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5078 セレコーポレーション

東証S
4,005円
前日比
-20
-0.50%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.5 0.70 2.62
時価総額 140億円
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セレコーポレーション Research Memo(6):賃貸開発事業の好調な販売状況を背景に上方修正を公表(1)


■今後の見通し

1. 2024年2月期の業績見通し
セレコーポレーション<5078>の2024年2月期の連結業績は、売上高23,013百万円(前期比7.7%増)、営業利益1,217百万円(同1.3%減)、経常利益1,235百万円(同1.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益822百万円(同3.7%減)としている。賃貸開発事業における好調な業績推移や、株式給付信託の開始時期が当初予定の上期から下期へ変更になったことなどを要因として、2023年10月12日に上方修正を公表している。修正後の通期予想に対する第2四半期進捗率は売上高で52.9%、営業利益で78.5%、経常利益で78.9%、親会社株主に帰属する当期純利益で79.8%となった。既述のとおり、賃貸開発事業の好調な販売状況が背景にある。加えて、販管費では、研究開発費(研究開発担当部署である技術改革課・型式管理課の人件費が主)や採用費は増加しているものの、事業の効率化などによる費用抑制などによる業務報酬料の削減により第2四半期累計では21百万円の増加に抑えている。これにより、各段階利益は通期予想に対して高い進捗率で推移している。原価高騰などの不確定要素もあるが、足元の販売状況は堅調に推移しており、成長投資は予算の範囲内で進捗していることから、通期計画達成の蓋然性は高いと弊社では見ている。

2. セグメント別の業績見通し及び重点施策
(1) 賃貸住宅事業
売上高は10,064百万円(前期比2.4%増)、セグメント利益は565百万円(前期比21.3%減)を見込んでいる。
具体的な重点施策は以下のとおりである。

a) 資源高の影響による原価高騰対策
アセットマネジメント本部においては、賃貸経営事業と連携することで、地域に応じた賃料バリューを創出し、適正な価格転嫁を実行していく。特に、若者向け設計力の駆使と市場分析による高額賃料設定に注力し顧客にとっての事業性を堅持する。また、省エネ仕様を推進し、付加価値を考慮した販売単価の見直しを行う。

生産本部においては、工法改善や工期短縮、工場の効率改善による生産性の向上と、基礎形状の小型簡素化による原価低減(型式化)、工場生産タームの改善を図る。足元では、新型式の運用開始によるコストダウン促進や、外部コンサル・専門チームの導入による効率改善に取り組んでいる。外部コンサルからは、千葉工場における生産時間の短縮、省人化等についてアドバイスを受けている。また、購買先の多角化や直取引の開拓、新規施工業者の取引増大、新規商社・メーカーの開拓、新規協力業者の紹介促進及びWeb募集を推進する。足元では、協力業者の新規開拓による取引増大に注力している。

b) 人員増強と人財育成
アセットマネジメント本部においては、経験値の高い異業種から若手営業職を積極採用していく。多様なバックグラウンドを持った人財を採用することで、コンサル力重視による幅広い提案型営業を促進する。異業種からの人財を補強するほか、金融機関出身の管理職人財の採用等を進めており、計画以上の進捗となっている。また、積極的な外部研修の導入や若手管理職の登用を進める。足元では、組織改編により営業部・課を新設しており、マネージャー増員による育成環境を整備している。

建設本部・生産本部においては、将来の技術職不足の解消に向け、スキルの高い即戦力の採用を強化する。
建設本部においては、技術系職種では、能力に見合った報酬を提案していくことで採用力を高める。また、協力業者も含めた積極的な外部研修の実施により安全衛生管理を強化し、若手管理職の登用により組織を活性化させる。現場担当者に対しては、資格取得を推進し将来の人員不足へ備えると共に、改善提案活動を推奨し、問題意識の醸成と現場リーダーの育成を促進していく。一級施工管理技士については、現状では年配者の有資格者が多いため、若手の資格取得・技術継承等・育成に引き続き注力する方針である。
生産本部においては、生産管理担当者及び技術開発担当者を採用し、引き続き採用の取り組みを強化している。

c) DX促進
アセットマネジメント本部においては、顧客商談記録のクラウド管理を推進し、商談の勝率アップと顧客ケアの向上を図る。具体的には、既存システムを活用して商談スピードの向上による顧客満足度アップを進めていく。これにより、成果の見える化、顧客情報共有の円滑化を実現していく。建設本部においては、斜線解析ソフトの本格稼働による天空率計算の効率化を進めた。天空率とは斜線制限に代わる形態規制の制度であり、道路斜線についてこの制度を適用することで土地の有効利用に繋げられる。従来の天空率チェックでは、汎用CADを用いて設計していたが、斜線解析専用ソフトを併用することで複雑な計算が一部自動化され、設計効率が向上した。同ソフトは、三面接道の場合など多領域においてチェックが必要な場合に特に有効であり、今後もAIサポートによる差別化設計により付加価値を高めていく。

d) 新規情報源の開拓
競合の少ない優良紹介先の開拓(金融機関、コンサル業、士業、不動産業等)を図り、新パートナーズ組織を発足し、コンサル業および士業を中心に開拓を進めている。優良エリア・物件の見学会を促進すると共に、管理受託数拡大に繋がる紹介先を開拓する。また、主要金融機関等との協業や関係強化による紹介活動の拡大にも取り組み中である。

e) 付加価値の高い差別化新商品の開発
SDGsの取り組みに賛同し、脱炭素社会に貢献できる省エネルギーアパートを推進する。東京エリアは東京都が推進する環境配慮型住宅の東京ゼロエミ住宅(高省エネ性能・太陽光発電)仕様の採用を更に促進していく。同仕様の採用に際しては、東京都から助成金が支給されるが、床面積が広い場合には増加する原価の方が助成金より大きくなるため、助成金のメリットが少なくなる点が障壁になるケースもある。また、助成金対象部分の建設費はローン対象外になるため、助成金が支給されるまでの期間に自己資金での立て替えが困難な場合、採用を断念するケースもある点が課題である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)

《HH》

 提供:フィスコ

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