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6458 新晃工業

東証P
4,100円
前日比
+125
+3.14%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
19.1 1.76 2.07 7.48
時価総額 1,116億円
比較される銘柄
サンデン, 
西部技研, 
日阪製
決算発表予定日

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新晃工業 Research Memo(1):2023年3月期は下期に向けて業況が改善


■要約

新晃工業<6458>はセントラル空調機器のリーディングカンパニーで、大型オフィスビルなどのセントラル空調システム向けに空調機を製造販売している。主力製品は空気調和機(AHU:Air Handling Unit。以下、ヒートポンプAHUとの対比として水AHUという)とファンコイルユニット(FCU:Fan Coil Unit)で、戦略商品としてヒートポンプAHUの製造販売も行っている。2022年3月期の製品及びサービス別の売上高構成比は、空調機器製造・販売事業(国内)53.0%、工事・サービス事業20.0%、ビル管理事業12.3%、空調機器製造・販売事業(海外)14.7%となった。事業環境は、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の継続や原材料高、円安といったリスクが発生しているが、東京オリンピック・パラリンピック特需後の踊り場から需要は拡大している状況である。

1. 強みは設計から製造、販売、工事・サービスまでの一貫体制
主力の水AHUは、室内からの還気(室内の空気を循環使用するため、ダクトを通って空調機の吸い込み側に返ってくる空気のこと)と同時に外気を取り込み清浄化して各室に給気する機器で、セントラル空調で使用される。戦略商品のヒートポンプAHUは、セントラル空調の空調品質と熱源の分散という利便性を兼ね備えた個別空調機で、もともとすき間商品であったが、近年になって乾燥しがちな冬季の加湿などの要請からニーズが強まってきた。ほかに、空気除菌システム「健康空調(R)」(以下、「健康空調」)シリーズの開発や工事・サービス事業など周辺事業も強化している。同社の強みは、設計から製造、販売、工事・サービスまでの一貫体制などにあり、こうした強みを背景に有名施設への納入実績も多い。

2. 中期経営計画「move.2025」で2025年3月期営業利益75億円を目指す
2021年に同社は中期経営計画「move.2025」を策定した。なかでもSIMA(SINKO Innovative Manufacturing of AHU)プロジェクトが目玉で、デジタル化による製造面の効率化と高精度な需要予測による新たな営業スタイルの確立を進めている。このSIMAプロジェクトをテコに、水AHU、ヒートポンプAHU、工事・サービス事業、中国事業の強化及び技術深耕・品質向上の5点を重点取組項目として推進している。特に水AHUとヒートポンプAHUについては、ターゲット市場を絞り、その市場の特徴などに合わせた市場戦略を展開している。さらに、製品を通じた環境負荷低減や空調による社会貢献などESG経営も進めている。足下では都市再開発やデータセンター向け需要の増加もあり、2025年3月期に売上高520億円、営業利益75億円の達成を目指している。

3. 2023年3月期下期に工場稼働率の向上と価格改定の浸透が見込まれ、通期業績見通しを維持
2023年3月期第2四半期の業績は、売上高17,910百万円(前年同期比1.9%増)、営業利益1,459百万円(同20.2%減)と苦戦した。原材料高や部材不足などのリスクが顕在化したことが要因である。しかし、建設業界の業況は踊り場から抜け出し、空調機業界の出荷台数も前年同期比12%程度増加しており、同社の受注も積み上がっている。原材料高などコストプッシュに対しては価格改定を進めている。このため、2023年3月期下期は工場稼働率の向上や価格改定の浸透が見込まれ、2023年3月期通期は売上高43,000百万円(前期比2.5%増)、営業利益5,750百万円(同0.7%増)とする計画の達成が視野に入りつつあるようだ。なお、長期的にオフィスビル向け需要が鈍化するとの予測もあるが、データセンターや工場、更新需要の増加などが期待され、事業環境は良好と考えられる。

■Key Points
・セントラル空調のリーディングカンパニーで、ヒートポンプAHUで個別空調にも参入
・SIMAプロジェクトをベースに重点項目に取り組み、2025年3月期営業利益75億円を目指す
・2023年3月期下期は工場稼働率の向上や価格改定の浸透が見込まれ、期初業績見通し確保へ

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《NS》

 提供:フィスコ

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