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BS11 Research Memo(2):独立系BSデジタル放送局。放送開始11年目に入り成長スピードを更に加速させる


■会社概要

1. 沿革
日本BS放送<9414>は1999年8月、ビックカメラ<3048>により、日本ビーエス放送企画株式会社として設立された。1999年12月に郵政省(現・総務省)にBSデジタルデータ放送の委託放送業務の認定を受けたのを皮切りに、試験的なデータ放送などを経て、2007年12月にBSデジタルハイビジョン放送(現行のBS11)の本放送を開始した。以来、2017年で放送開始10周年を迎え、11年目の2018年は言わば2周目に入った状況にある。

この間、2010年に日本民間放送連盟に加入したほか、2011年には(株)ビデオリサーチが行う接触率調査(BSパワー調査。現在はBS視聴世帯数調査)※に参加するなど、衛星放送業界の中での信用度と存在感を着実に高めてきている。

※接触率調査(BSパワー調査、現在はBS視聴世帯数調査へと名称変更):2010年民放キー局系のBSデジタル放送5社が共同でビデオリサーチに委託して開始した、BS放送の視聴動向調査。BS11は2011年10月から参加し、現在は6社6チャンネルによる共同委託事業となっている。調査内容はいわゆる視聴率調査と類似だが、チャンネルごと及び番組ごとの接触率は非公表となっている。2015年4月から調査方法が「日記式」(紙に記入するアンケート方式)から「機械式」へと切り替わり、名称がBS視聴世帯数調査へと変更になった。


ファウンダーがビックカメラであることから明らかなように、同社は地上波キー局の系列に属さない独立系のBS放送局だ。ビックカメラはその後TV通販事業から撤退したため、ビックカメラ向け売上高比率は現状では約1~2%まで低下しており、経営の面でも完全に自立した状態にある。同社は独立系としての強みを生かして高成長を持続し、2018年8月期では売上高13,000百万円を目指すところまで至っている。

株式市場には、2014年3月に東京証券取引所第2部に上場したのち、2015年3月に1部に指定替えとなり、現在に至っている。


認知度向上による広告収入の拡大と、BS放送の利点を生かしたローコストオペレーションの徹底で、高い収益性を追求
2. 事業モデルと収益構造
(1) 収入の構造
現在、日本では21社の衛星基幹放送事業者が31のBS放送チャンネルを提供している。1事業者で複数のチャンネルを展開するケースもあるが、同社は「BS11」の1局・1チャンネル体制だ。BSのチャンネルには無料放送と有料放送があるが、同社は無料放送を行っている。同社のほかには民放キー局系列の5社とTwellV、Dlifeのみが無料放送を行っている。すなわち同社は、キー局系列に属さない独立系であることに加えて無料放送という2つの特徴を持ったBS放送局であると言える。

無料放送を行っている同社の収益構造は広告収入(スポンサー収入)が基本となっており、この点では地上波のテレビ局と同様だ。すなわち「広告枠」が同社の商品であるが、それらは、タイム枠、持込枠、通信販売枠などに細分類することができる。同社の売上高内訳の開示上は、タイム収入、スポット収入、その他に分類されている。2018年8月期第2四半期実績ではタイム収入が72.9%、スポット収入が24.4%、その他が2.7%となっている。その他の収入はアニメ製作委員会への出資に伴う配当金や番組コンテンツ販売による収入などだ。3つの収入がいずれも順調に拡大しているため、収入別構成比はここ数年大きな変化はない。

なお、同社は2018年1月に児童書特化型の出版社である(株)理論社と(株)国土社の全株式を取得し、連結子会社化した。これら2社の収益については、その業績インパクト(特に利益のインパクト)が小さいために独立したセグメントとはせず、その他の収入の中に組み込まれる見通しだ。

収入源である広告枠の販売動向を左右するのは、認知度(視聴者によるBS各局及び番組についての認知度合い)で、両者には明確な相関関係が読み取れる。この理由は、広告主がより高い広告効果を求めて、認知度調査や前出の接触率調査などの結果を参考にしながら出稿先のBS局や番組を選定してくるためと考えられる。

同社の認知度は毎年着実に向上しており、キー局系列のBS放送 5社へあと一歩に近づいた。そうした同社の認知度向上は、売上高の伸びとして業績にしっかりと反映されている。2016年8月期には売上高が10,212百万円と初の100億円の大台超えとなり、その後も2017年8月期通期、2018年8月期第2四半期と、2ケタの増収率を維持している。この間、BS放送業界全体の広告収入の伸びは1ケタ台の伸びにとどまっており、同社の順調な成長ぶりが際立つ状況となっている。キー局系5社の売上高は14,000百万円~17,000百万円のレンジにあり、同社は先行5社の一角に食い込むことになる15,000百万円の売上高到達を当面の経営目標に掲げている(詳細は中期成長戦略の項を参照)。

(2) 費用の構造
BS放送では放送衛星を通じて日本全国に電波を送ることができるため、1)全時間帯において全国約4,317万世帯で同時に同一の放送を視聴可能であること、2)地上波とはまったく異なるコスト構造により高効率の広告ビジネスが可能となっていること、の2つをBS放送の大きな特長として挙げることができる。

コスト構造の面では、地上波の放送局の場合は、各地に放送用電波塔を建設し中継基地等を経由する、いわゆるバケツリレーによって電波を届けることになる。したがって、BS局には存在しないネットワーク維持費が原価に加わることになる。一方BS放送の場合は、放送委託費や技術費などの放送関連費用が発生するが、地上波とBS放送とでは放送コストの面では相当の差があるとみられる。

BS局と地上波局のコスト構造の違いは、放送局の“商品”である広告枠の価格の差にストレートに反映されることになる。一般論として、広告単価がBS放送と地上波放送とでは10倍~20倍の差があるとも言われている。しかし放送コストが低いため、広告単価がそれだけ低くてもBS放送局の利益率は地上波放送局のそれを上回っているとみられる。

重要なことは、BS放送の広告単価が地上波放送と比べて10~20分の1に固定されているわけではないということだ。同社は半年ごとに広告単価の改定交渉を行っているが、同社の広告媒体としての価値向上を反映して毎回、広告単価の引き上げが続いている状況にある。広告単価の引き上げは競合相手との価格差の縮小につながり広告獲得に不利ではないかと危惧する向きもあるだろうが、その懸念は不要だと弊社では考えている。同社が広告単価引き上げに成功しているのは、価格差よりも認知度上昇等による高い広告効果が評価されたことが主因であるためだ。

費用に関して同社はもう1つの特長を有している。それは、コストコントロールが厳格に行われているということだ。同社の主要な費用費目は「番組関連費用」、「放送関連費用」、「広告関連費用」だ。このうち、放送関連費用はBS放送の特長から、極めて低位かつ安定的に推移している。番組関連費用と広告関連費用については売上高に対する一定割合の基準を維持して経営されてきている。同社は早期に売上高150億円を達成することを目指して、認知度向上や良質な番組作りという観点から先行投資としてこれらの費用を増加させる方針を採っているが、そうした状況においても、費用の効率的な使用を徹底している。この結果、2018年8月期第2四半期は当初の計画を上回る利益を確保することに成功した(詳細は後述)。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《MH》

 提供:フィスコ
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