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6298 ワイエイシイ

東証P
2,286円
前日比
-13
-0.57%
PTS
2,292.4円
11:15 05/02
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
10.0 1.29 3.28 4.17
時価総額 223億円
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決算発表予定日

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ワイエイシイ Research Memo(1):2023年3月期第2四半期は減収減益


■要約

ワイエイシイホールディングス<6298>はHDD(ハードディスクドライブ)や半導体などを対象事業領域とする「メカトロニクス関連事業」、OLED(有機EL)やFPD(フラットパネルディスプレイ)などを対象事業領域とする「ディスプレイ関連事業」、祖業のクリーニングや新規事業である紙包装などを対象事業領域とする「産業機器関連事業」、電力・医療などを対象事業領域とする「電子機器関連事業」の4つの事業セグメントで事業を展開している。持株会社制をとる専門分野におけるリーディングカンパニー合計15社の集合体として社会に積極的に価値を提供している。

近年は同社の事業をさらに拡大させ、株主利益の最大化を図るとともに社会貢献を促進すべく、ビジネスモデルの変革を実行中だ。従来のプロ向け少量多品種の受注生産モデルから量産生産型モデルへの転換を図ると同時に営業改革による受注の拡大と生産活動の稼働率アップによる利益率の上昇を推進している。また、量産型ビジネスモデルのもとでSDGsを意識した新製品の開発を加速している。人工透析装置、高感度デジタルバイオマーカー測定装置、マグネシウム電池・アルミニウム電池、海水淡水化装置、紙包装機など、事業活動を通じて社会課題を解決することを意識した新製品の開発・販売を積極的に行っている点も特徴だ。

1. 2023年3月期第2四半期の連結業績概要
2023年3月期第2四半期累計期間の連結業績は、売上高で前年同期比0.9%減の10,976百万円、営業利益で同34.0%減の473百万円、経常利益で同20.9%減の577百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同37.9%減の325百万円だった。プロ向け少量多品種の受注生産モデルから量産生産型モデルへとビジネスモデルの転換を図るなかで受注は好調に推移したものの、外部環境の悪化がマイナス要因となった。部品の調達難により売上が想定どおりに立たなかった。加えて、部材価格の高騰も収益を圧迫した。こうした要因によって、2022年3月期の牽引役だったメカトロニクス関連事業と電子機器関連事業が苦戦を強いられた。ただ、2023年3月期第2四半期末時点の受注残高は、前年同期比54.7%増の23,385百万円と積み上がっている。下期にかけては部品調達状況の改善され、売上となることが予想される。また、原材料費の高騰に対しては販売価格への反映を実施し、適正な利益確保に向けて取り組んでいる最中だ。加えて、原価低減努力も顕在化してきており、下期にかけて収益性が高まっていくことが予想される。実際、営業利益率は前期比プラス6.1ポイントの7.0%に急伸している。

2. 2023年3月期の連結業績見通し
2023年3月期の業績に関して同社は、外部環境の不確実性が大きいことから下方修正を行った。半導体業界における車載向け関連製品の需要増加等により、受注は好調に推移しているものの、中国のロックダウンによるサプライチェーンの混乱に端を発する部材供給の不安定さが続いている。また、利益面に関しても、ロシアによるウクライナ侵攻によるエネルギーや原材料価格の高騰、欧米各国のインフレ抑制のための金融引締め政策による急激な円安、資材調達価格の高騰などがマイナス要因だ。こうした外部環境を受け、売上高で前期比18.4%増の27,000百万円、営業利益で同53.2%増の2,400百万円、経常利益で同47.5%増の2,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同44.5%増の1,600百万円(前回発表予想との増減率は売上高10.0%減、営業利益20.0%減、経常利益21.4%減、親会社株主に帰属する当期純利益5.9%減)を見込んでいる。外部環境の影響を受け、下方修正を行ったものの、前期比で大幅な増収増益を想定している格好だ。また、業績予想の下方修正を行ったが、下期にかけて収益性が回復してくると想定し、通期配当予想は50.00円で据え置いている。このことから同社の株主還元を重視している姿勢が見て取れる。

3. 中期経営計画
同社は足元で量産型ビジネスモデルへの変革と営業改革・生産活動改革による粗利率アップの取り組みを実践しながら創立50周年を迎える2024年3月期に売上高370億円、営業利益37億円への企業に成長すべく日々精力的に事業を行っている。2021年3月に策定した中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)において同社は、1. 粗利率アップによる高収益経営(最終年度には、営業利益率10%以上)、2. 経営効率重視経営(最終年度には、従業員1人当たりの売上高35百万円以上)、3. SDGsを加味した量産新製品(最終年度には、売上高の20%以上)を基本テーマに設定。具体的には1. 営業改革:受注型営業の深耕と提案型営業の推進(「しなやか先端技術企業集団」として、取引先の様々なニーズを具現化しつつ、生活への安心と豊かさを与える商品開発を推進する)、2. グループ内効率経営(グループ内企業、事業及びシステムの統廃合により、高い効率経営を目指す)、3. 中国ビジネスモデル改善(最大のマーケットである中国との取引への柔軟な対応のため、各社各様の対応を効率性と安全性の観点から改善する)の3つを改革のテーマとして掲げ、目標を達成する構えだ。

■Key Points
・専門分野リーディングカンパニー15社の集合体として事業を推進
・量産型ビジネスモデルへの変革、営業改革・生産活動改革による利益率アップに取り組む
・2023年3月期第2四半期は外部環境の悪化を受け、減収減益
・足元では収益性が回復しており、通期業績予想の達成が期待される

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

《NS》

 提供:フィスコ

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