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2790 ナフコ

東証S
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前日比
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業績
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PER PBR 利回り 信用倍率
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時価総額 861億円
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ナフコ Research Memo(4):売上総利益率が過去最高を更新、各段階利益はコロナ禍前を上回る水準に回復


■業績動向

1. 2022年3月期の業績概要
ナフコ<2790>の2022年3月期の業績は、売上高が206,549百万円、営業利益が12,002百万円、経常利益が12,572百万円、当期純利益が7,961百万円となった。「収益認識に関する会計基準」等の適用による影響額としては、売上高が7,176百万円減少、売上総利益が2,590百万円減少し、営業収入が328百万円増加した。また、販管費が2,215百万円減少し、営業利益、経常利益及び税引前当期純利益がそれぞれ46百万円減少している。

参考値として、「収益認識に関する会計基準」等適用前の2021年3月期実績と単純比較した場合の増減率は、売上高が11.9%減、営業利益が34.1%減、経常利益が33.5%減、当期純利益が31.9%減となる。前期の新型コロナウイルス感染症対策商品特需や特別定額給付金による反動、暖冬により季節用品が低迷した結果、減収減益となったものの、コア部門である資材・DIY・園芸用品の売上構成比が前期比1.3ポイント上昇の46.1%となったほか、PB商品比率が同5.5ポイント上昇し42.7%となった結果、売上総利益率は同0.4ポイント上昇の34.8%と過去最高を更新した。なお、販管費は同3.8%減となったものの、販管費比率は同2.5ポイント上昇の29.1%となった。

一方、コロナ禍前の2020年3月期実績(「収益認識に関する会計基準」等適用前)と単純比較した場合の増減率では、売上高が5.1%減、営業利益が44.3%増、経常利益が40.3%増、当期純利益が61.1%増となる。売上総利益率が1.9ポイント上昇しているほか、販管費の抑制も寄与し、各段階利益はコロナ禍前を上回る水準に回復している。

(1) 店舗展開
店舗展開としては新規出店が4店舗、増床・改装が4店舗となり、2022年3月期末時点の店舗数は359店舗となった。新規出店は家具・ホームファッションストアのツーワンスタイル及びHCが各2店舗、増床・改装は九州地区を中心に行われた。

(2) 既存店売上高の動向
2022年3月期の既存店売上高は前期比9.2%減、客数は12.0%減となった一方で、客単価は3.2%増となった。前期の新型コロナウイルス感染症対策商品特需などの反動減や西日本での長雨の影響を受けたものの、2021年8月をボトムとして徐々に平常ペースに回復傾向となっている。

(3) 商品別の動向
商品別の動向※は以下のとおりである。前期の新型コロナウイルス感染症対策商品特需などの反動減により生活用品などが伸び悩んだものの、園芸やエクステリア、アウトドア用品などが堅調に推移した。

※2022年3月期より「収益認識に関する会計基準」等を適用しており、前期比は適用前の数値との比較となる。


資材・DIY・園芸用品の売上高は前期比9.5%減の95,123百万円、売上総利益は同9.8%減の34,198百万円、売上総利益率は前期同ポイントの36.0%となった。前期の大型台風の影響により資材及びDIYが減少した一方で、園芸用品は堅調に推移した。

生活用品の売上高は前期比16.4%減の52,003百万円、売上総利益は同15.9%減の15,283百万円、売上総利益率は同0.2ポイント上昇の29.4%となった。アウトドア用品はキャンプ用品を中心に好調に推移したものの、生活用品については新型コロナウイルス感染症対策商品特需が落ち着いたほか、暖冬により季節用品が低迷した。

家具・ホームファッション用品の売上高は前期比12.7%減の41,485百万円、売上総利益は同9.1%減の16,997百万円、売上総利益率は同1.6ポイント上昇の41.0%となった。ベッド部門は好調に推移したものの、在宅勤務等で需要が増したデスクやチェアーなどが低迷した。

その他の売上高は前期比9.2%減の17,936百万円、売上総利益は同10.7%減の5,330百万円、売上総利益率は同0.5ポイント低下の29.7%となった。灯油部門は堅調に推移したものの、灯油を除く商品が前期の反動減となった。


安定的な財務基盤で財務の健全性は高い

2. 財務状況と経営指標
2022年3月期末の資産合計は前期末比3,088百万円減少し233,075百万円となった。これは主に、商品が3,974百万円増加した一方で、現金及び預金が6,872百万円、有形固定資産が1,384百万円減少したことなどによる。負債合計は同8,029百万円減少し75,312百万円となった。これは主に、未払法人税等が5,283百万円、未払消費税等が2,082百万円、未払い金が1,513百万円減少したことなどによる。なお、有利子負債は1,744百万円減少し、有利子負債比率は8.7%(前期末は9.3%)となった。純資産合計は同4,941百万円増加し157,763百万円となった。この結果、自己資本比率は同3.0ポイント上昇し67.7%となった。なお、2022年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローが1,180百万円の収入であったが、これは法人税等の支払いや未払消費税等の増減によるものであり、懸念する必要はない。安定的な財務基盤で、財務の健全性は高いと評価できる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《YM》

 提供:フィスコ

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