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ヴィンクス Research Memo(3):流通小売業向けに情報関連サービスを展開


■事業概要

1. サービス概要
ヴィンクス<3784>は流通・サービス業、なかでも流通小売チェーンを主ターゲットとして、POS(Point of sale=販売時点情報管理)システム関連、CRM(Customer Relationship Management=顧客関係管理)関連、MD(Merchandising=商品政策)関連のパッケージプロダクトやソリューションサービスなどを提供している。報告セグメントは情報関連サービス事業の単一セグメントだが、分野区分をアウトソーシング分野、ソリューション分野、プロダクト分野、その他IT関連分野としている。

過去5期間(注:2018年12月期は決算期変更で9ヶ月決算)の分野別売上高・営業利益の推移は以下のとおりである。同社は、アウトソーシング分野とソリューション分野を主力としており、近年はプロダクト分野も拡大して収益柱に成長しつつある。その他IT関連分野はハードウェア仕入販売が中心のため利益率がやや低くなっている。なお2020年12月期はコロナ禍によって、アウトソーシング分野においては海外を中心とする顧客の店舗休業などで利用料サービス売上が減少し、その他IT関連分野においてはハードウェア販売を中心に受注遅れが発生した。ソリューション分野も検収の期ずれや受注遅れが発生したが、豊富な受注残を背景に2020年3月期業績を上回った。プロダクト分野はPOS関連が拡大基調である。

なお連結子会社は、国内のエリアとUi2がソリューション分野、国内の4 U Applicationsがプロダクト分野、海外の4社(維傑思科技(杭州)有限公司、Vinx Malaysia Sdn.Bhd.、VINX VIETNAM COMPANY LIMITED、VINX SYSTEM SERVICE (Thai land) Co.,Ltd.)がアウトソーシング分野を展開している。

2. アウトソーシング分野
アウトソーシング分野は、顧客企業の情報システムインフラの効率的かつ安定的運用を実現するため、各種サービス(システム運用・管理サービス、ソフトウェア保守サービス、ヘルプデスクサービス、ASP(Application Service Provider)サービスなど)を受託している。ストック型ビジネスであり、継続的なサービス提供による安定収益源となっている。

3. ソリューション分野
流通・サービス業における顧客企業ニーズに対応して、流通・サービス業向け基幹システムソリューション(販売管理、商品管理、物流管理など流通・サービス業の基幹となる業務システム)、クレジットカードシステムソリューション(クレジットカードシステムの基幹システム)、ネットビジネスソリューション(EC構築を中心とするWebソリューション)など、各種業務システムの企画・開発を行っている。基本的には、流通・サービス業の顧客企業からシステム開発を直接受注している。

4. プロダクト分野
流通・サービス業のシステムに関する技術やノウハウをベースとして、各種パッケージソフトウェアの開発・販売を行っている。顧客企業ニーズに対応してソフトウェアのカスタマイズも行う。販売ルートはハードウェアメーカーやシステム開発業者などを経由した販売に加えて、直接販売も行っている。主要なパッケージソフトは以下のとおりである。

(1) オープンPOSパッケージ「ANY-CUBE」シリーズ
OLE-POS仕様(マイクロソフト<MSFT>がPOS技術共通化のために提唱し、同社が中心となって策定したPOSソフトウェアの標準化仕様)に準拠し、POS専用機やタブレットなど様々なハードウェア上で稼働するPOSパッケージソフトウェアである。主力商品として、ドラッグストア、スーパーマーケット、専門店、量販店など多種多様な業種・業態向けに販売している。顧客によるM&Aが行われた際、ハードウェアを買い換えることなく流用しやすいことも支持を集める理由の1つである。

(2) 流通・サービス業向けCRMパッケージ「Hybrid Satisfa」
ECと実店舗において顧客管理、ポイント管理、顧客分析などの機能を有するCRMパッケージソフトウェアである。オープンPOSパッケージ「ANY-CUBE」やWebシステムと連携して提供している。

(3) 流通業向けMD基幹システム「MDware」
小売チェーンストアの「店舗~本部~取引先」間をシームレスに結ぶMDパッケージソフトウェアである。商品マスター管理から発注・在庫管理までトータルな業務運用を実現する。最近では自動発注機能のニーズが高まっており、基幹システム全体ではなく同機能のみを単体で導入する顧客も増加している。

(4) 次世代統合運用ソリューション「Hybrid」シリーズ
IBMi搭載PowerSystemsに対応して国内累計出荷数3,000ライセンス以上の実績がある次世代統合運用プロダクト群である。

(5) 次世代運用プロダクト「VI-SERIES」
AIやIoTを活用し、人物の体温検知、物質の温度異常検知、防犯や顔認証など、システムの運用監視以外の検知や監視を集約して幅広く効率的な管理を実現する。

(6) 統合運用監視ツール「Integrated Viewer for ZABBIX」
Windows・Linux・UNIX・IBMi・仮想環境・クラウド環境・統合サーバなど、あらゆる環境を一元監視するサーバ運用監視ツールである。

5. その他IT関連分野
ソリューション分野及びプロダクト分野におけるシステム構築の一環として、ハードウェア販売を行っている。またチェーンストアの各店舗に対する店舗システム機器の導入や教育などのサービスも行っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《EY》

 提供:フィスコ

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