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2412 ベネフィット・ワン

東証P
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業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
61.7 15.28 5.42
時価総額 3,446億円
決算発表予定日

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ベネ・ワン Research Memo(1):2023年3月期第2四半期は増収減益も、各利益は計画値を大幅に超過


■要約

ベネフィット・ワン<2412>は、顧客企業の経営効率化や従業員満足度の向上を目的に福利厚生事業やインセンティブ事業、ヘルスケア事業等を展開している。2021年5月には2024年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定し、推進している。従来はそれぞれ独立して提供していた福利厚生、カフェテリアプラン、給与天引き、健診代行、ポイントサービス、保健指導などのサービスを「ベネワン・プラットフォーム」上においてワンストップで提供することにより、利便性の向上と会員数の拡大、給与天引きサービスの追加による決済代行ビジネスの確立と新収益基盤への育成につなげていく。また、同社は人事関連のビッグデータもプラットフォームに組み込み、顧客の人事分野でのデジタル化を推進することで「福利厚生のリーディングカンパニーから、HRDXのリーディングカンパニーへ」の変革を目指している。

1. 2023年3月期第2四半期の連結業績概要
2023年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比7.9%増の20,234百万円、営業利益が同29.9%減の4,828百万円、経常利益が同28.7%減の4,907百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同22.3%減の3,751百万円となった。売上高のみ計画値を下回ったものの、各利益に関しては会社計画を大きく上回る形で着地した。売上高に関しては新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)において、中小企業の福利厚生サービスに対する導入意欲の戻りが想定よりも緩やかに推移した。加えて、インセンティブ事業においては、新システムの安定運用に時間がかかったことにより、ポイントの交換・付与に遅れが生じた。これらの要因によって売上高は計画を若干下回って着地した。なおインセンティブ事業において、将来の収益となるポイント残高は高水準で推移した。利益面に関しては、当初の想定よりも補助金の支出が減少したことなどを受け、計画を大幅に上回った。

2. 2023年3月期の連結業績見通し
2023年3月期通期の連結業績予想は、売上高で前期比20.2%増の46,100百万円、営業利益で同15.4%減の10,800百万円、経常利益で同15.9%減の10,790百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同19.9%減の7,170百万円と、当初の増収減益予想を据え置いた。コロナ禍による影響が落ち着くことで、会員の福利厚生サービスの利用増による補助金の支出増加、新型コロナワクチン接種支援事業の規模縮小、中期経営計画達成に向けた先行投資による経費の増加などによって減益を見込んでいる。将来の成長加速に向けて先行投資を実施するという想定の下、「ベネワン・プラットフォーム」への会員データ移行、同プラットフォームと各種アプリケーションの連携、外部サービスとの連携、大型マーケティング施策の実施などによる会員数の拡大、給与天引きサービス「給トク払い」の推進、新収益基盤への育成に向けた取り組みは着実に進行している状況である。一時的に費用先行となるものの、成長加速に向けた土台を整える年度と言えるだろう。コロナ禍などの不確定要因は依然としてあるものの、労働市場の人手不足、政府が進める同一労働同一賃金、コロナ禍で加速した企業の健康経営促進などの外部環境は同社事業にとって追い風となることが想定される。これらを踏まえると、業績予想達成の可能性も高いと弊社は考えている。

3. 成長戦略
同社は2024年3月期を最終年度とする3ヶ年中期経営計画のなかで、「ベネワン・プラットフォーム」を利用する会員数を拡大することで、2024年3月期に売上高60,640百万円、営業利益20,950百万円、営業利益率34.5%、決済事業の年間利用額100,000百万円、2024年4月の福利厚生サービス会員数1,600万人(2022年4月時点の会員数は902万人)、家族会員の獲得を含むアクティブユーザー2,000万人の達成を掲げている。同社は「ベネワン・プラットフォーム」に人事関連のビッグデータも組み込み、顧客の人事分野でのデジタル化を推進することで「HRDXのリーディングカンパニーへ」の変革を目指している。2023年3月期第2四半期は、各施策が着実に前進した。2022年9月末時点の総会員数は前期比265万人増の1,128万人(うち、福利厚生会員が906万人、個人会員が222万人)に拡大したほか、新たな収益基盤である「給トク払い」で利用できるサービスは232メニューまで拡大した(2022年3月期末時点は187メニュー)。今後は、コロナ禍により健康経営に対する企業の注目がさらに高まっていること、人材不足といった外部環境が同社事業に対する追い風になることが想定される。中期経営計画目標の達成とその先のさらなる成長が期待できると弊社は考えている。

■Key Points
・2023年3月期第2四半期は増収減益も、各利益は計画値を大幅に超過
・企業の健康経営、人材不足が同社の事業へ追い風
・中期経営計画の施策も着実に進行し、今後の成長スピードの加速が予想される

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

《SI》

 提供:フィスコ

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