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3484 テンポイノベーション

東証P
916円
前日比
-2
-0.22%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
17.2 4.85 2.18 3.06
時価総額 162億円
決算発表予定日

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テンポイノベ Research Memo(1):2023年3月期第2四半期は計画を上回る増収・大幅増益


■要約

テンポイノベーション<3484>は、経営理念に「貢献創造」、経営方針に「転貸借の商慣習を変え、店舗物件のスタンダードを創造する」を掲げ、飲食店向けの居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業、店舗家賃保証事業、及び不動産売買事業を展開している。

1. 安定的かつ成長性の高いビジネスモデル
店舗転貸借事業は、不動産オーナーから賃借した店舗物件を店舗出店者に転貸借する事業である。同社はターゲットを「東京・飲食店・居抜き」店舗に特化して事業展開している。ターゲットエリアは飲食店舗が集中して需要が見込める東京23区を中心とする首都圏1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)、ターゲット顧客は低コストでの飲食業の出店・起業を希望する小規模事業者、ターゲット店舗は出店費用を抑えることができるため、出店・起業希望者が多い飲食店の居抜き店舗である。店舗転貸借事業の収益モデルは、転貸借物件(賃借した物件のうち、店舗出店者と転貸借契約を締結している店舗物件)数の増加に伴って収益を積み上げるサブスクリプション(以下、サブスク)(ストック)型ビジネスモデル(転貸借物件数×転貸差益額)である。転貸借物件数が増加基調であり、店舗転貸借ビジネスの先駆者として高い競合優位性を有していることも勘案すれば、安定的かつ成長性の高いビジネスモデルと言えるだろう。

2. 2023年3月期第2四半期累計は計画を上回る増収・大幅増益
2023年3月期第2四半期累計の連結業績(2023年3月期から連結決算に移行のため、前期比増減率は非記載)は、売上高が6,103百万円、営業利益が554百万円、経常利益が581百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が398百万円となった。前年同期の非連結業績との単純比較では、売上高は7.7%増収、営業利益は25.6%増益、経常利益は24.3%増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は25.4%増益となる。新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の影響が継続したが、転貸借物件数の積み上げや成約件数の増加・解約件数の減少によって期初予想を上回る増収・大幅増益で着地した。コロナ禍においても旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して小規模・好立地の居抜き店舗物件の積極的な仕入を推進し、成約件数(新規契約と後継契約の合計)は前年同期比33件増加の224件、期末時点の転貸借物件数は2,080件(前年同期比268件増加、2022年3月期末比では129件増加)となった。

3. 2023年3月期通期連結業績予想は据え置きだが上振れの可能性
2023年3月期通期の連結業績予想は、期初発表を据え置いて、売上高が12,655百万円、営業利益が1,059百万円、経常利益が1,074百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が733百万円としている。2022年3月期の非連結業績との単純比較で、売上高は10.9%増収、営業利益は16.4%増益、経常利益は8.9%増益、親会社株主に帰属する当期純利益は10.7%増益となる。成約件数は43件増加の450件、期末転貸借物件数は270件増加の2,221件の計画で、成約件数と転貸借物件数が順調に増加して増収増益予想としている。なお、コロナ禍影響等の不透明感を考慮して通期会社予想を据え置いているが、経済正常化が進むなかで、協力金の支給が途絶えて資金繰りが厳しくなった店舗の退店が進むとともに出店需要が高まり、物件仕入とリーシングの両面で同社の事業展開に適した環境となる可能性も同社では想定している。さらに第2四半期累計の進捗率が順調となったことも勘案すれば、積極的な事業展開により通期会社予想を上振れる可能性が高いだろうと弊社では考えている。

4. 独自のビジネスモデルと積極的な事業展開で中長期成長ポテンシャルは大きい
成長に向けた基本戦略は「東京・飲食店・居抜き」の領域にこだわり、成長のベースとなる優良な転貸借物件数の増加を図る方針としている。そして中長期的な目標として、2025年3月期に営業部門100名体制を構築し、2026年3月期に転貸借物件純増数600件/年、2027年3月期に成約件数1,000件/年、2029年3月期に転貸借物件数5,500件、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。外食産業の規模は大きく、店舗数では同社がターゲットとする小規模事業者が大半を占めている。また開業・廃業による入れ替えが激しいため、同社の「東京・飲食店・居抜き」領域の店舗転貸借事業にとって市場機会は豊富であり、さらなる市場開拓余地は大きい。さらに、市場規模は大きく競合リスクは小さいという独自のビジネスモデルであり、積極的な事業展開で中長期成長ポテンシャルは大きいと弊社では評価している。

■Key Points
・店舗転貸借事業は「東京・飲食店・居抜き」に特化、安定的かつ成長性の高いビジネスモデル
・2023年3月期は増収増益予想、さらに上振れの可能性
・独自のビジネスモデルと積極的な事業展開で中長期成長ポテンシャル大きい

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《SI》

 提供:フィスコ

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