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2715 エレマテック

東証P
1,896円
前日比
-27
-1.40%
PTS
1,910.1円
09:48 05/10
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.9 1.12 4.75 11.37
時価総額 802億円
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エレマテック Research Memo(9):中期経営戦略「エレマテックNEXT」を推進中、3分野に注力(1)


■中長期の成長戦略

1. 中期経営戦略「エレマテックNEXT」の概要
エレマテック<2715>は、2020年に中期経営戦略「エレマテックNEXT」を発表している。その中期戦略の柱として、「高付加価値型ビジネスの拡大」「海外有力顧客の開拓」「自動車ビジネスの拡充」の3つを掲げている。それぞれの進捗状況は次のようになっている。

2. 高付加価値型ビジネスの拡大
(1) 変化するビジネスモデル
同社が主戦場とする電子部品・部材・機器の市場において、同社に求められる役割は刻々と変化しており、現在では、(企画・開発>仕入>加工>物流>納品)という「ワンストップソリューション」が求められている。そのため同社の事業モデルも、(部材販売>モジュール品販売>完成品販売>完成品(システム込み)販売)へと変化している。このような市場から求められる役割に対応するため同社では、技術部、環境・品質保証部、営業部、開発部から派遣された専門家集団(営業、品質保証、設計)により「ODMチーム」を組成、より付加価値の高い完成品ODMビジネスの積極展開を行ってきたが、現在では「モジュール品+カスタマイズ品」比率が60%超となっている。今後もこの方針は変わらず、一段と「企画力・提案力」を強めていく計画だ。

(2) 完成品(ODM)ビジネスの進捗状況
同社では既に「ODMチームサポート体制」を立ち上げており、国内・海外双方に品質管理部門を設置して品質マネジメントを行っている。企画・設計から量産までを一元管理するため、提案力が強みとなっている。製品の量産実績を積み重ねており、対象製品は、ドライブレコーダーやウェアラブル活動量計、車載タブレット、モバイルバッテリーなど多岐にわたる。また、ウェアラブル機器やテレビ用リモコン、電源スタンドなどについて、量産の提案を行っている。

(3) ODM専門部署の設置
試作・量産等、ODMビジネスをさらに推進するため「ODM専門部署(本社第5営業グループ)」を設置した。その効果として、案件数は約100件程度へ大幅に増加した。

(4) 環境対応型商材の拡充
同社を取り巻く市場環境の1つとして、サステナビリティに対する意識が世界的に高まり、環境に配慮した商品への需要が急増している。さらに2022年4月からは「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が施行されたが、同社では、このような流れを新たなビジネスチャンスと捉え、「エコ商材推進チーム」を設置した。その成果として、既に下記のような商材が上市されている。これにより、法令に準拠する商材を提案し「脱プラ・減プラ」に貢献する。

・バイオプラスチックのカテゴリー
a) バイオマス:原料に植物等再生可能な有機資源を使用
b) 生分解性:微生物等の動きで二酸化炭素と水に分解
c) 樹脂ペレット:PP(ポリプロピレン)に紙等を混合
d) フィルム:土壌・堆肥で分解可能
e) 添加剤:PP・PE(ポリエチレン)等の樹脂に混ぜバイオマス度を向上/生分解性を付与
・プラスチック代替素材のカテゴリー
f) パルプモールド:竹・サトウキビを原料とした包装資材(既に大手ゲーム機メーカー向け梱包材として実績)
g) 異種材料成形品:紙・もみ殻等の廃材や天然素材を樹脂に配合

3. 海外有力顧客の開拓
(1) フォルダブルスマートフォン向けビジネスの強化
同社では、国内外の有力顧客から評価される「刺さる商材」の拡充を進めているが、そのなかで有望な商材として注目されるのがフォルダブル(折りたたみ式)スマートフォン用商材である。スマートフォン業界では現在、液晶型から有機EL型への移行が進んでいるが、その先にあるのがフォルダブルスマートフォンである。このフォルダブル端末は開発過渡期であり、今後本格的な量産が開始されると予想されるが、このような流れは同社にとって、「中国系・米系有力顧客を攻略」する点や、日本製の有力商材を中心にPRすることでOCA/OCR(光学透明粘着シート/光学透明樹脂)やフィルム(OLED表示面保護フィルム等)の拡販を狙える点において追い風となる。

(2) 刺さる商材の提案強化
同社では、国内外の有力顧客開拓のためには「刺さる商材」の提案強化が不可欠であると考える。そのためには、既存のグローバルネットワーク(国内 25拠点/海外 42拠点)に加えて、有力顧客の企画・開発拠点近くに開発部員を配置することが重要であり、以下のような拠点を開設している。

中国(深セン)では、フォルダブルスマートフォン向け商材を中心に中国の有力顧客へ訴求し、成果として中国系大手企業の口座を獲得した。米国(サンノゼ)では、ショールームにおいて日系商材を中心に米系有力顧客へアピールしている。成果として、米系大手ITプラットフォーム企業向けスペックイン案件の受注を獲得し、量産を開始した。台湾においては、今後開発部員を配置し、ドライブレコーダーの拡販やサンノゼで好評な商材の展開に注力している。

以上のような状況から、ターゲットとしていた大手米系、中国系企業のほぼすべてで取引口座を獲得した。今後はこれをさらに加速させる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《SI》

 提供:フィスコ

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