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4763 C&R

東証P
1,664円
前日比
+44
+2.72%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.7 2.33 2.58 56.47
時価総額 383億円
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C&R社 Research Memo(10):順調な収益成長に伴い中期業績目標を上方修正


■中長期の成長戦略

1. 中期経営計画の進捗状況
クリーク・アンド・リバー社<4763>はプロフェッショナル分野という定義で、テレビ・映像、ゲーム、Web、医療、会計、法曹等多くの分野で事業を展開し成長を続けているが、今後は既存事業領域の深掘りに加えて周辺領域への展開や付加価値の高い新規サービスを創出・育成していくことでさらなる成長を目指している。こうしたなか、2021年4月に発表した3カ年の中期経営計画では、「プロフェッショナルとともに事業を創造することにより豊かな社会を創る」ことをテーマとし、プロフェッショナルが世界中で活躍できる環境の構築と、プロフェッショナルのアイデアをプロデュースして激変する社会に向けて新規事業の創出に取り組んでいく方針を打ち出した。

基本戦略として、プロフェッショナル分野のさらなる拡大、新規サービスの創出、経営人材の創出、コーポレート・ガバナンス強化の4点を重点施策として取り組み、2022年2月期の業績は当初計画を上回るなど順調な滑り出しを見せている。足元についても主力事業を中心に受注が順調に推移していること、DXの取り組みによる生産性向上で利益率も上昇していることなどから、最終年度となる2024年2月期の業績目標を売上高470億円、営業利益45億円と当初計画(売上高460億円、営業利益35億円)からそれぞれ上方修正した。売上高については旧会計基準ベースだと495億円となる。

既存・新規含めたプロフェッショナル分野における人材ネットワークの拡充により、エージェンシー事業とプロデュース事業の持続的な売上成長に取り組むと同時に、電子書籍やXR、AI関連といった付加価値の高い事業を育成していくことで収益性の向上を図る戦略となっている。

また、事業シナジーが見込まれるベンチャー企業等への出資もここ数年、積極的に進めている。例えば、2018年に出資した(株)CO2資源化研究所はCO2、水素を主原料として人工蛋白資源やバイオ燃料などを開発するバイオベンチャーで、脱炭素社会の実現に貢献するビジネスとして注目を集めている企業だ。同社グループとのシナジーとしてはライフサイエンス分野におけるプロフェッショナル人材サービスを提供することが可能となる。

2021年に出資したシンガポールのDigital Entertainment Asset Pte.Ltd.はブロックチェーン技術を用いたGameFi※1プラットフォーム「PlayMining」事業をグローバルに展開している急成長企業で、同社は版権を持つ人気漫画作品をNFT化して「PlayMining」上で販売し、クリエイターに収益還元している。2021年11月に販売を開始した「ブラックジャックによろしく」の価値は発売から4.5倍(2022年3月時点)に上昇した※2。今後もNFTを活用することで、保有コンテンツの収益最大化を目指していく考えだ。

※1 GameとFinanceを組み合わせた造語で、ブロックチェーン上でNFTゲームをプレイすることで暗号資産を稼ぐことを指す。「PlayMining」上ではDEAPcoinが流通している。
※2 DEAPcoinの価値が4.5倍に上昇している。購入者にはゲーム内アミュレット(装備することで攻撃力や防御力等が強化されるアイテムのこと)のプレゼントなどの特典を得ることができる。



プロフェッショナル領域を50分野まで拡大し、長期目標として売上高1,000億円、営業利益100億円を目指す
2. 長期目標
同社は、長期的な業績目標として売上高で1,000億円、営業利益で100億円を掲げている。営業利益率はプロフェッショナル知財エージェンシーへの取り組みを推進していくことで、10.0%まで引き上げていくことを目指している。現在、プロフェッショナル分野として8領域18分野に事業展開しているが、長期目標としては8領域50分野まで領域を広げていく考えだ。エンジニア領域についてはまだ進出していないが、2023年2月期中には足がかりを作りたい考えで、M&A戦略も選択肢として考えている。

また、プロフェッショナル人材ネットワークは現在の34万人超から150万人に、顧客数は4.4万社から15万社に拡大することを目標としている。プロフェッショナル人材のグローバルネットワークを構築するため、「C&R Creative Studiosメタバース構想」を2022年内にも策定、開発に着手する予定だ。メタバースについては営業ツールとしても活用していくことにしている。グローバル人材のネットワークを構築することができれば、海外事業も一段と拡大していく可能性があり、今後の動向が注目される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SI》

 提供:フィスコ

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