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4432 ウイングアーク1st

東証P
2,902円
前日比
+85
+3.02%
PTS
2,917.7円
17:57 05/21
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
17.2 2.55 2.89 204
時価総額 1,011億円
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ウイングアーク Research Memo(6):キャッシュが積み上がり、財務レバレッジは大幅に低下


■ウイングアーク1st<4432>の業績動向

2. 財務状況
(1) 連結財政状態計算書
2022年2月期末における資産は、58,919百万円(前期末比3,009百万円増)となった。流動資産は10,940百万円(同3,649百万円増)、非流動資産は47,978百万円(同639百万円減)となった。流動資産の増加の主な要因は、現金及び現金同等物3,846百万円の増加によるものである。非流動資産の減少の主な要因は、顧客関係・技術関連資産の償却に伴うその他の無形資産569百万円の減少があったことによるものである。

2022年2月期末における負債は、28,299百万円(前期末比1,932百万円減)となった。流動負債は11,403百万円(同227百万円増)、非流動負債は16,896百万円(同2,159百万円減)となった。流動負債の増加の主な要因は、営業債務や賞与引当金などで233万円の減少があったものの、未払法人所得税438百万円の増加があったことによるものである。非流動負債の減少の主な要因は、借入金返済に伴う長期借入金1,973百万円の減少によるものである。

2022年2月期末における資本は、30,619百万円(前期末比4,941百万円増)となった。資本の増加の主な要因は、配当金の支払に伴う利益剰余金の減少1,428百万円があったものの、ストックオプション行使に伴う資本金の増加884百万円及び資本剰余金の増加884百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上に伴う利益剰余金4,352百万円の増加によるものである。

財務の健全性の観点でみると、同社の財務レバレッジ(純有利子負債÷調整後EBITDA)は大幅に低下しており、健全性は高まっている。具体的には、2020年2月期で1.8倍、2021年2月期で1.7倍、2022年2月期で0.7と推移しており、順調にキャッシュが積み上がった結果とみてとれる。

なお、同社が2016年4月に旧ウイングアーク1stの全株式を取得した際に発生したのれん及びその他の無形資産は、その後の企業買収により発生したものを含め、2022年2月期末現在それぞれ27,249百万円及び16,636百万円となっており、合わせて同社グループの資産の74.5%を占めている。IFRSでは、日本基準と異なり、のれん及び一部の耐用年数を確定できない無形資産(商標権)の償却を行わない。毎期又は減損の兆候が存在する場合には、その都度減損テストを実施し、同社グループの事業の収益性が低下したと認められる場合には、減損損失を計上する必要が生じる。その場合、同社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性がある。

ただ、同社グループでは、のれんの減損に係るリスクを低減するため、事業の収益力強化に努めており、主に以下の取り組みを実施している。

・リカーリングビジネスの拡大
ソフトウェアライセンスの保守、サブスクリプションやクラウドサービスの利用料等のリカーリングレベニューは、契約が継続される限りは毎年継続的に売上が計上され、契約数が増加すればその分売上も増加する。同社グループは、事業の安定と収益力の強化のため、このリカーリングビジネスの拡大を図っている。

・業種・業務に特化したソリューションの推進
同社グループは、単なるソフトウェアやクラウドサービスの提供ではなく、業種ごとのノウハウを組み合わせた顧客の業務に即したソリューションを提供している。特にデータエンパワーメントソリューションは、製造業向けのIoT可視化ソリューションや金融業向けの営業生産性向上ソリューション等の提供により成長してきた。新ソリューションによるさらなる売上拡大のため、継続的な技術開発と業種ノウハウの蓄積に努めている。

(2) 連結キャッシュ・フロー計算書
2022年2月期における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりである。

(a) 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果獲得した資金は、6,439百万円(前期は4,952百万円の獲得)となった。これは主に、法人所得税の支払額1,142百万円の計上があったものの、税引前利益5,910百万円の計上、減価償却費及び償却費1,538百万円の計上があったことによるものである。

(b) 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、532百万円(前期は134百万円の使用)となった。これは主に、サーバールームにおける電源工事やサーバー、業務用パソコンなど、有形固定資産の取得による支出104百万円、セキュリティ監視強化など社内インフラシステム構築、販売や契約管理システム拡張開発などに伴う無形資産の取得による支出391百万円、投資有価証券の取得による支出121百万円を計上したことによるものである。

(c) 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、2,084百万円(前期は4,646百万円の使用)となった。これは主に、ストックオプションの行使に伴う株式の発行による収入1,721百万円があったものの、借入金の返済による支出2,000百万円、配当金の支払1,428百万円を計上したことによるものである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 藤田 要)

《SI》

 提供:フィスコ

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