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4176 ココナラ

東証G
395円
前日比
-2
-0.50%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
9,875 4.50 27.61
時価総額 94.5億円

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ココナラ Research Memo(1):「ココナラエージェント」で法人ユーザーを開拓


■要約

ココナラ<4176>は、個人が持つ多様な知識・スキルをオンラインで売買するマッチング型プラットフォーム「ココナラ」のサービスを提供している。当初は「占い」を中心とした相談・プライベート系が中心であったが、ここ数年でフリーランスや副業需要を取り込みながら制作・ビジネス系カテゴリ(デザイン、Webサイト制作等)が大きく成長し、サービスのマッチング型ECプラットフォームとして圧倒的ポジションを確立している。販売額の25%※を同社が手数料として受け取り、これが営業収益となる。また、2022年1月にスタートアップ支援を行う子会社として(株)ココナラスキルパートナーズを設立し、2022年8月期より連結決算を開始した。

※販売額に対して出品者から20%、購入者から5%の手数料を徴収(税抜)。電話相談サービスに関しては手数料率が約50%となる。


1. 2023年8月期第2四半期業績の概要
2023年8月期第2四半期(2022年9月-2023年2月)の連結業績は、営業収益で前年同期比22.8%増の2,195百万円、営業損失で148百万円(前年同期は448百万円の損失)となった。「ココナラ」の流通高は同19.3%増の7,116百万円と想定していた成長率(20%台前半)を下回ったものの、電話占いの伸長とサービスPR広告収入の増加によるテイクレート※1の上昇により営業収益は同20.6%増の1,947百万円となった。また、「ココナラ法律相談」の営業収益は有料登録弁護士数の増加により同43.6%増の247百万円と好調が続いた。営業費用は人件費・採用費や支払手数料・システム費等が増加したものの、広告宣伝費の減少により同4.8%増の2,343百万円にとどまった。なお、Non-GAAP営業利益(テレビCM関連費用除く)※2は前年同期の217百万円から221百万円と若干の増益となった。

※1 テイクレート=営業収益÷流通高
※2 Non-GAAP営業利益=営業利益+株式報酬費用+子会社のココナラスキルパートナーズ費用


2. 2023年8月期の業績見通し
2023年8月期の連結業績は営業収益で前期比25.1%増の4,800百万円、営業損失で700百万円(前期は515百万円の損失)と期初計画を据え置いた。「ココナラ」の流通高は通期で25%成長を見込んでいたが、リオープニングの影響により20%前後の水準にとどまる可能性があると弊社では見ている。一方、営業損失については700百万円を下限として広告宣伝費等の費用コントロールを行うことで損失を最小限に抑えられる見通しだ。「ココナラ」流通高の拡大施策としては、従来と同様に機能の拡充による利便性の向上を図ることに加えて、アライアンス戦略により法人ユーザーの獲得を推進する方針だ。また、2023年1月より開始したITフリーランス向け業務委託案件の紹介サービス「ココナラエージェント」は、「ココナラ」で扱えなかった月次稼働型のマッチングサービスとして育成に注力し、早ければ2024年8月期から収益へのインパクトも与えるものと期待される。同サービスの強みは、「ココナラ」を利用するITフリーランスの会員を既に多く抱えており、企業が求める専門人材のマッチングを行いやすい点が挙げられる。また、ITフリーランス側から見れば、「ココナラ」でスポット型案件を「ココナラエージェント」で月次稼働型案件を見つけることが可能となり、「多様な働き方」を実現できるプラットフォームとしての魅力度が一段と増すことで、会員数のさらなる増加が期待される。

3. 成長戦略
同社がターゲットとするオンライン完結型のサービスEC市場は、2020年時点の1,000億円規模から2030年頃にはEC化率上昇や法人利用の浸透に伴って約1.8兆円に拡大する可能性があると同社は試算している。将来的に「ココナラ」をAmazonや楽天市場のような圧倒的強さを有する総合カテゴリ型のサービスECプラットフォームに育成することを目指しており、中長期の収益目標として流通高1,000億円、営業利益率30%の水準を掲げている。当面の収益計画としては、2024年8月期第4四半期にNon-GAAP営業利益で黒字化し、2025年8月期以降は通期での黒字化を目指す(2023年8月期の会社計画は570百万円の損失)。今後も「ココナラ」が主軸になることに変わりないが、「ココナラエージェント」やその他周辺サービスも今後展開する予定にしており今後の動向に注目したい。

■Key Points
・リカーリング型のビジネスモデルで、圧倒的なサービス出品数とレビュー数により業界随一のマッチング型ECプラットフォームに成長
・2023年8月期第2四半期の営業収益はリオープニングの影響により成長が一時的に鈍化するも2ケタ増ペースは持続
・2023年8月期は営業損益の計画必達を優先し、下期の費用をコントロールする方針
・2024年8月期第4四半期にNon-GAPP営業利益の黒字化、中長期で営業利益率30%水準を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《AS》

 提供:フィスコ

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