信用
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3010 ポラリスHD

東証S
239円
前日比
-1
-0.42%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.1 4.53
時価総額 297億円
比較される銘柄
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サイトリ細研
決算発表予定日

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価値開発 Research Memo(2):創業100年を超える歴史ある企業、ホテル運営事業で“第三の創業”


■会社概要

1. 沿革
価値開発<3010>は、1912年(大正元年)に創業され100年以上の歴史を持つ。当時の社名は上毛撚糸(じょうもうねんし)株式会社であり、群馬県で製糸業を営み業界大手の一角を占めていた。繊維不況を経て、1973年に不動産業に参入。その後不動産業がメインとなり、2006年に東京証券取引所の所属業種を「繊維」から「不動産」に変更、2008年には価値開発株式会社に社名を変更した。同年、フィーノホテルズを子会社化し、ベストウェスタンホテルのエリア開発会社となり、ホテル事業の足掛かりを築く。リーマンショックで不動産市況が悪化し、不動産事業主体からホテル事業にシフトした。2011年3月期にはホテル事業が不動産事業の売上高を逆転。2012年には東日本大震災復興支援プロジェクトの一環としてバリュー・ザ・ホテルを開業。2015年には東京証券取引所の所属業種を「不動産業」から「サービス業」に変更した。

2. 事業内容
同社の中核事業はホテル事業である。全国で展開する都市型ビジネスホテル「ベストウェスタンホテル」が12棟、東北に限定して展開する中長期滞在型ホテル「バリュー・ザ・ホテル」が6棟あり、この2ブランドがメインである。全社売上高の97.0%、全社営業利益の72.4%を稼ぐ。不動産事業ではマンションを中心とした保有物件の賃貸・管理を行う。かつて大きな割合を占めたが、ホテル事業にシフトするなかでその位置付けを低下させ、現在は売上高の3.0%、営業利益の27.6%となっている(いずれも構成比は2018年3月期第2四半期)。

3. ホテル事業:ベストウェスタンホテル
ベストウェスタンホテルは、世界最大級のワールドホテルチェーンであり、全世界の100を超える国と地域に4,000以上のホテルを展開しており、安心安全なハイパフォーマンスホテルとしてその名を知られている。ホテルのグローバルランキング(2016年)では、8位(4,195棟)にランクインする。特に北米で2,100棟、欧州で1,400棟のホテルがあり、欧米から日本を訪れる海外旅行客においては圧倒的な知名度を誇る。ベストウェスタンチェーン専用の予約サイトBest Western.comには世界2,000万人の会員がおり、安定的な予約が期待できる。現在、アジア・ミドルイーストエリアのホテル数は100棟を超え、今後も出店計画が多数進行中であり、今後更にブランド認知度の上昇が期待される。同社は、2008年に日本国内における唯一のエリア開発会社(ADO:Area Development Organization)となり、ベストウェスタンの国内展開を行っている。

日本において同社が運営に関わるベストウェスタンホテルは合計12棟(東北2棟、関東4棟、中部1棟、関西2棟、九州・沖縄3棟)である。主な運営形態は、1)物件所有者から賃貸をして運営するパターン、2)運営業務のみを受託するパターン、3)運営はFC会社が行うが同社が主に開業時にコンサルティングを行うパターンがあり、現在はFCのパターンが5棟である。また、主体はビジネスホテルだが、沖縄の2棟はリゾートホテルである。訪日外国人旅行者(インバウンド)の比率は高く、多いホテルでは約8割、少ないホテルでも約3割が外国人である。部屋タイプは欧米系インバウンド宿泊者の好むダブルルーム、アジア系インバウンド宿泊者の好むツインルーム、トリプルルームを充実させ、インバウンド宿泊需要に応えられるよう配慮している。ベストウェスタンの設備や運営の基準は厳格であり、ベッドの大きさ、食堂のメニュー、セキュリティなど多岐にわたり、専門の査察人員が定期的に評価をする。同社は、この世界的なブランドを守り、拡大していく重要な役割を担っている。

4. ホテル事業:バリュー・ザ・ホテル
バリュー・ザ・ホテルは、東日本大震災の復興支援を目的として、同社が主体に運営を開始したホテルであり、宮城県に4店舗、福島県に2店舗ある。中長期滞在者が快適に宿泊できるよう、1泊2食でリーズナブルな価格(6,000円前後)、シングル個室中心、コインランドリー施設の充実などが特長である。古川三本木店513室、東松島矢本店423室など収容人数が多く、復興従事者だけでなく、大型団体・学生やスポーツ団体、通常のビジネス客などにも柔軟に対応する。

■業績動向

1. 2018年3月期第2四半期の業績動向
2018年3月期第2四半期の売上高は2,412百万円(前年同期比27.2%減)、営業損失43百万円、経常損失83百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失114百万円となり、減収減益となった。売上高に関しては、訪日外国人旅行者が増加するなか、価値開発<3010>運営のホテルにおいても高稼働率・高客室単価を維持したものの、前期に札幌と大分のホテルの賃貸借契約の途中解約により運営ホテル数が減少したため、2017年9月にベストウェスタン大阪塚本をオープンしたものの補うには至らなかった。なお、第2四半期の売上高計画に対しては実績が上回っており、既存ホテルの運営自体は順調に推移している。利益面に関しては、新規ホテルのオープンにかかる設備等を費用として計上したこと、人員確保のための採用コストや人件費の増加などにより営業損失を計上した。第2四半期の営業利益計画よりも実績が下回った要因としては、当初資産として計上する予定であった新規ホテルのオープンにかかる設備等の投資を費用として計上したことが挙げられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)

《TN》

 提供:フィスコ

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