信用
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)のみができる銘柄
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1717 明豊ファシリ

東証S
864円
前日比
+5
+0.58%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
13.5 2.06 4.11
時価総額 110億円
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決算発表予定日

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明豊ファシリ Research Memo(1):デジタル経営で先行する強みを生かして、ポストコロナで更なる成長を目指す


■要約

明豊ファシリティワークス<1717>は、建築に関して技術的な中立性を保ちつつ、発注者(施主)側に立って基本計画作成や工事発注方式の検討、競争入札、品質・工程・コストの管理などを行うコンストラクション・マネジメント(以下、CM)事業(発注者支援事業)を展開する。ITの積極活用によりプロジェクトのすべてのプロセスを可視化しており、「フェアネス」と「透明性」を保ちながら、高い専門性と提案力に裏打ちされた「高品質なマネジメントサービスの提供」「プロジェクトの早期立ち上げ支援」を行うことで顧客からの信頼を獲得し、成長を続けている。2019年11月に東京証券取引所市場第2部から第1部への指定替えを実現した。

1. 2020年3月期の業績概要
2020年3月期の業績は、売上高で前期比22.2%減の4,353百万円、経常利益で同16.2%増の906百万円となり、会社計画(売上高4,280百万円、経常利益790百万円)を上回って着地した。売上高は工事原価を含むアットリスクCM案件からピュアCM案件への移行により減収となったが、社内で管理する受注及び売上粗利益(売上高-社内コスト以外の売上原価(工事費、外注費等))は過去最高を更新し、経常利益も10期連続増益となり過去最高を更新した。ここ数年で「明豊のCM」の認知度が高まり、地方自治体の庁舎建替えや学校校舎の改築、空調設備導入プロジェクト等の案件を多く受注したことに加えて、働き方改革に取り組む企業からのオフィス構築依頼が増えたことも増益要因となっている。特に、公共分野ではCMの普及が進んでおり、受注粗利益構成比に占める公共分野の占める比率も、2017年3月期の6%から2020年3月期は27%まで上昇している。

2. 2021年3月期の業績見通し
2021年3月期の売上高は前期比9.4%減の3,945百万円、経常利益は同32.0%減の616百万円を見込む。売上高は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、新規受注活動に影響が出ることを前提とした計画となっている。費用面では近隣に開設していたオフィスの本社統合費用や、システム開発費、増員による人件費の増加などを予定している一方で、経費削減や生産性向上などにより、これら費用増要因は吸収できる見込みとなっている。2020年4月~5月の状況については、9割以上がテレワークを活用した体制となったが、プロジェクトは順調に進んでいるもようだ。同社は従前より、完全ペーパーレス、常時テレワークで事業が継続できるシステムを自社開発で構築しており、今回はこうした取り組みが奏功した格好となっている。直近の人員稼働率についても、公共、学校、鉄道、大規模開発プロジェクト等の同社が得意とする分野の受注が堅調なことから高水準を維持している。2019年には国内の建設プロジェクトとして、過去最大級となるJR東日本<9020>の品川開発プロジェクトを受注するなど、受注案件も大規模化している。このため、2021年3月期の業績見通しは保守的な傾向が強く、今後の新型コロナウイルス感染拡大状況次第では、計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。

3. 今後の事業方針
同社は2021年3月期の事業方針として、「事業継続」「ポストコロナに向けた成長力の蓄積」「ポストコロナに適応したCMの提供」の3点を掲げている。同社の強みは、自社開発したITプラットフォームを用いて建設プロジェクトの可視化を行い、「フェアネス」と「透明性」に基づく高品質で生産性の高いCMサービスを提供していることにある。こうした強みに今後もさらに磨きをかけ、ポストコロナにおいても着実な成長を目指していく方針となっている。同社がターゲットとする建設市場におけるCMの普及率はまだ1~2割と低く、伸びしろも大きい。特に、公共分野では庁舎の建替えプロジェクトに加えて、老朽化した各種施設の維持・改修ニーズが増大することが予見されており、同社が開発した多拠点施設の一元管理及び維持・保全システムが効果を発揮するものと予想される。こうしたプロジェクトは長期にわたるケースが多く、収益基盤の安定化にも寄与することになる。

■Key Points
・2020年3月期は公共分野等のCM好調により、経常利益で10期連続増益、過去最高を更新
・2021年3月期業績は新型コロナウイルス感染症の第2波到来による経済活動の低迷を前提とした保守的な計画
・高シェアを握る公共分野のCM普及率上昇により、中長期的な成長余地は大きい

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《YM》

 提供:フィスコ

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