【特集】利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第2弾 30社選出 <成長株特集>
ハリマ化成G <日足> 「株探」多機能チャートより
下表は、本決算月にかかわらず、直近3ヵ月実績の7-9月期に経常利益が全四半期ベースで過去最高益を5%以上、上振れて更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している30社を選び出し、7-9月期経常利益の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップのエー・ディー・ワークス <3250> は主力の富裕層向け収益不動産販売で利益率の高い物件の引き渡し棟数が増え、7-9月期(第2四半期)経常利益は13.5億円と過去最高益を3.9倍上回って着地。上期実績(14.7億円)が通期計画10億円を大幅に上回っており、業績上振れは確実とみられる。2位に入った機械商社の椿本興業 <8052> は重工業向けパワートランジスター部品の販売好調に加え、液晶画面製造装置などの機械設備の工事が順調に進み、2四半期ぶりに経常利益の過去最高益を大きく更新した。
4位のフィックスターズ <3687> は自動運転を中心としたアルゴリズム開発やソフトウェア高速化サービスの増勢が続いたほか、画像処理向けストレージ・サーバーのスポット案件を計上したことも収益を押し上げた。続く5位のUbicomホールディングス <3937> はフィリピンを拠点とするソリューション開発で製造業・医療分野のテスト自動化や分析などの受注が伸びたうえ、メディカル事業ではレセプト点検ソフトの販売が好調だった。同社は6月に小型ロボット「ユニボ」を開発するユニロボット、9月に生体認証システムのLiquidと資本業務提携を結んでいる。今後は協業先との事業シナジーや新規ビジネスへの参入による成長加速を目指す。
8位に入ったヨシックス <3221> は自社の建築事業部を活用した低コスト出店を強みとする居酒屋チェーン。7-9月期(第2四半期)は主力のすし居酒屋「や台ずし」を中心に積極出店を進め、2四半期連続で過去最高益を更新した。9位のハリマ化成グループ <4410> は中国子会社の業績が好調だった製紙用薬品部門の収益が急拡大したほか、円安による為替差損益の好転もプラスに働き、19四半期ぶりの最高益更新を果たした。欧州社を持分法適用関連会社化したことも好感され、株価は3日に2006年4月以来、12年8ヵ月ぶりの高値圏に浮上した。その後は利益確定売りに押されているが、予想PER7.5倍、PBR0.78倍、配当利回り3.2%と指標面で割安感が強く買い戻しが期待される。
選出リストには、フィックスターズやUbicomをはじめ、企業の旺盛なIT投資ニーズが追い風となった情報通信業が目立つ。16位のアドソル日進 <3837> は電気自動車(EV)や自動運転の制御システム案件が拡大したほか、セキュリティソリューションなどの受注も伸び、7-9月期(第2四半期)は売上高、経常利益ともに過去最高を記録した。同社は情報漏えいや標的型サイバー攻撃の脅威が高まるなか、投資テーマとして人気が高いサイバーセキュリティ関連の一角として注目を集める。
17位のコムチュア <3844> はクラウドやビッグデータ・AI関連、RPA(事務用ロボット)などのソリューションサービスの受注が拡大したうえ、高付加価値化戦略が進み採算も向上した。同社は株主還元に積極姿勢をみせており、今期配当は14期連続で増配する計画だ。また、19位のTDCソフト <4687> と26位のMinoriソリューションズ <3822> の7-9月期(第2四半期)はいずれも製造業・公共向けのシステム開発案件が大きく伸びた。Minoriは決算とあわせて18万株(発行済み株式数の2.05%)を上限とする自社株買いの実施を発表したことも評価材料となり、株価は上値追い基調が続いている。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌─ 通期 経常利益 ─┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 7-9月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<3250> ADワークス 291 1358 347 8.0 1000 926 19.3
<8052> 椿本興 97.9 2207 1115 35.4 5000 3693 6.1
<3245> ディアライフ 70.3 2010 1180 2.3 3000 2932 10.0
<3687> Fスターズ 36.1 362 266 5.3 1172 1113 51.8
<3937> Ubicom 34.7 202 150 44.2 512 355 38.7
<3445> RSテクノ 25.0 1862 1490 80.3 5810 3223 18.7
<6294> オカアイヨン 23.3 518 420 18.1 1500 1270 14.9
<3221> ヨシックス 23.2 642 521 14.4 2240 1958 22.6
<4410> ハリマ化成G 22.6 1766 1440 12.3 4500 4008 7.5
<5302> カーボン 21.9 4603 3775 73.6 13000 7490 6.4
<6187> りたりこ 21.1 373 308 7.6 836 777 62.4
<3388> 明治電機工業 21.1 1270 1049 30.2 3920 3010 8.4
<3276> 日本管理C 20.5 846 702 14.1 2800 2453 10.0
<4248> 竹本容器 19.1 543 456 6.3 1531 1440 17.7
<6381> アネスト岩田 17.8 1614 1370 1.1 4400 4352 16.1
<3837> アドソル日進 17.1 287 245 3.9 890 857 30.1
<3844> コムチュア 17.1 711 607 10.2 2215 2010 31.9
<5351> 品川リフラ 17.0 2995 2559 60.3 10200 6365 6.5
<4687> TDCソフト 16.1 748 644 6.5 2030 1906 16.6
<2491> Vコマース 15.0 989 860 44.0 3250 2257 24.2
<9302> 三井倉HD 13.0 2940 2601 8.4 8500 7841 9.8
<7525> リックス 12.4 773 688 4.8 2570 2453 7.3
<6539> MSジャパン 12.2 460 410 16.7 1522 1304 36.7
<7734> 理計器 11.5 1787 1603 11.5 5100 4575 15.1
<7467> 萩原電気HD 10.8 1179 1064 12.1 4020 3587 9.8
<3822> Minori 9.6 490 447 1.9 1555 1526 13.7
<9619> イチネンHD 8.6 1863 1716 2.5 6100 5953 6.7
<6292> カワタ 8.0 631 584 66.3 2000 1203 7.9
<9099> C&Fロジ 6.7 1501 1407 5.5 4200 3981 12.3
<2209> 井村屋G 5.6 1029 974 13.7 1700 1495 32.4
※ 2017年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
株探ニュース