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3021 パシフィックネット

東証S
1,493円
前日比
+3
+0.20%
PTS
1,491.1円
09:06 05/08
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
19.8 2.72 2.75
時価総額 80.4億円
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PCNET Research Memo(6):ITサブスクリプション事業は成長が加速


■パシフィックネット<3021>の業績動向

3. セグメント別業績
(1) ITサブスクリプション事業
ITサブスクリプション事業は成長率が高く、市場規模も大きいほか、ストック収益化による持続的成長が可能となる。法人向けPC市場はサブスクリプション・リース・購入といった保有形態があるが、サブスクリプション型の比率が年々拡大している。同社のサブスクリプションは故障対応等のPC管理といった保守サービスを含んでいるほか、中途解約は月単位で可能、経理処理はオフバランスで費用も平準化されるため、企業にとってはメリットが大きく利用が拡大している。同事業はコロナ禍でも着実に成長し、2019年5月期から2023年5月までの年平均成長率は29.6%となっている。今後はPC更新拡大期に入ることから、成長率は一段と上昇する可能性が高いと弊社では考えている。

2023年5月期の売上高は4,478百万円(前期比28.2%増)、セグメント利益は639百万円(同57.2%増)となった。好調な受注が売上高に順次計上された結果、売上高が拡大した。さらに、サブスクリプション資産の世代交代を図るとともに、中長期レンタルの顧客には極力ジャストインタイム方式での仕入を行い、短期レンタル利用の顧客には最小限の在庫で円滑な供給ができるようにオペレーションの業務改善を実施する等、在庫水準を適正化した。その結果、資産稼働率が大幅に改善し、在庫スペースのコスト削減などにより収益性を向上させた。コスト面では、重要な成長機会に向けて投資(サブスクリプション資産の継続取得、東京テクニカルセンターへの設備投資、IT人材の積極採用、デジタル化投資等)を行い、先行コストは引き続き増加したものの、サブスクリプション資産の稼働率が向上したこと等により、先行投資による増加コストをカバーした。なお、2023年5月期からサブスクリプション資産の耐用年数を変更している。これは、新基幹システムの稼働により分析能力が向上し、長期サブスクリプションの拡大による経済的使用可能期間が長期化傾向にあることが確認されたためである。

(2) ITAD事業
ITAD事業においては規模ではなく、収益性の向上や環境変化への対応力強化を現状での事業方針としているため、これに向けた構造の改革を実施している。2023年5月期の売上高は1,867百万円(前期比3.7%減)、セグメント利益は485百万円(同15.5%減)となった。新型コロナウイルス感染症再拡大、国内の新規PC出荷台数の減少の影響により、法人・官公庁からの使用済みPCの排出は本格回復には至らず、使用済みのIT機器の回収台数は前期比で減少した。また、大部分を占める低スペック品については、大口受け入れ先である中国のゼロコロナ政策によるロックダウンの影響で国内に在庫が滞留し、国内の市場価格も下落した。一方で、高スペック品であるサブスクリプション終了品を「PCNET Auction」を中心に販売を行い、売上に寄与した。なお、「排出管理BPOサービス」は、複数の大手企業からの受注や商談が進み、ほぼ計画どおり軌道に乗り始めている。また、これを契機としてITサブスクリプションやLCMサービス全般の取引への展開・拡大が期待される。

(3) コミュニケーション・デバイス事業
コミュニケーション・デバイス事業では、ワイヤレスガイド機「イヤホンガイド(R)」の製造販売・レンタル・保守・メンテナンスを手掛けている。観光業界で利用されるワイヤレスガイドでは90%以上の圧倒的シェアを有する。2023年5月期の売上高は223百万円(前期比185.7%増)、セグメント利益は18百万円(前期は66百万円の損失)と黒字に転換した。日本の水際対策の緩和が段階的に進み、行動制限・入国制限の撤廃や観光支援策が実施される等、観光業界を巡る環境は急速に改善し、業績回復への動きが鮮明となった。コロナ禍前は海外旅行用途がメインであったが、日本観光協会の「新型コロナウイルス対応ガイドライン」において密を避けるためガイドレシーバー利用が推奨されてきたこと、国内市場での新規開拓に注力してきたこともあり、国内観光及び大規模工場見学、美術館鑑賞等非旅行分野での法人利用が拡大した。また、海外旅行やインバウンドの需要も回復基調となってきたため、業績は大幅に改善した。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

《YI》

 提供:フィスコ

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