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3341 日本調剤

東証P
1,482円
前日比
-20
-1.33%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
10.3 0.75 1.69 21.25
時価総額 460億円
比較される銘柄
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綿半HD
決算発表予定日

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日本調剤 Research Memo(3):赤字が懸念された2019年3月期第2四半期において黒字で着地


■日本調剤<3341>の業績の動向

3. 医薬品製造販売事業
医薬品製造販売事業の2019年3月期第2四半期は、売上高19,431百万円(前年同期比1.1%増)、営業利益344百万円(同46.1%減)となった。期初予想比較では売上高は5.8%(1,203百万円)の未達だったが、営業利益は期初の465百万円の営業損失の予想に対して809百万円上回って着地した。

当セグメントの売上高は、自社薬局チェーン向けの内部売上高と、外部売上高の2つから成る。このうち内部売上高は、調剤薬局事業における数量ベースの増加や新規出店効果により前年同期比増収となった。一方外部売上高については、従来から進める採算性を重視した販売戦略を継続した結果、前年同期比では7.6%の減収となった。

利益面では、前年同期との比較では売上高の218百万円の増収に対して売上原価が479百万円の増加となったため、売上総利益は261百万円の減益となった。販管費も32百万円増加したため営業利益は293百万円の減益となった。売上原価の増加の主なものはつくば第二工場の稼働に伴う減価償却費を始めとする経費の増加だ。

一方、期初予想との比較では、売上高は1,203百万円の未達だったが、売上原価は1,936百万円減少した。その結果売上総利益は期初予想に対して733百万円増加した。販管費も期初予想に対して76百万円減少した結果、営業利益は期初予想を809百万円上回り、赤字予想に対して黒字を確保した。

計画対比で売上総利益が拡大した最大の要因は、同社が進める採算性重視の販売戦略だ。具体的に言えば卸売業者との取引において適正な価格での販売の取り組みであり、従来から同社が注力してきたポイントだ。これが2019年3月期第2四半期は前述の流通改善ガイドラインが追い風となって、大きく浸透した。さらに生産工程や設備メンテナンス等の工場の現場において経費節減を徹底したことも寄与した。医薬品メーカーとして比較的歴史が浅い同社であるが、2010年10月のつくば工場稼働後8年を経てジェネリックメーカーとしての生産管理や経費管理のノウハウが蓄積し、コストコントロール力が付いてきているとみられる。こうした要因から売上総利益率は期初予想の10.9%に対して実績は15.4%と前年同期に近い水準まで改善し、利益の大幅上振れにつながった。

2019年3月期第2四半期は医薬品製造事業における1つのターニングポイントだと弊社では考えている。理由の1つは流通改善ガイドラインだ。今回のガイドラインは“国が主導する”ことを明記している点で、過去のものと比べて浸透力が強いと思われる。現状の商慣行や取引状況に照らすと、このガイドラインの恩恵は少なくとも当初はメーカーが受けるものとみられる。同社の業績上振れはその顕れと言える。2005年の改正薬事法を受けて調剤薬局大手は様々な対応策に取り組んだが、医薬品製造販売という垂直展開を選択したのは同社だけであった。今回の流通改善ガイドラインで医薬品製造販売事業を有することの意味合いは一段と高まると弊社ではみている。もう1つの理由は、つくば第二工場の稼働初年度にあたる2019年3月期が損益面では最も厳しい年となるが、そこを営業黒字で切り抜ける見通しが立ったことだ。同社は2019年3月期の営業利益を損益トントン(上期赤字、下期黒転)で見ていたが、上期を黒字で乗り切ったことで2020年3月期のV字回復実現の確信度が大きく高まったと弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

《RF》

 提供:フィスコ

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