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3179 シュッピン

東証P
1,238円
前日比
+10
+0.81%
PTS
1,238円
10:31 05/09
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.5 3.48 2.67 6.58
時価総額 287億円
比較される銘柄
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あさひ, 
ワットマン
決算発表予定日

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シュッピン Research Memo(6):クロスメディア部を発足、CGM関連コンテンツの有機的結合でシナジー効果狙う


■中長期の成長戦略

3. CGMマーケティングの本格稼働
売上高を拡大するための仕組みをシュッピン<3179>は“プラットフォーム”と称している。顧客を引き寄せ、あるいは囲い込むための様々な仕組みの総称と考えればよいだろう。その仕組みづくりにおいて、同社は消費者(Consumer)の参加を誘導し、消費者が発信する情報をマーケティングに活用する仕組みを多用している。こうしたマーケティング手法はCGM(Consumer Generated Media、消費者生成メディア)マーケティングと呼ばれ、スマートフォンの普及やSNSの利用拡大に伴い、非常に幅広く活用されている。

同社は主力商材であるカメラについてCGMマーケティングに関する様々なサービスや仕組みをリリースし、それらを主体とした売上拡大のためのプラットフォームを完成させている。具体的には、 “購入前”については機種選定に有効なブログ(スタッフブログ「Map Times」)やレビュー(「Kasyapa」)、口コミ情報の提供などがある。また、“購入時”については「見積もりSNS」や「下取交換」・「先取交換」の導入などがある。そして“購入後”についてはカメラで撮影した写真をアップできる場としての「Everybody Photograher.com」(略称「エビフォト」)をローンチしている。エビフォトに自身で撮影した写真をアップして楽しむと同時に、そこで他者からの刺激や新たな情報を受けることで、また新たなカメラや交換レンズの購入意欲を刺激し、次の取引につなげようというのが狙いだ。プラットフォームのポイントは、1)顧客の消費行動を“購入前⇒購入時という直線運動から“購入前⇒購入時⇒購入後⇒購入前⇒・・・”というサイクルに変えることと、2)消費のサイクルを“シュッピン商圏”上において発生させ、かつ留め置く、という2つだ。

2020年3月期の取り組みは、このプラットフォームをもっと活性化させようということが主眼だ。同社の現状について、個々の仕組みはそれなりに有効に機能しており、所期の狙いを実現できていると認識している。1つの例としてはエビフォトには5万点を超える一般ユーザーからの写真がアップされており、それらはECサイトの各カメラのページにヒモ付けられている。購入を検討中のユーザーはエビフォトにアップされた作例を見た上で購入の判断ができることになる。これは同社がエビフォトに期待した狙いどおりの状況だ。しかしながら、上述した複数のコンテンツのすべてが、エビフォトのように効果的な連携までには至っていない。同社は各コンテンツのすべてが効率よく集客数の増加及び売上拡大につながるよう改善していく計画で、これがCGMマーケティングの本格稼働への取り組みということだ。

具体的には、専門部隊として「クロスメディア部」の創設を進めている。当初はプロジェクトチームという形でスタートして、作業内容や組織の方向性が固まった段階で正式に部として発足させる予定だ。効果の度合いや、効果発現の時期などについては明らかにされていないが、同社が提供している個々の仕組み・機能は、単独でも想定どおりの効果を挙げているものが多い。これらが有機的に連携しあったときにどのような化学反応が起こり、収益拡大につながっていくか、注目したい。


時計事業部から女性向けビジネスをスピンアウトし、レディース事業部を発足。時計から始まり、宝飾品・ジュエリーへの展開も視野
4. レディース事業の本格展開
同社は時計事業からのスピンアウトとして女性向け時計を主軸としたレディース事業を本格的に開始する計画だ。女性顧客と女性スタッフの双方が拡大したことで、時計事業の屋号である『GMT』から独立させて、別屋号で展開することを決定した。

取扱商材の主軸は時計だが、女性用高級腕時計はジュエリーとしての面を持つことも多いため、レディース事業ではジュエリー・宝飾品にも取扱カテゴリーを拡大する方針だ。

初年度の2020年3月期については収益規模の目標を掲げていないが、2年目の2021年3月期については約20億円という見通しを公表している(中期経営計画の項を参照)。非常にアグレッシブな目標にも見えるが、一方でこれまでにも女性向け時計を扱ってきた実績があるため、ロケットスタートは十分可能という見方もできる。今後の展開が注目される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

《ST》

 提供:フィスコ

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