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3976 シャノン

東証G
436円
前日比
+5
+1.16%
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業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
138
時価総額 13.9億円
決算発表予定日

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シャノン Research Memo(8):MAサービス市場は年率20%成長が見込める高成長市場


■シャノン<3976>の中長期の成長見通し

1. 統合型マーケティング支援市場の見通し
調査会社の(株)アイ・ティ・アールの資料(ITR Market View:SFA/統合型マーケティング支援市場2018)によれば、統合型マーケティング支援市場の2016年度の国内市場規模は、前年度比60.7%増の107.7億円と大幅成長となった。2017年度(予測)も同50.4%増となり、2021年度に向けて年率20.2%の成長が予測されている。2014年以降、セールスフォース・ドットコム<CRM>やマルケト<MKTO>といった外資系企業が日本で営業活動を開始したことにより、MAツールの認知度が向上したこと、並びに国内でもMAツールを開発する企業が増え、顧客の裾野も大企業から中堅・中小企業へと広がりを見せ始めたことが高成長の要因となっている。また、顧客側から見ればインターネットやSNSの普及により、顧客属性に応じたデジタルマーケティング施策の重要性が高まるなかで、マーケティング業務をオートメーション化し費用対効果を向上したいというニーズが高まってきたことが背景にある。とはいえ、まだMAツールを導入している企業数は2,000~3,000社と全企業の1割にも満たない※と言われており、今後も機能進化や操作性の向上が進むことで、一段の普及拡大が見込まれている。

※Nexal(株)が2017年5月に実施した調査によれば、国内企業のMAツール導入率は0.5%、上場企業だけに限ってみても4.3%という結果だった。(http://nexal.jp/blogs/2017f1-ma-survey.html)


こうした高成長市場において、同社は統合型マーケティング支援市場のベンダー別売上金額及びシェアで2010年度以降7年連続トップを走ってきた。2017年度の実績はまだ明らかになっていないもののMAサービスの売上高が伸び悩んだこともあり、トップの座を競合ベンダーに明け渡したものと思われる。ただし、BtoB企業向けに限定すれば依然、トップシェアを確保しているようだ。今後については、導入が広がり始めている中堅企業の顧客開拓がどの程度進むかが重要なカギを握ると見られる。競合も従来の外資系企業に加えて、(株)フロムスクラッチなど日系企業も台頭してきており、顧客獲得競争の激化が予想される。とはいえ、市場の成長は年率20%成長が続く見通しであり、同社においても製品競争力や販売力を維持向上していくこができれば、業界平均並みの成長率で事業を拡大していく可能性はある。今後半年間でどの程度、顧客獲得スピードが加速化していくかが注目される。


サブスクリプション売上の積み上げによって、営業利益率で10%前後を目指す
2. 中期的な利益成長目標
同社は中期的な目標として、サブスクリプション売上を年間20百万円ペースで積み上げていく※ことで、MAサービスに占めるサブスクリプション売上の構成比を2017年10月期の約60%から2020年10月期には約70%まで高め、収益の安定化を図ると同時に、営業利益率も引き上げていく方針を示している。2017年10月期のMAサービス売上高は11.0億円、うちサブスクリプション売上6.2億円を、3年後にはMAサービスで約21億円、うちサブスクリプション売上で約14億円まで拡大していくことになる。契約アカウント数で換算すれば800件程度になると見られる。サブスクリプション売上の年平均成長率は30%で、2018年10月期がやや遅れ気味となっているため、到達時期が1年程度先送りされる可能性はあるものの、潜在需要から考えると成長ポテンシャルは大きい。同社ではサブスクリプション売上で年間240百万円程度の増収を継続していくことで人件費増分を吸収し、営業利益率で10%前後まで引き上げていくことを当面の目標としている。計画どおり進めば、2020年10月期の営業利益で2億円超の水準が期待できることになる。

※翌期の売上げインパクトは月額×12ヶ月となるため、前年度比での増収額は240百万円となる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《NB》

 提供:フィスコ

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