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6298 ワイエイシイ

東証P
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時価総額 224億円
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ワイエイシイ Research Memo(5):減収減益も、受注残は前年同期比1.6倍足元では収益性が回復


■業績動向

1. 2023年3月期第2四半期累計期間の連結業績概要
ワイエイシイホールディングス<6298>の2023年3月期第2四半期累計期間の連結業績は、売上高で前年同期比0.9%減の10,976百万円、営業利益で同34.0%減の473百万円、経常利益で同20.9%減の577百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同37.9%減の325百万円だった。プロ向け少量多品種の受注生産モデルから量産生産型モデルへとビジネスモデルの転換を図るなかで受注は好調に推移したものの、原材料の高騰と部材の調達難が業績拡大の制約となった。部材の調達が想定どおりに進まなかったことによって受注しても納品ができず、売上が立たなかった。しかし、これにより受注残は、順調に積み上がった。2023年3月期第2四半期時点の受注残高は、前年同期比54.7%増の23,385百万円に急伸した。下期にかけては、これらの受注残が売上に変わっていくことが想定される状況である。また、足元では収益性も高まっている。これは原価低減努力が発現してきたことが要因であり、当第2四半期単体の営業利益率は7.0%まで高まった(2023年3月期第1四半期は0.9%)。また、原材料高騰の影響を販売価格にも反映させており、適切な利益水準の確保に努めている。セグメントごとの業績は以下のとおりである。

(1) メカトロニクス関連事業
受注残は順調に積み上がったものの、HDDメーカーの設備投資の後ろ倒し、モバイル機器関連部品の鈍化が売上拡大の制約となった。利益面に関しても、原価低減努力や販売価格の是正などを行ったものの、資材価格の高騰が想定を超えて推移した。これを受け、同事業の売上高は前年同期比14.5%減の5,179百万円、営業利益は同30.8%減の469百万円となった。

(2) ディスプレイ関連事業
売上高に関しては、中国事業が好調だったことを受けて堅調に推移した。利益面に関しては資材価格の高騰などの影響を受け、損失を計上した。ただ、前年同期と比べて損失幅は縮小した。同事業の売上高は、前年同期比164.0%増の2,513百万円、営業損失は131百万円(前年同期は201百万円の損失)だった。

同セグメントに関しては、利益率の高いアフターサービスと消耗品の販売に注力していくことを方針の1つとして掲げている。当第2四半期累計期間においては中国本土のロックダウンを受け想定どおり進捗しなかったものの、今後利益率の高いサービスに注力していくことによって同事業の収益性は高まっていくものと弊社では見ている。

(3) 産業機器関連事業
同事業においては、ホームクリーニングに対する需要が回復傾向だった。これは、コロナ禍の影響が薄れ、人々が外出するようになったことが要因だ。一方で、紙包装機等の新規事業の立ち上がりは期初の想定を下回った。これを受け、同事業の売上高は前年同期比12.1%増の416百万円、営業損失は17百万円(前年同期は49百万円の損失)となった。

SDGsに対応した量産型新製品の1つである紙包装機に対するニーズが底堅いことから、今後も市場への投入に向けて注力していく方針である。また、産業クリーニング(リネン)にも引き続き注力していく方針だ。

(4) 電子機器関連事業
電力会社向け装置は引き続き安定的に推移した。再生エネルギーの普及が急がれる中、電力の効率的管理に資する制御通信製品へのニーズが引き続き堅調だった。また、水力発電向けの製品も安定的に推移した。一方で、人工透析装置においては部材が入手しにくい状況が発生し、事業活動へのマイナス要因となった。これらの結果、同事業の売上高は前年同期比22.5%減の2,866百万円、セグメント利益は同42.1%減の103百万円となった。


流動比率と固定比率は健全、長短の手元流動性に問題なし自己資本比率も高まる
2. 財務状況と経営指標
2023年3月期第2四半期末時点の資産合計は前期末比682百万円減の36,315百万円となった。主な増減要因を見てみると、流動資産では仕掛品が1,440百万円、原材料及び貯蔵品が298百万円増加した一方で、現金及び預金が1,442百万円、受取手形及び売掛金が1,403百万円減少した。固定資産は、前期末比86百万円増加した。

負債合計は前期末比1,068百万円減の20,604百万円となった。主な減少要因は、固定負債の長期借入金が1,063百万円減少したことである。純資産合計は、前期末比386百万円増の15,711百万円となった。

安全性の指標を見てみると、自己資本比率は前期末比プラス1.9ポイントの43.2%に上昇している。流動比率と固定比率は、それぞれ前期末比マイナス5.2ポイントの203.6%、同マイナス0.8ポイントの52.4%となっており、健全な水準であることがうかがえる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

《NS》

 提供:フィスコ

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