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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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4763 C&R

東証P
1,701円
前日比
+16
+0.95%
PTS
1,709.2円
19:06 05/09
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.9 2.36 2.53 44.66
時価総額 391億円
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C&R社 Research Memo(8):2024年2月期第2四半期は医療分野と会計・法曹分野が増収増益(2)


■クリーク・アンド・リバー社<4763>の業績動向

(5) その他事業
子会社16社で構成されるその他事業の売上高は前年同期比21.9%増の1,762百万円、営業損失は113百万円(前年同期は181百万円の損失)となった。売上高は16社のうち8社が増収(268百万円増)、1社が横ばい、新規設立及びグループ化した7社で114百万円を計上し、前期に1社が連結対象から外れた影響で60百万円の減収となった。一方、利益面では増益が5社(155百万円増)、投資負担増による減益が4社(33百万円減)となったほか、新規設立及びグループ化した7社で78百万円の減益となった。増収及び損失縮小の主因は、ITエンジニア等のエージェンシー事業を主に展開する(株)リーディング・エッジ社(出資比率99.99%)の収益回復による。前年同期は不採算案件の発生もあり約1億円の損失を計上したが、不採算案件がなくなりエンジニアの稼働率も向上したことで2ケタ増収、営業利益も黒字に転換した。

その他の子会社の動向を見ると、ファッション分野のエージェンシー事業を主に展開する(株)インター・ベル(出資比率90.9%)は、コロナ禍の影響が薄れインバウンド需要の回復とともに小売店舗への客足が戻るなか、販売員の派遣需要増加により増収となったが、人員確保を先行して進めた影響で一時的に減益となった。ただ、下期以降は増益基調に復帰する見通しだ。

人材メディア事業を展開する(株)プロフェッショナルメディア(出資比率100.0%)は、Web、IT、AI業界の総合求人サイト「DXキャリア」を運営しており、各業界における旺盛な需要を背景に業績は堅調に推移した。VR事業を展開する(株)VR Japan(同84.21%、12月決算)は、中国大手メーカーからVRゴーグルを調達し、国内で企業や医療機関等の教育研修向けを中心に販売・運用・保守を行っている。業績は若干ながら増収増益となったが、新規顧客の開拓に向けた営業強化が課題となっている。なお、2023年2月期より順天堂大学と共同で「AR胸腔ドレナージ※」の共同研究に着手している。肺がんなどの治療で行う胸腔ドレナージの安全性向上を目的に、臓器の位置を正確に把握するためのシステム開発を担当しており、当初は2023年6月頃のプロトタイプ完成を目指していたが、遅延しているもようだ。

※胸腔ドレナージとは、胸腔内にドレーン(管)を挿入することで、貯留した気体や液体(胸水や血液、膿)を持続的に体外へ排出(ドレナージ)する治療法。


AIシステムの企画・開発・販売・運用・保守事業を行う(株)Idrasys(出資比率80.11%)は、増収、若干の営業損失となった。独自開発したAIクラウドプラットフォーム「Forecasting Experience※1」を開発・提供しているほか、生成AIのChatGPTと連携したドキュメント検索システム「ChatGPT+SmartKMS※2」及びチャットボットサービス「ChatGPT+SmartRobot※2」を開発し、新たにサービス提供を開始した。セミナー開催や展示会への出展により新規リードの獲得に取り組み、自治体からの受注実績も出始めており、今後の成長が期待される。

※1 「Forecasting Experience」の特長は、学習データをExcelベースで作成でき、専門知識がなくても比較的容易に予測モデルを構築できる点にある。
※2 合弁先である台湾インツミット社製のAIシステム。


米国で法曹分野のSNSプラットフォーム「JURISTERRA」の開発・運営を行うCREEK & RIVER Global, Inc.(出資比率100.0%)や、新規ビジネスの立ち上げ支援を行うきづきアーキテクト(株)(同70.0%)は若干の増収増益となった。ブランドマーケティング事業を展開する(株)forGIFT(同77.5%)は増収となり、新サービスとなるアパレル3DCG(3次元コンピュータグラフィックス)サンプル制作サービス「sture(ストゥーラ)」のマーケティング活動を展開した。同サービスは同社の開発スタジオで蓄積してきたゲームの3DCG制作技術とファッション分野の知見を融合したサービスである。顧客側のメリットとしては、サンプル制作時間の短縮や経費・廃棄ロスの削減による製造コストの低減が挙げられる。顧客企業では一部のブランドから導入を開始し、徐々に利用範囲を広げつつあるようだ。月額売上規模はまだ数百万円程度と小さいが、顧客が広がってくれば収益貢献するものと期待される。

2022年4月に新設したコネクトアラウンド(出資比率100.0%)では、農業分野でのテクノロジーを活用したダイバーシティ&インクルージョン及び農業を基軸とした地域雇用の促進等を目指している。2023年2月に屋内栽培と2次加工品の製造・販売を行う6次化農業ビジネス「Fun Eat Makers」事業を神奈川県川崎市内の施設で開始した。障害者雇用を組み合わせたビジネスモデルであり、今後はFC展開も視野に入れている。さらに、地方創生ビジネスの一環として、2024年7月の竣工を目途に福島県大熊町にスマート農業施設「Fun Eat Makers in Okuma」を開設する計画である。同施設は「高付加価値農業生産エリア(ミニトマト、無農薬栽培リーフレタス)」と「食を楽しむエリア(レストラン)」「様々なプロフェッショナルがつながるワーケーション滞在エリア」の3つのエリアで構成する建物と、地域の人々がつながる半屋外エリア及び屋外エリアで構成されており、建設費用等は国の補助金で賄われる。

同年4月に新設したOne Leaf Clover(出資比率100.0%)は、「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づく特例子会社で、障害者の安定的な職場環境の確保及び社会への主体的な参画を目指し、自治体等と連携を図りながら事業構築を進めている。同年5月に連結子会社化したANIFTY(同51.8%)では、アニメ作家や漫画家、イラストレーター、動画制作者等のコンテンツをNFT(非代替性トークン)として流通させ、グローバル市場での収益化を図るべく、同社との連携を強化し才能の発掘や新たなビジネスモデルの構築に向けた準備を進めている。

同年7月に新設したChef’s value(出資比率100.0%)では、同年11月末にシェフの独立開業を支援するための直営スタートアップ1号店を本社ビル内に開店したほか、同社からシェフのエージェンシー事業を移管するなど事業拡大に向けた取り組みを推進している。同年7月に新設したNextrek(同65.0%)は、漫画家や出版社のグローバルにおける収益拡大及び映像・音楽クリエイターの新たな創作機会の提供を目的に、漫画を音楽とともに楽しむ動画作品としてモーションコミック「モブコミ」を開発、2023年3月よりサービスを開始した。Youtubeチャンネルとアプリで提供しており、サービス開始から10タイトル以上の作品を配信している。当初の想定よりも視聴数は伸び悩んでいるが、9月28日より人気タイトルである「北斗の拳」の配信を開始しており、今後の反響が注目される。

同年10月に新設したC&Rインキュベーション・ラボ(出資比率100.0%)では、グループとの事業シナジーが見込める企業に対して出資を行うCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)事業を展開している。1件当たり0.3~1億円を目安に10億円程度の投資を行う予定で、2024年2月期はエンジニア派遣を行う(株)ネクサスホールディングス、IPO支援サービスやIRテック事業等を展開するUniforce(株)、毛髪再生医療等製品・次世代インプラントを開発する(株)オーガンテックの3社に出資を行った。また、2023年5月に子会社化したALFA PMC(同100.0%)は、施設建築領域におけるマネジメント・セミナー事業を主に展開しており、業績への影響は軽微だが、今後はPM、CMの人材育成やネットワークを構築して、CMサービス等の受託業務を展開するなど、建築分野における事業拡大を目指している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《AS》

 提供:フィスコ

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