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3344ワンダコーポ

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ワンダーCo. Research Memo(4):苦戦が続くCD・DVDレンタル


■ワンダーコーポレーション<3344>の事業概要

4. TSUTAYA事業
TSUTAYA事業は同社子会社のVidawayが運営しており、ゲームソフトやCD・DVD、雑誌の販売及びCD・DVDのレンタルサービスを行っている。同社上場後にエンタテイメント事業の拡大を企図して、CCC※のFCだった(株)サンレジャーと(株)ケイ・コーポレーションを子会社化してスタートした。関東を中心に92店舗(2019年3月期第2四半期末)を展開している。近年広がりを見せるエンタテイメント商材の電子化を背景としたコンテンツ配信サービスにより、同事業のようなパッケージを使った販売やレンタルが押されている状況が続いている。対策として、CCC主導でライフスタイルショップ化を図ったり、同社独自のサービスを展開したりしているが、厳しい業績に変わりない。

※カルチュア・コンビニエンス・クラブ(株):「カルチュア・インフラを、つくっていくカンパニー。」をブランド・ステートメントに掲げるTSUTAYAのフランチャイザー。



音楽イベントNo.1企業へ
5. 新星堂事業
新星堂事業は、上場企業だった(株)新星堂を子会社化、その後吸収合併してスタートした。全国に99店舗(2019年3月期第2四半期末)あり、CDなどの音楽ソフト類、DVDなどの映像ソフト類の販売を行っている。2014年2月期の連結以来一度も黒字になったことがなく、現在も不採算店の閉鎖を続けているが、ビジネス展開としては非常に面白くなってきたところである。アーティストとファンをつなぐ音楽イベントが好評で、2017年2月期の5,500回から2018年2月期には6,000回へと、店舗数を減らしながらもイベント回数を増やしている。イベントは50~60坪のイベントスペースのある一部店舗や全国のショッピングモールで実施、メジャーアーティストとしてはX JAPANやSexyZone、育成アーティストとしては「ゲゲゲの鬼太郎」のアニメソングのまねきケチャ、女性ダンスボーカルグループのフェアリーズなどのプロモーションを行った。

ビジネスモデル的には、イベントスペース(300人規模)を確保できる商業施設に新星堂をイベント店舗として展開、1店舗当たり年間50回程度のイベントを実施、イベント請負フィーにCD・DVDやグッズの販売で収益を得、イベント店舗の営業利益率は通常店舗の3%に対して7%と非常に高率である。また、新星堂によるイベントは非常に活況なため、ファンのみならずアーティストや商業施設からの期待も高い。インターネットサイトに全国全店の新星堂イベント情報を集めた専用ページのイベントナビをオープン、一方秋葉原駅電気街(オノデン地下1階)にエンタバアキバを出店、新しいコンセプトのエンタテイメントスペースとして、アーティストや作品との連動による期間限定ショップや展示を予定している。将来的には興行も視野に入れたいところだが、ハードルが高いため、現状はイベントビジネスを徹底することが重要と思われる。依然不採算店の閉鎖を積極的に進めているところだが、イベントスペースを確保できる店舗を残す考えである。将来へ向けた明るい兆しと言えるだろう。


期待の「TetraFit」と「HEART BREAD ANTIQUE」
6. 新業態
WonderGOOの売場面積縮小を埋め合わせるように、新たな成長の芽が伸び始めている。代表格がTetraFitとHEART BREAD ANTIQUEである。TetraFitは同社の新事業で、独自の高強度インターバルトレーニングと暗闇フィットネスを組み合わせたエンタテイメント型フィットネス事業である。特徴は、「自社開発の独自プログラム、高強度インターバルトレーニング、30分で500kcalの超脂肪燃焼、暗闇とハイテンション、低価格」というテトラメソッドにある。また、高地環境トレーニング施設として開発した2,500m以上の高地環境ルームを使って、30分で2時間相当の運動効果のあるトレーニングや疲労回復しやすい身体作りのサポートも開始した。業績は順調のもようで、出店加速と他社へのライセンス供与を検討している。HEART BREAD ANTIQUEは、大半のパンをスクラッチ製法で製造するWonderGOO店舗のインストアベーカリーである。HEART BREAD ANTIQUEは株式会社オールハーツ・カンパニーがフランチャイザーとして展開しているベーカリー事業で、ワンダーコーポレーションが2014年にFC加盟をしている。冷凍生地の多い他社インストアベーカリーに比べて人気が高く、予算を上回る店舗も多く、高収益となっている。今後はWonderGOO店舗内だけでなく、他社ショッピングモールへの出店も推進する計画である。このほか、資生堂美容コンテストで1位を獲得した化粧品販売事業や、全社的イベントで自治体とコラボレーションしたワングーフェスなど、積極策が実りつつあることは好印象である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《HN》

 提供:フィスコ

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