貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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4763 C&R

東証P
1,668円
前日比
-17
-1.01%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.7 2.34 2.58 51.35
時価総額 384億円
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C&R社 Research Memo(2):プロフェッショナル分野に特化したエージェンシー会社、M&Aで事業領域を拡大


■会社概要

1. 会社沿革
クリーク・アンド・リバー社<4763>の設立は1990年で、創業者である代表取締役社長の井川幸広(いかわゆきひろ)氏が、プロフェッショナルの生涯価値の向上を目的に創業した。当初は、7名のテレビディレクターと映画監督という小所帯からスタートし、翌年に一般労働者派遣事業の許可を取得して、テレビ番組や映画制作、ゲーム、Web等のクリエイティブ分野から顧客開拓を進めていった。その後は1997年に医療分野、2000年にIT分野、2007年に法曹分野、2009年に会計分野、2013年に建築分野及びファッション分野、2015年にシェフ分野、コンピュータサイエンス分野と様々なプロフェッショナル分野へと事業領域を拡大し、現在は18分野で36万人超のプロフェッショナル人材のネットワークを構築、知的財産の流通も含めて4.8万社を数える顧客にサービスを提供している。

海外展開としては、2001年に韓国にクリエイティブ分野のエージェンシー事業会社(CREEK & RIVER KOREA Co., Ltd.)を設立したのを皮切りに、2010年に中国子会社(CREEK & RIVER SHANGHAI Co., Ltd.)、2016年に米国子会社(CREEK & RIVER Global, Inc.)を設立している。米国子会社については、弁護士と企業をつなぐSNSプラットフォーム「JURISTERRA(ジュリステラ)」の米国におけるサービス展開を主な目的として設立された。

韓国子会社については、2016年にゲームソフト等のコンテンツ管理・流通(ライツマネジメント)事業を残して、テレビ局向けを主体としたエージェンシー事業を会社分割により孫会社として新設したCREEK & RIVER ENTERTAINMENT Co., Ltd.に承継すると同時に、株式を現地の経営陣に売却して出資比率を下げ、持分法適用関連会社に異動したが、2020年1月に再度株式を取得し、連結対象子会社(CREEK & RIVER KOREA Co., Ltd.の出資比率75%)としている。漫画などのデジタルコンテンツを中心に、日本、韓国、中国のグループ会社間での取引を拡大し、シナジー効果をさらに高めていくことが狙いとなっている。

また、M&Aによる事業領域の拡大も積極的に行っており、2023年2月期においては2022年3月にブランドマーケティング事業を展開する(株)forGIFT、同年5月にブロックチェーン技術を使ったプラットフォームの企画、開発、運営を行う(株)ANIFTY、2023年1月に映像分野のプロデュース事業及びエージェンシー事業を展開する(株)シオングループ及びその子会社2社を子会社化している。

なお、同社は2000年に大阪証券取引所NASDAQに株式上場を果たし、2016年2月に東京証券取引所第2部に市場変更、同年8月に第1部に昇格し、2022年4月からはプライム市場に移行している。


様々なプロフェッショナル分野においてプロデュース、エージェンシー、ライツマネジメント事業を展開
2. 事業内容
同社は、クリエイティブ分野(映像、ゲーム、Web、広告・出版等)において企画・制作を行うクリエイター※のプロデュース及びエージェンシー事業を主力事業としており、そのほかにも医療や会計、法曹などのプロフェッショナル分野においてエージェンシー事業を展開している。また、ここ数年はプロフェッショナル人材サービスだけでなく、ゲームや出版分野等を中心にライツマネジメント(知的財産の企画開発・流通)事業にも注力している。

※具体的な職種としては、映画監督・プロデューサー、テレビディレクター、脚本家、カメラマン、Webデザイナー、CGデザイナー、ゲームプログラマー、クリエイティブディレクター、コピーライター、イラストレーター等が挙げられ、独立したプロフェッショナルとして企画・制作活動を行う個人事業主となる。


(1) プロデュース事業(開発・請負)
エージェンシー事業とともに同社の屋台骨を支える事業。同社グループのネットワーク内のプロフェッショナル人材でチームを編成し、仕事を請け負うことが多い。特にクリエイティブ分野では、案件ごとにチームを組むケースが多いため、豊富な人材ネットワークを構築していることが競合他社に対する強みとなる。

対象分野は、映像、ゲーム、Web、広告・出版、建築等のクリエイティブ分野のほか、会計分野で主に展開している。また、今後の強化分野としてIT分野への取り組みにも注力している。同事業の売上総利益率についてはここ数年30%前後と、比較的安定した水準で推移している。

(2) エージェンシー事業(派遣・紹介)
エージェンシー事業では、クライアント企業に対して同社のネットワークに登録するプロフェッショナル人材の派遣、紹介サービスを提供している。派遣の売上総利益率は20~25%と一般の人材派遣とほぼ同水準となっている。一方、紹介に関しては、想定年収の30~35%を紹介手数料として売上高及び売上総利益に計上している。

主な対象分野としては、クリエイティブ分野のほかIT、医療、会計、法曹、ファッション分野となり、2021年2月期より新たに開始したCXOエージェンシー事業では法人や個人事業主を含む戦略コンサルタント、上場企業等における経営経験者と同社のネットワーク(人材及び顧客企業)を結び付け、新たなビジネスモデルや事業、サービスの創出をサポートしている。なお、医療及び法曹分野については派遣が法律上禁止されているため、紹介のみのサービスとなる。

(3) ライツマネジメント事業(知的財産の企画開発・流通)
ライツマネジメント事業は、クリエイティブ分野のほかIT、法曹、ファッション分野で展開している。クリエイティブ分野における版権ビジネス(小説等の海外向けの映像化権エージェントサービス等)のほか、新技術や特許等の知的財産を活用した付加価値の高いサービスが含まれる。新規サービスとして、クリエイティブ分野では発掘した漫画家や作家の作品を企画開発・収益化する「漫画LABO」やVR・AR技術を活用したコンテンツを用いたプラットフォームサービス、法曹分野ではSNSプラットフォーム「JURISTERRA」、その他分野ではAI予測プラットフォーム「Forecasting Experience」等の育成に注力している。これらサービスについては既存のエージェンシー事業やプロデュース事業で構築してきたネットワーク(人材及び顧客)との親和性が高いため、今後の成長ポテンシャルは高いと弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《AS》

 提供:フィスコ

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