貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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6254 野村マイクロ

東証P
5,340円
前日比
+120
+2.30%
PTS
5,300円
23:56 05/02
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
25.3 7.67 1.17 2.24
時価総額 2,168億円
比較される銘柄
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オルガノ, 
AIメカ
決算発表予定日

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明日の株式相場に向けて=変貌株の宝庫「半導体中小型株」の勘どころ

 きょう(28日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比39円安の3万3408円と続落。どうにもつかみどころのない相場となっている。きょうは11月の権利付き最終売買日だが、これに絡んだ売り買いが全体相場に影響を与える要素はほとんどない。プライム市場で11月決算期の企業は20社足らずで、また5月決算企業を入れても50社に満たない。配当権利取りの動きはまさに人知れず超ニッチな局地戦という趣きである。

 手掛かり材料難というよりない地合いで、日経平均は静かに下値を探る展開。振り返って11月上旬は嵐の様相を呈し、15日に823円高という今年最大の上げ幅を記録したが、ここが踏み上げ相場のクライマックスであった。その後は目に見えてボラティリティが低下した。いわばショート筋の買い戻しラッシュが終了した“嵐の後”の静けさである。

 ここまでの上昇相場で個人投資家の懐具合も改善しているかというと、それほどでもなく、ネット証券大手の店内データによると、前日時点で個人投資家の土俵である東証グロース市場の信用評価損益率はマイナス23.3%と良化しているとはいえ、依然として重苦しいムードが拭えない。ちなみに前日時点でプライム市場の騰落レシオ(25日移動平均)は113%と過熱感はまだ乏しく、グロース市場に至っては92%と低調だ。グロース市場は7月6日に100%を下回って以来、約4カ月半にわたって100%を下回った状態が続いている。しかし、見ようによってグロース市場は現在エネルギーを蓄積している段階ともいえ、これが噴き上げる時がくれば、そのパフォーマンスは思いのほか大きなものとなる。

 さて、手掛かり材料難と前述したが、本来であれば今週は緊張感の伴う週のはずである。米国で重要イベントが相次ぐ。あす29日にベージュブック、明後日は10月のPCEデフレータ、そして週末12月1日に11月のISM製造業景況感指数と続く。更にパウエル議長をはじめとするFRB高官からのコメントが相次ぐことで、その内容にもマーケットの耳目が集まることになる。きょうの日本時間深夜にウォラーFRB理事とボウマンFRB理事の講演が行われるほか、30日にウィリアムズNY連銀総裁の講演が予定されている。そして、週末は米大学のイベントでパウエルFRB議長の発言機会が設けられており、その内容次第で相場は大きく揺さぶられても不思議はない。

 ところが、それほど緊迫した雰囲気でないのは、米国株市場の最大の関心事であった政策金利引き上げが終了したという暗黙のコンセンサスがマーケットを覆っているからにほかならない。12月中旬のFOMCはビッグイベントには違いないが、実はそれほど大きな意味を持たない。既に金利がターミナルレートに到達していることをマーケットが見切っている以上、次は利下げがいつかということに関心が移っている。利下げとの距離感を探るには次回のFOMCではさすがに早過ぎる。

 個別株に目を向けると、きょうは 半導体関連の中小型株でフロントランナーとして値を飛ばした銘柄群に利益確定売りが顕在化した。どんなに強い株でも上げっぱなしということはない。株価は極端な上げがあれば必ずその反動もくる。信用規制が発動されたAIメカテック<6227>が急落となり、その余波でジェイ・イー・ティ<6228>も一時ストップ安に売り込まれた。しかし、仮にS安に売られる場面があっても、それは短期急騰の反動という明確な理由があり、当該株に成長性があれば一時的なノイズに過ぎず再び上値を目指すことになる。野村マイクロ・サイエンス<6254>は2020年の春先は3ケタ台の株価だったが、わずか3年あまりの月日で見ての通り5ケタに変貌している。桁数を2つ替えていることに半導体関連の出世株に秘められた株価のダイナミズムの凄さが反映されている。ポスト野村マイクロがそうそう巷に転がっているということはないが、半導体関連で時価総額の小さい3ケタ株はそれなりに夢がある。半導体関連マスクを設計から製造まで一貫生産する竹田iPホールディングス<7875>、半導体実装・保護テープで圧倒的世界シェアを有するアテクト<4241>などは、時価総額を考えれば今だからこそ仕込む価値がある。

 あすのスケジュールでは、2023国際ロボット展が東京ビッグサイトで12月2日までの日程で行われる。海外ではニュージーランド中銀の金融政策決定会合のほか、タイ中銀も政策金利を発表する。欧州では11月の独消費者物価指数(CPI)速報値が発表される。また、米国では地区連銀経済報告(ベージュブック)にマーケットの関心が高い。(銀)

出所:MINKABU PRESS

最終更新日:2023年11月28日 17時05分

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