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4588 オンコリス

東証G
706円
前日比
-4
-0.56%
PTS
700円
23:40 05/02
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
10.10
時価総額 148億円
決算発表予定日

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オンコリス Research Memo(2):ウイルス製剤を用いた抗がん剤及びがん検査薬の事業化を目的に設立


■会社概要

1. 会社沿革
オンコリスバイオファーマ<4588>は、2004年に設立されたバイオベンチャーで、「Virology(ヴィロロジー/ウイルス学)に立脚した創薬」を事業コンセプトとして、がんと神経変性疾患などを対象に研究開発を進めている。

創業のきっかけは、現代表取締役社長の浦田泰生(うらたやすお)氏と現在の岡山大学消化器外科の藤原俊義(ふじわらとしよし)教授との出会いによるものであった。藤原教授は腫瘍溶解ウイルスの一種であるアデノウイルスを用いた抗がん剤テロメライシンの開発、及び事業化を目的とした企業設立を検討しており、そのための経営者を探していた。当時、大手企業の医薬品事業部に在籍し、同様のアイデアを持って抗がん剤の開発を考えていた浦田氏と出会い、共同で創業した。このため、創業段階ではテロメライシン及びテロメライシンにクラゲが持つ発光遺伝子(以下、GFP)を組入れたがん検査薬テロメスキャンの事業化を目的として同社を設立した

その後、パイプラインを拡充するため2006年に米Yale大学からHIV感染症治療薬候補「OBP-601」、2009年にはアステラス製薬<4503>から新規分子標的抗がん剤「OBP-801」のライセンス導入を行い、研究・開発に着手した。「OBP-601」に関しては、2010年に米Bristol-Myers Squibb Co.(以下、BMS)にライセンスアウトしたが、BMSの事業戦略変更に伴い2014年4月にライセンス契約が解除された。しかし、2020年6月にトランスポゾンと神経変性疾患を対象とした治療薬に関して全世界の再許諾権付き独占的ライセンス契約を締結し、現在トランスポゾンにて臨床試験が進められている。そのほか、同年6月に鹿児島大学と共同で新型コロナウイルス感染症治療薬の開発に着手した。

テロメライシンに関しては、2008年に台湾のメディジェンと戦略的提携契約を締結したほか、2019年4月には中外製薬と独占的ライセンス契約及び資本提携契約を締結した。ただ、中外製薬とのライセンス契約については先方の戦略変更によって2022年10月に解消した。

一方、がん検査薬となるテロメスキャンは、2012年に国内で研究目的の受託検査サービスとして開始し、海外では2015年に米国のバイオベンチャー、Liquid Biotech USA, Inc.(以下、リキッド)とライセンス契約を締結して事業拡大に取り組んできた。ただ、リキッドの資金繰りが悪化したことにより、2021年12月にライセンス契約を解消しており、現在はAIベンチャーの(株)CYBOと共同でテロメスキャンを用いたCTC※自動検出ソフトウェアの開発を進めている。

※ CTC(血中循環がん細胞)とは、原発腫瘍組織または転移腫瘍組織から血中へ遊離し、血流中を循環する細胞のこと。原発腫瘍部位から遊離した後、CTCは血液内を循環し、その他の臓器を侵襲して転移性腫瘍(転移巣)を形成する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SO》

 提供:フィスコ

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