貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
株価20分ディレイ → リアルタイムに変更

4396 システムサポート

東証P
1,852円
前日比
+4
+0.22%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
16.4 4.15 1.94 40.14
時価総額 192億円
決算発表予定日

銘柄ニュース

戻る
 

システムサポート Research Memo(4):クラウドインテグレーション事業を中心に5つの事業を展開(2)


■システムサポート<4396>の会社概要

(1) クラウドインテグレーション事業
クラウドインテグレーション事業では、ServiceNowやAWS、Microsoft Azure、Google Cloud 、Oracle Cloud Infrastructureなど各種クラウド基盤の導入・利用支援やライセンスの再販(リセール)を行っている。2023年6月期第2四半期累計の売上構成比を見ると、「ServiceNow」関連が38.5%と最も高く、AWS関連が34.5%、Microsoft Azure関連が12.1%、Google Cloud関連が10.9%と続く。また、リセールの売上比率は33.6%となっている。

クラウド関連の受注案件は、クラウド事業者からの紹介が多いため、各クラウド基盤の認定技術者を数多く育成し顧客満足度の高い開発実績を積み重ねていくことが、受注拡大のための重要なポイントとなっている。このため、同社は認定技術者の採用・育成に注力しており、こうした取り組みの結果、Microsoft Azure、AWS、Google Cloud、Oracle関連などのAwardで数多くの表彰を受けている。収益性は比較的安定しており、なかでも「ServiceNow」関連については、国内でいち早く参入して多くの開発実績を積み重ねてきたこともあり、クラウド関連のなかではもっとも収益性の高いビジネスとなっている。

なお、クラウドサービス利用料となるリセールについては、AWSやMicrosoftなどクラウド事業者からドル建てで同社に請求が送られ、それを同社が円換算して円建てで顧客に請求している。このため、為替が円安となった場合は、売上高の増加要因となる顧客側の支払い負担が増加するため利用量を抑制する動きが出る可能性もあるが、売上総利益率は一定で変わりない。また、急激に為替が円安に振れた場合はドル建て債務に関する為替差損が発生するケースもある。

(2) システムインテグレーション事業
システムインテグレーション事業では、企業のITシステムのコンサルティング・設計・開発・運用保守のほか、ERPパッケージの導入・利用に係る技術支援、Oracleデータベース等のインフラ構築等が含まれる(Oracle Cloud Infrastructure関連はクラウドインテグレーション事業に含む)。2023年6月期第2四半期累計の売上構成比では、ITシステム開発が53.1%と過半を占め、ERP関連が28.2%、データベース関連が18.7%と続く。

金融機関向けシステムやERP構築など大規模プロジェクトについては、納期遅延などによる不採算発生リスクを避けるため、直接受注ではなく二次請けで受注している。採算性は低くなるが、大規模プロジェクトは長期間にわたって売上に貢献するため、エンジニアの稼働率を一定水準維持する役目を果たしている。

(3) アウトソーシング事業
アウトソーシング事業では、子会社のイーネットソリューションズが運営している国内3ヶ所のデータセンター(東京、金沢)における運営サービスが売上高の82.5%を占め、残り17.5%をデータ分析・入力、ニアショアによるシステム運用保守で占めている。

データセンターについては、企業のプライベートクラウドのインフラ用あるいはBCP対策・データバックアップ管理用として主に利用されている。同社ではデータセンターの顧客獲得施策として、付加価値サービスの提供も行っている。具体的には、2006年から地震情報と連動して社員の安否確認メッセージを自動で配信する緊急通報・安否確認サービス「Safetylink24」の提供を開始したほか、2010年には電子ワークフローシステム「ActionPassport」、2017年には日本アイ・ビー・エム(株)の「IBM Watson Explorer」(AIを活用した検索・分析プラットフォーム)を月額料金制で手軽に利用できるサービス「Magic Insight」の提供を開始している。データセンターサービスは、預かるデータ量が増えると月額売上も積み上がるストック型の収益構造となっていることが特徴だが、設備能力増強時には減価償却費が増加し、一時的に利益面で影響が出る場合もある。2022年12月時点で、データセンターの利用顧客数は約1,000社となっている。

(4) プロダクト事業
プロダクト事業では、同社グループによるプロダクト(ソフトウェア)の開発及び販売、サービス提供を行っており、顧客ニーズに応じたカスタマイズ開発にも対応している。現在の主力製品は4つで、建築業向け工事情報管理システム「建て役者」と卸・小売業界向けを中心としたモバイル受発注システム「MOS」がそれぞれ売上高の3割強を占めており、クラウド型シフト管理システム「SHIFTEE」と勤怠・作業管理システム「就業役者」がそれぞれ1割強を占めている。不定期にカスタム開発案件を受注することもあるが、クラウド(SaaS型)サービスによる月額課金が売上の大半を占めており、契約件数の積み上げによって収益が増加するストック型ビジネスモデルとなる。販売については直販が多いが(「建て役者」についてはOEMが多い)、販売代理店も活用している。

(5) 海外事業
海外事業は、北米に展開している日系企業向けに、米子会社でシステムインテグレーションサービスや人材紹介サービスを、カナダの子会社で給与・会計業務のアウトソーシングサービスを展開している。

(6) グループ企業と従業員数
同社の子会社は、各社の専門領域において積極性・迅速性をもって常に顧客に新たなソリューションを提供するため、機能別・業種別に専門特化している。2022年6月期末の連結従業員数は前期末比107名増の1,233名となっており、従業員の84%が技術者で占められている。また、地域別では52%が首都圏、北陸が20%、関西が14%、東海が12%、海外が0.8%の構成となっており、各地域でバランスよく人材の採用を進めている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《NS》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均