、FRBは0.75%利上げのトリガーを引くケースも十分考えられる」(同)とする。

 なぜなら、今のFRBの最重要課題は“いかにインフレを抑制するか”であり、その手段のひとつに株式市場をクラッシュさせない程度に軟化させるという選択肢が入っていることは間違いないからだ。どのくらいの下値を想定しているかは不明だが、複数の市場関係者が挙げている「ナスダック総合株価指数で8500~9500ポイントくらい」という見方に現実味がある。これは、新型コロナウイルスが世界的に認知される以前の通常モードの株価ゾーンであり、この水準まで下押せばコロナマネーによる膨張した部分を削ぎ落としたと判断することもできる。

 今週は、FRBに半歩遅れる形で週末に日銀金融政策決定会合の結果発表と黒田日銀総裁の記者会見が予定されているが、こちらは頑なに緩和姿勢を堅持することは必至とみられ、その観点からは日本株市場が有利な環境にあることは確かだ。だが、米国株市場の調整が終わらない間は、日本株が相対的優位を保っても相応にツレ安することは避けられない。したがって、米国を横にらみに大きく下押したら突っ込み買いを入れ、リバウンド局面ではこまめに利益確定するスタンスをこれまで通り徹底しておくのが賢明と思われる。個別ではパワー半導体関連の穴株でキョウデン<6881>。また、DXソリューションで強みを発揮するJNSホールディングス<3627>、カード決済首位でサイバー防衛関連でもあるインテリジェント ウェイブ<4847>などをマークしてみたい。

 あすのスケジュールでは、4月の機械受注、4月の第3次産業活動指数、5月の訪日外国人客数など。海外では5月の中国工業生産高、5月の中国小売売上高、4月のユーロ圏鉱工業生産、4月のユーロ圏貿易収支、6月のNY連銀製造業景気指数、5月の米小売売上高、5月の米輸出入物価、6月の米NAHB住宅市場指数などが注目されるほか、FOMCの結果発表とパウエルFRB議長の記者会見にマーケットの関心が高い。(銀)

出所:MINKABU PRESS

最終更新日:2022年06月14日 18時51分

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