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5078 セレコーポレーション

東証S
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時価総額 140億円
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セレコーポレーション Research Memo(8):中長期的な企業価値向上目指し「ビジョン2030」策定予定


■トピックス

1. 「ビジョン2030」の策定
セレコーポレーション<5078>では、2025年2月期を始期として長期経営ビジョン「ビジョン2030」を策定し、2030年に向けて「ありたい姿」を定め、今後の更なる持続的な成長と、中長期的な企業価値の向上の達成に向けた、方針や戦略を明確にする。なお、後述する更に長期の経営ビジョンである「CEL未来戦略」の実現に向けた通過点の位置づけである。同計画では、「ありたい姿」を「企業価値の極大化と物心両面の幸せの実現」としており、アパートメーカーとしてのニッチトップとして高付加価値追求による粗利益率の向上を推進する。また、同社では、企業価値の向上において人的資本は経営の根幹であると捉えている。計画においても「ありたい姿」をいかに実現するかという観点から、人財戦略を策定・実行して持続的な企業価値向上を目指す。定量目標に関しては、策定中のため適切なタイミングで開示することになるが、同社のこれまでの開示内容を鑑みれば、PBR1.0倍以上・ROE8.0~10.0%以上といった数値目標が考えられると弊社では見ている。

2. CEL未来戦略
同社は、顧客ターゲットを「若者」にフォーカスし、ストック事業を基盤とした収益力のある経営基盤を確立するため、「CEL未来戦略」を掲げている。「アパート経営の専門店」として多面的経営を展開し、シナジー効果により売上高100,000百万円、売上高営業利益率10%規模の事業集団への成長を目指している。また、若者の多様化する価値観、生活様式、消費スタイル、興味や関心の変化などを多面的に検証し、研究するシンクタンクとして「TOKYO 若者Style 研究所」を構想している。足元のスタートアッププロジェクトとしては、共立女子大学との産学連携プロジェクトを実行している。

3. セレ アカデミー
同社は、事業を永続させるため、次世代経営者の育成を目的とする「セレ アカデミー」を運営している。京セラ<6971>グループの京セラコミュニケーションシステム(株)とアメーバ経営教育を行い、「全員参加経営の実現」「経営者意識を持つ人財の育成」「市場に直結した部門別採算制度の確立」を推進している。アメーバ経営では各部門を細分化し、翌月~翌々月までの予定や採算を作成し、管理することでそれぞれが安定した利益を創出できる。京セラグループの指導により、アメーバ経営のベースとなり、事業永続の拠り所となるフィロソフィブックを作成した。今後の同社の経営を担う次世代の経営陣・社員が持つべき判断基準・行動指針を明確化することで、企業理念・事業目的の実現に役立てる。価値観・判断基準は、創業者が直接事業継承をする次の世代の経営陣だけでなく、連綿と経営を受け継ぐ後進者も学ぶことができる普遍性の高い内容を目指している。このため、今現在の個別の経営課題や問題意識に過度にとらわれることなく、事業永続に必要となる経営哲学を、創業者の人生経験を踏まえて幅広く構成している。

4. ESGへの取り組み
同社は「子どもたちの 子どもたちの 子どもたちへ」の企業理念に基づき、「持続可能な安定的成長」を経営方針に掲げ、ESG※に対して「サステナビリティ」「健康企業宣言」「社会貢献活動」の3つの観点から様々な活動に取り組んでいる。

※「環境(Environment)」「社会(Social)」「ガバナンス(Governance)」の頭文字を並べたもので、企業が長期的成長を目指すうえで重視すべき観点のこと。


(1) サステナビリティ
地球環境と社会経済、同社が共に持続可能でありつづけるためのサステナビリティ活動を推進している。一例を挙げると、地球環境に配慮し、千葉工場で業界初の「ジルコニウム化成処理※1」を導入した。また、温室効果ガス排出対策として国が推奨する「ZEH※2」化への対応として、同社は年間の一次エネルギー消費量を可能な限りゼロに近づける「NearlyーZEH仕様」として、単身向け賃貸住宅においていち早く着手している。このほかにも、世界一の環境先進都市を目指す東京都の取り組みに賛同し、省エネ性能の基準が「ZEH」よりも高く設定された「東京ゼロエミ住宅」の普及を推進している。

※1 金属塗装の前処理として耐食性・密着性能・脱脂性能を持ちながら環境負荷物質の低減を可能とし、スラッジ(難溶性のゴミ)廃棄物の発生を従来より95%削減している。
※2 「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称で、年間の正味エネルギー量をおおむねゼロ以下にした住宅を指す。


(2) 健康企業宣言
「社員一人ひとりの幸せの総和が企業価値」を事業目的として宣言し、常に社員が幸せに働ける環境づくりを追求している。具体的には、全社員を対象として、人間ドック費用の全額補償、さらに、病気が発見された場合に治療をフォローするための医療保障保険の導入、休職者の完全復職に向けた相談窓口の設置、新たな健康支援サービスの導入等、社員の心身の健康向上のため様々な取り組みを行っている。また、ワークライフバランスに配慮し、20時でのパソコンの強制的なシャットダウンや、サービス残業防止のためのPCログと勤怠打刻の乖離差チェックなど、仕事の時間とプライベートの時間のメリハリをつけるよう推進している。これらの取り組みが評価され、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人認定制度」において、6年連続(2023年3月)で「健康経営優良法人」の認定を取得した。また、健康企業宣言東京推進協議会が運営と認定をしている「健康企業宣言」においては、5年連続(2022年)で「健康優良企業認定(金の認定)」を取得しており、6年連続(2023年)の取得に向けて申請中である。

(3) 社会貢献活動
子どもたちの未来や地域環境の一助となる社会貢献活動を行っている。一例を挙げると、東北復興への貢献を目的に開催されている「絆甲子園大会※」を2019年の第9回までサポートしたほか、NPO法人はな街道への協賛活動(花壇の維持管理活動)を通じて地域貢献に取り組んでいる。

※東北応援イベントとして定着しており、被災地である東北のリトルシニアに、硬式野球を通じてたくさんの仲間がいることを知ってもらうこと、また本大会から始まる出会い、経験、絆を大切にし、東北復興に少しでも貢献することを目的として開催されてきた。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)

《HH》

 提供:フィスコ

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